インタビュー

Polygon – Polygon Edgeチーム kourin氏 インタビュー 第3部:ブロックチェーン業界で活躍するには

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Ethereumのスケーリングソリューションとして知られているPolygonは、様々なソリューションを提供しています。今回は、Polygon Edgeチームでエンジニアをしているkourin氏に、Polygonのプロジェクトならびに自身が開発に携わるPolygon Edgeについてインタビューしました。

本記事は3部構成になっています。第3部では、kourin氏がお気に入りのPolygonのユースケースや、ブロックチェーン業界で活躍するために必要なことを訊いていきます。

▼まだの方は – 第2部

Polygon - Polygon Edgeチーム kourin氏 インタビュー 第2部:Polygon Edge/Supernetsはどのようなプロダクト?
Ethereumのスケーリングソリューションとして知られているPolygonは、様々なソリューションを提供しています。今回は、Polygon Edgeチームでエンジニアをしているkourin氏に、Polygonのプロジェクトならびに自身が開...

第3部:ブロックチェーン業界で活躍するには

Polygonのお気に入りのDApps

加藤:kourinさんの視点から、Polygonの面白いユースケースをいくつか紹介いただけますか?なぜそれらが面白いのでしょうか?

kourin:有名どころですが、1つ目がLens Protocolです。Lens Protocolは、分散型のソーシャルサービスを実現するプロトコルで、ユーザー間の関係やコンテンツがNFTで表現されます。また、単なるブロックチェーン上に展開されたSNSというわけではなく、コンテンツをリツイートするような機能を使い他人のコンテンツを共有することでインセンティブを受け取る機能があります。このように、Web3らしい機能をネィティブに備えているのが、ユニークで気に入っています。

続いて、Aavegotchiです。名前の通り、これは日本のたまごっちにインスパイアされたNFT型のPlay to Earnゲームです。単にキャラクターが可愛いくて注目していたのですが、ゲーム内のトークンを売買できるだけではなく、ステーキングやファーミングをゲーム上でできるようになっています。また、メタバースを開発していて、将来的にはMMORPGのようになるようです。ですので、僕は将来に期待しています。

加藤:これら2つは、どちらもAave関連のプロジェクトですね。Aave関連以外はありますか?

kourin:あとはVeryLongAnimalsです。僕は、そこまでこのプロジェクトに詳しいわけではないのですが、勢いがあって、コミュニティの一体感がすごいですね。二次創作のプロジェクトが出てきているので、規模感があるプロジェクトだなと感じています。

これは、VeryLongAnimalsに限った話ではないですが、こういったNFTのプロジェクトというのはコミュニティの一体感が生まれやすいと感じます。それでいて、コミュニティに属していることを外部に証明でき、それを見た他の人がコミュニティに入りたくなるのだと思います。NFTのないプロジェクトだと、Discordに入っているだけでコミュニティに属しているという実感が湧きづらいですが、NFTがあると実感ができるし、他の人にコミュニティに属していることが見せられます。

日本におけるPolygonの活動

加藤:現在、Polygonは日本ではどのような活動を行っていますか?また、7月1 – 3日にはPolygon Tokyo Hacker Houseがありましたが、これは大規模なイベントだったと思います。実際に手応えはいかがでしたか?

kourin:まず、日本におけるPolygonの体制ですが、今のところエンジニアのチームは日本にはありません。Polygonにいる日本を拠点にしているメンバーは、主に日本の企業やスタートアップ向けの導入に向けた支援や啓蒙活動を中心となっています。

加藤:技術支援を必要とする場合は、どのようにすれば良いですか?

kourin:いったんは日本チームに問い合わせていただければと思います(法人問い合せフォーム)。必要に応じて、適切なチームで対応します。もしかしたら、僕がでてくる場合があるかもしれません。

Polygon Tokyo Hacker Houseは、ハッカソンを中心とするイベントです。僕は、初日のセッションのスピーカーとハッカソン中のメンターとして参加しました。セッションではPolygon Edge/Supernetsに関してお話させていただきました。

