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CardanoのEVM互換サイドチェーン「Milkomeda C1」の解説

Layer2・サイドチェーン

Milkomedaの概要

Milkomeda(ミルコメダ)は、Cardano, Solana, Algorandの非EVMチェーンに対するEVM互換のサイドチェーンです。2022年4月、Milkomedaは最初のサイドチェーンとして、CardanoのサイドチェーンかつEVM互換チェーンである「C1サイドチェーン」(愛称 Milkodano)をリリースしました。

以下、本文ではC1サイドチェーンのことをMilkomeda C1を表記し、プロジェクト名はMilkomeda 単体で表記します。

Milkomeda C1の背景を知るためには、まずCardanoブロックチェーンの特徴を把握する必要があります。学術的なアプローチで慎重な開発を行うことで知られているCardanoは、2021年9月12日に大型アップグレード「Alonzo(アロンゾ)」を経て、スマートコントラクトをローンチしました。これにより、今まで$ADAの送金しかできなかったCardanoブロックチェーンに様々なユースケースが適用できるようになりました。

Cardanoでスマートコントラクトを使ったアプリケーション開発をするためには、開発者はスマートコントラクト言語及びフレームワークの集合体であるPlutus(プルータス)を使用します。このようなアプローチは、Cardanoチェーン特有の優れた機能を使うことができる一方で、欠点も存在しています。

多くのブロックチェーンアプリケーションの開発者は、既にEVM互換チェーンで使用するスマートコントラクト言語のSolidityに慣れ親しんでいます。そのため、Cardanoで開発するということは、わざわざPlutusの習得に時間を費やす必要があります。これは開発者にとっては非常に手間がかかることで、独自のスマートコントラクト言語を使うブロックチェーンプロジェクトにとってはエコシステムの立ち上がりが遅くなる要因となります。実際に、Cardanoをはじめとする非EVM互換チェーンのエコシステムの発展は、EVM互換チェーンと比べるとエコシステムの発展が遅く、いずれのプロジェクトもアプリケーション開発者の獲得に苦戦しています。Milkomedaでは、Cardanoのサイドチェーン「Milkomeda C1」を用意することでSolidityを活用できる環境を実現し、Cardanoエコシステムを使いたいDApps開発者が容易に参入できる環境を整えていきます。

後発チェーンとして、Milkomeda C1は十分な性能と機能面を兼ね備えるように設計されています。スケーラビリティは秒間数百万トランザクションまで拡張できるようになっており、これまでのEVM互換チェーンと比べてもトップクラスのスケーラビリティを有しています。また、従来のサイドチェーンで発生していたユーザビリティの問題を排除するために、ラップされたスマートコントラクト(Wrapped Smart Contracts)を備えています。これにより、ユーザーはチェーンを離れることなくCardano<>Milkomeda C1間でトランザクションを実行することができるようになります。

また、Milkomeda C1の特徴的な点が、チェーン固有のネイティブトークンを発行しない点です。Miokomeda C1のチェーン上では、Cardanoメインネットからブリッジされた$ADAである$milkADAを利用します。そのため、Milkomeda C1は実質的に$ADAをネイティブトークンとしたチェーンと言えます。さらに、Milkomeda C1のバリデーターはCardanoの信頼できるバリデーター(Stake Pool Operator: SPO)から選出されるため、Milkomeda C1はCardanoメインネットと密な関係になっています。

Milkomeda C1は非常に速く普及が進んでおり、2022年4月9日時点、ローンチしてからわずか1週間程度でロックされた資産の総額(TVL)が102M USDと、Cardanoの227M USDの約半分に迫っています。

Milkomeda C1でCardanoを選択した理由

Milkomedaは、最初Cardanoを選択した理由として、Cardanoが他のProof of Stake(PoS)を採用するブロックチェーンが苦労している問題を解決していることをあげています。その多くが、以下のようなユーザービリティの問題になります。

  • ステーキングプールを自由に作成できる
  • ユーザーフレンドリーな方法でステーキングプールに委任できる
  • ブロック生成、委任に対する報酬
  • ステーキングしている資金を即座に移動できる(アンステーク期間がない)
  • トークンがスマートコントラクト上に構築されているわけではなく、ネイティブトークンとして動作する

また、Cardanoは2022年4月時点で既にノードが3,000以上に分散されており、既に十分な時価総額規模を誇っています。

そして何よりもMikomedaがCardanoを高く評価しているのは、エコシステムが独り立ちできるように、Catalyst(カタリスト)と呼ばれるDAOによる資金提供をする仕組みがある点です。Cardanoでは、ノード報酬の一部が差し引かれトレジャリー基金に資金が貯まるようになっており、Catalystにおける$ADA保有者の投票により、トレジャリー基金から資金が払い出されるようになっています。

