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分散型eメール「Dmail」の解説

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インターネットにおけるコミュニケーション手段として、eメールはもはや当たり前のものになっています。eメールそのものは、もはや枯れた技術で、ここ10年でほとんど進化していません。そのようなeメールを、Dmailではブロックチェーン技術を使って拡張しています。

Dmail の概要

Dmailは、eメール(以下、単にメールと表記)を分散化させるためのプロジェクトです。メッセージをやり取りするメールとしての機能はそのままに、ブロックチェーンを使って自己主権型のセキュアなメール手段と付加価値を提供します。

メールは、インターネットにおける最も古くから存在するコミュニケーション手段の1つです。その原型は1972年にでき、現在のメールで使用されているプロトコルの主要規格の基本形は1980年代に出揃いました。当初のメールは、インターネットのサービスプロバイダ(ISP)のみから提供され、後にMicrosoftのHotmail(現Outlook.com)やGoogleのGmailなど、無料で使うことができるサービスが多数登場しました。しかし、これらの手段はメールのサービスプロバイダを介してやり取りされるため、盗聴される可能性があります。そのような状況を踏まえて、盗聴の可能性を極限まで減らしたProton Mailなどのサービスが生まれました。しかしメールサービスが終わってしまうと使えなくなるという永続性の問題は依然として残っています。

Dmailは、分散型コンピューティングのInternet Computer (Dfinity)の基盤上で動いています。これにより、ユーザーは自己主権型で永続的なメールシステムを利用することができるようになります。加えて、ウォレットでしかメールにアクセスできないようにすることで第三者に無断で盗聴されるリスクを排除することができるようになります。

Dmailのインターフェイス(デモ環境より)

Dmail の特徴

メールボックスが永続的でセキュア

Dmailでは、コンピューティングの基盤にInternet Computer (Dfinity)を使用しています。Internet Computerは仕組み上データが永続するようにできているため、メールデータが永続的になります。

Dmailのメールは、2つのパーツに分割され、メールのヘッダーはチェーン上に、本文はトークンで暗号化されて分散型ストレージ(プライベートキャニスター上)に保存されます。ユーザーは、ウォレットを使ってトークンを介することによって、メールを復号化して閲覧することができます。そのため、(ウォレットの秘密鍵が漏れない限りは)第三者にメールが無断で読まれることがなくなります。

Dmailにおけるメールの保管

メールアドレスがNFTとして扱われる

Dmailでは、メールアドレスがNFTとして扱われます。NFTにすることで、メールアドレスの所有権を自由に取引したり譲渡したりすることができるようになります。特に、名前に意味を持つメールアドレスは高値が付くことが想定されるため、メールアドレスが資産としての側面を帯びるようになります。

また、メールアドレスを取引した場合、元の所有者のプライバシーが新しい所有者に漏れないようになっています。Dmail Networkでは、ユーザーの識別はユーザー自身のIDとエイリアスアカウントと呼ばれる2つのIDによって行われます。エイリアスアカウントはメールアドレスに対応し、ユーザー自身のIDはメールそのものやユーザーの資産に対応しています。そして、これら2つのIDは、紐づくことで機能するようになっています。NFTが取引されると、所有者が変わるのはエイリアスアカウントになるため、メールアドレスが変わったからといって、元のユーザーのメールそのものや資産の所有者が変わるわけではありません。また、所有者が変わると、ユーザーはDmailのアラートサービスを使ってアドレス帳に登録している人に通知を送ることができます。

従来のメールにない付加機能がつく

Dmailは、ブロックチェーンを利用することにより、従来のメールにはない付加機能がついています。

分散型ID (DID):

既にメールアドレスがIDとして使われているように、Dmailのアカウントを分散型IDとして利用することができます。

資産の送信機能:

Dmailでは、メールアドレスもしくはウォレットアドレスで資産を送ることができます。

メッセージの購読機能:

ユーザーは、Dmailを使用して関心のあるプロジェクトの情報を購読することができるようになっています。

クラウドストレージ:

Googleアカウントを持つユーザーが、メールだけではなくストレージ機能を利用できるように、Dmailでも分散型ストレージを利用することができます。ユーザーは、プライベートな情報や長期保管したいファイルを分散型ストレージ上にアップロードすることができます。

メールアドレスの取得

Dmailでは、メールアドレスを購入することで取得することができます。メールアドレスを一度購入してしまうと、追加で料金が発生することはありません。

メールアドレスを取得するには、メールアドレスの販売ページにアクセスします。画面中央にメールアドレスの@マークの前の文字列を入力して「Search」をクリックします。

メールアドレス購入1

支払い画面が表示されます。支払額は、文字列の長さによって異なり、短い文字列ほど高くなります。$USDT (ERC20もしくはBEP20) か$ICPで支払います。$USDTで支払う場合は、MetaMaskで接続し、$ICPで支払う場合はPlugを利用します。

メールアドレス購入2

Dmailに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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