イベントには、想像していた以上の参加者がいて、ハッカソンだけでも100人、イベント全体だと述べ400人程度が来ました。参加者の熱量は、大きいなと感じました。僕は普段海外にいるので、日本におけるPolygonの注目度は知りませんでしたが、今回のイベントで注目されていることを実感しました。

加藤:他国と比較した場合に、日本コミュニティの特徴というのは何かありますか?

kourin:ハッカソンの傾向になるのですが、海外のハッカソンだと何か大きな課題を解決しようするものが多いと思います。それに対して、今回のハッカソンは身近な課題を解決しようとする傾向があるように感じました。ですので、体感的にわかりやすいプロダクトが多いなと、プラットフォームを作るというよりは、アプリを作るような感覚です。もちろん、ハッカソンに参加する層で傾向は変わってくるとは思うのですが、今回のHacker Houseに限るとそのような印象を持ちました。

ブロックチェーン業界に就職したい人へのアドバイス

加藤:最近私のまわりやTwitterを見ていると、ブロックチェーン業界に入りたいと考えている人は以前より多くなったと感じています。kourinさんは、すでにグローバルなプロジェクトの第一線で働いていますが、ブロックチェーン業界に入るにはどのようなスキルセットやマインドセットが必要だと思いますか?また、ブロックチェーン業界に就職してみたい方にアドバイスをいただけますか?

kourin:僕がエンジニアなので、あくまでもエンジニア目線の話になります。ブロックチェーン業界はまだ成長段階にあり、まだまだ規模が小さいですが、今後色々なユースケースへの適用に合わせて拡大していくのは疑いの余地がないと思います。一方で、ブロックチェーンエンジニアはまだまだ少ないと思っています。そのような観点で、ブロックチェーンエンジニアは参入しやすい職種だといえます。

実際に使用する技術では、Web2とWeb3の開発を比較すると、一部の技術スタックを除き異なる部分が多いです。例えば、シンプルなDAppsだとデータベースやAPIのバックエンドを触るということはあまりありません。ブロックチェーンエンジニアを始める上で経験の差というのは、そこまで重要ではないかと思います。

これは他の分野のエンジニアにもいえることですが、ブロックチェーンエンジニアのポジションを得る上で、最新の技術をキャッチアップし、自分のスキルを証明する必要があると思います。日本だとポテンシャル採用が多いですが、海外だとスキルを証明できた方が良いと思います。幸いにも、DAppsは小さなものから始めやすいですし、ハッカソンなども頻繁に開催されています。、今だとオンライン開催が多いですね。ハッカソンでは、別に何かの賞を取れなくても良いと思っていて、何かを実装したという証明ができれば良いと思います。

もう1つ。グローバルで活躍するのは、単に行動あるのみだと思っています。まずやれることはポジションを探して応募するだけです。一定のスキルや開発経験があれば、海外のプロジェクトに参加をするのはそこまで難しくないと思います。

海外で働くためには英語が必要になりますが、ネイティブレベルが必要かと言われればそうではありません。最低限、Slackやメールのようなテキストベースで英語のやり取りができれば良く、最悪DeepLやGoogle翻訳があればなんとかなります。僕は、学生時代に英語が得意ではありませんでしたが、ここまでなんとかやってこれました。

もし、グローバルでブロックチェーンエンジニアをやりたいのであれば、最近はリモートワークが多いので、現地で就職する必要がないことが多いですし、以前よりは応募しやすくなっていると思います。面白いプロジェクトだと自分が続けられるモチベーションになるので、ぜひ自分が関わってみたいプロジェクトを見つけて応募してみると良いと思います。もし、ポジションがなければ何かしらコントリビュートできる点を探してみると良いでしょうね。

コミュニティへのメッセージ

加藤:最後に何か一言お願いします。

kourin:僕はエンジニアなので、DAppsを作りたい人向けへのメッセージになります。

ブロックチェーンやWeb3のサービスは、日本だけのサービスではなく、全世界的に使用されるサービスなので、最初は英語を使わなくても最終的にグローバルに展開されるものになることが多いと思います。ですので、日本だけの流行りをキャッチアップするのではなく、世界的にどういうサービスが盛り上がっているのだとか、そのようなものに注目して、Polygonで独自のサービスを作っていただければと思います。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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