加えて、MilkomedaのCo-FounderであるNicolas ArquerosとSebastien Guillemotは、いずれもCardanoエコシステムの商業化部門であるEMURGOの出身であり、Cardanoについて精通しています。

Mikomeda C1の特徴

ネイティブトークンに$ADAを使用

Milkomeda C1では、ネイティブトークンとしてMilkomeda C1上に$ADAをブリッジした$milkADAを使用します。Cardanoブロックチェーンで$ADAがGASとして使われるのと同様に、$milkADAはMikomeda C1におけるGASとして使われます。そのため、Mikomeda C1は実質的に$ADAをネイティブトークンとしたブロックチェーンと言えます。

通常、EVM互換のサイドチェーンでは、独自のネイティブトークンを使用することが一般的ですが、Milkomeda C1では$ADAを使うことによって、$ADAのユースケースが増えることにつながるとされています。

ユーザーがブロックチェーンの切り替わりを意識しない

Milkomeda C1では、ラップされたスマートコントラクト(Wrapped Smart Contracts)を利用することができます。この機能は、ブロックチェーンのスマートコントラクト利用におけるユーザビリティを大幅に改善するものだとされています。

通常、複数のブロックチェーンをまたぐサービスを利用する場合、チェーンでトランザクションが実行されるたびに、実行対象のチェーンのウォレットに切り替え、トランザクションを承認していきます。一方で、ラップされたスマートコントラクトを使うと、ユーザーはチェーンを切り替えることなく複数のブロックチェーンをまたぐサービスを利用することができるようになります。そのため、ユーザーはどのチェーンが使われているかを意識する必要がなくなります。

$milkADAの入手方法

$milkADAを入手するには、FlintWalletを使って$ADAをMilkomeda C1にブリッジします。

必要なウォレット

FlintWalletとMetaMaskの両方をインストールします。

ウォレットのセットアップ

FlintWalletは日本語表示に対応しています。表示に従い、FlintWalletをCardanoメインネットのウォレットとしてセットアップします。FlintWalletは、単体で使用することができる他、ハードウェアウォレットのLedger WalletやTrezorと連携させることができます。

MetaMaskでは、以下の設定をRPC設定として入力します。入力が面倒な場合は、Chainlinstから「Milkomeda C1 Mainnet」と検索して設定を追加します。

  • ネットワーク名: Milkomeda Cardano (C1)
  • 新しいRPC URL: https://rpc-mainnet-cardano-evm.c1.milkomeda.com
  • チェーンID: 2001
  • 通貨記号: milkADA
  • ブロックエクスプローラーのURL: https://explorer-mainnet-cardano-evm.c1.milkomeda.com

ブリッジ方法

Cardano上の$ADAをMilkomeda C1にブリッジする場合($ADA→$milkADA):

FlintWalletで「送る」をクリックした後、「Milkomedaモード」を有効にしてMilkomeda C1のアドレス(MetaMask)と数量を入力して、ブリッジを実行します。

$ADA→$milkADA

Milkomeda C1上の$milkADAをCardanoに戻す場合($milkADA→$ADA):

Milkomeda Cardano Unwrap Bridge」にアクセスしてMetaMaskを接続し、Cardanoのアドレス(FrintWallet)と数量を入力して、ブリッジ解除を実行します。

$milkADA→$ADA

Milkomeda C1の代表的なエコシステム

Milkomeda C1のエコシステムを利用するためには、cBridgeMultichainを用いてMilkomada C1に資産をブリッジします。その後、DEXなどのDAppsを利用することになります。DAppsによって、$milkADAを$mADAと表記している場合があります。また、$WADAは$milkADAとは別物になるためご注意ください。

DEX: MilkySwap

MilkySwapは、Milkomeda C1上に構築された分散型取引所です。UniswapやPancakeSwapと同様の使い勝手で交換することができ、SushiSwapとCurveDAOのファーミングメカニズムを組み合わせたイールドファーミングを提供しています。

MilkySwap

DEX: OccamX

OccamXは、Cardanoに参入するプロジェクトのアクセラレーター、Occam.fiが提供するAMM DEXです。Occamは、OccamXの他にIDOプラットフォームのOccamRazorを提供しています。

OccamX

MilkoFarm

MilkoFarmは、Milkomeda上の最初のイールドアグリゲーターです。MuseliSwapのLPトークンをファーミングすることにより、高いAPYを得ることができます。

MilkoFarm

Milkomedaに関する情報

 

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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