いまやインターネットは、生活に欠かせない通信手段へとなりました。その一方で、個人情報を収集する技術が発展し、標準的な暗号化のみでは十分に通信のプライバシーを護ることができなくなっています。MASQは、ブラウザを中心に個人が簡単にプライバシーを確保してWebにアクセスできる手段を提供します。
MASQ Network の概要
MASQ Networkは、真のプライベートWeb3ブラウジング体験の提供を目指すプロジェクトです。暗号資産として$MASQを発行しています。
Webブラウジングにおけるプライバシーは、いまやHTTPSのような標準の暗号化通信では十分に確保できないものになっています。HTTPSでは、何を通信しているかはわからないものの、どこに通信しているかはメタ情報から判るようになっています。また、メタ情報から通信内容の推測ができるため、HTTPSはプライバシーを護る手段としては有効ではありません。
Webブラウジングをはじめとして、通信のプライバシーを護る手段はいくつか確立されています。その代表例がTorとインターネットVPNになります。Tor (The Onion Router)は、複数のノードを経由する方法で、ノード毎に暗号化を積み重ねることによって匿名性を高めています。しかし、大規模にサーバーを配置してTorユーザーに関する情報を収集しようとする組織が存在していたりと、必ずしも安全な手段とはいえません。インターネットVPNは、インターネット上に暗号化された論理的な通信チャネルを確立することにより匿名性を高めています。しかし、VPNを提供する事業者はユーザーを把握することができるため、ユーザーはその事業者が信頼できるという前提のもと利用するしかありません。また、いずれの手段も国家のような組織によって通信を遮断されるリスクがあります。このように、既存の方法は安全とは言い難いものになっています。
MASQ Networkは、分散型VPNのアプローチを行っています。類似プロジェクトと異なり、ユーザーに分散型VPNのdMeshVPNを提供するだけではなく、ブラウザやweb3ストア、プロトコルや稼げるための仕組みをエコシステムとして提供します。MASQ Networkでは、通信の仕組みからアプリケーションまでを広くカバーすることによって、ユーザーが簡単に真のプライベートWeb3ブラウジング環境を手に入れられるようにします。
MASQ Network のエコシステム
分散型VPN「dMeshVPN」
MASQ Networkの根幹にある技術が、メッシュネットワークを利用した分散型VPNのdMeshVPNです。メッシュネットワークとは、個々のノードが直接、かつ動的に、そして非階層的に接続し、効率的なルーティングを行うネットワークのことを指します。MASQ Networkでは、ユーザーの通信はMASQノードのソフトウェアを実行しているノードをいくつか経由することになります。データは、CORESパッケージと呼ばれるMASQネットワーク独自のデータ形式にパッケージ化されてルーティングされます。CORESパッケージは最低3つのノードを経由します。経由先は、単にランダムで決まるわけではなく、ノードの稼働地域や速度、最後に使われた時間などを総合して決定されます。
CORESパッケージは、外部からはパターンがないありふれたデータに見えるため、インターネット事業者からはMASQを使っていることがわからないようになっています。これにより、通信内容から内容を推定されたり検閲されることをできなくします。
匿名閲覧ブラウザ「MASQ web3 Privacy Browser」
MASQ web3 Privacy Browserブラウザは、Chrome互換のWebブラウザです。その使い勝手はTorブラウザに似ており、MASQ Networkを経由してWebページを閲覧することができます。また、ENSやIPFSのコンテンツにネイティブで対応しているため、Web3のインフラストラクチャを使ったコンテンツを閲覧することができるようになっています。
ユーザーは、ブラウザの初回起動時にウォレットを含めたセットアップが必要にはなるものの、一度してしまうとブロックチェーン基盤を使っていることを感じさせないようになっています。
2022年12月時点、ブラウザはベータテスト段階で機能が制限されています。最終的に、通信が出ていく地域を決めたり、経由するノード数(ホップ数)を最大6まで増やしてプライバシーを高めたりことができるようにできるようになります。
web3ストア「web3 Store」
web3 Storeは、MASQチームやコミュニティによってキュレートされた信頼性が高いDAppsストアです。ユーザーは、ブラウザ上から直接DAppsにアクセスできるようになります。また、将来的に、ストアを通じてIPFSや分散型のストレージにファイルを保存できるようになったり、ウォレット間で暗号化されたメッセージをやり取りできるようになったりする予定です。
MASQトークン
MASQ Networkでは、エコシステムのトークンとして$MASQを発行しています。
MASQトークンのユーティリティ
$MASQは、MASQ Networkのエコシステムにおいて、以下のような用途を担います。
- ネットワーク帯域を消費した場合に、帯域の提供者への支払い。
- 保有することによるMASQプレミアムサービスへのアクセス権。
- MASQベータ版アプリへの早期アクセス。
MASQトークンの配布
$MASQは、EthereumとPolygonにおいてERC20規格で流通*1しています。Polygon上の$MASQは、Ethereumからのブリッジトークンになります。
$MASQのトークン配布は、総供給量が 37,500,000 MASQ になり、追加で発行されることはありません。
総供給量の内訳は、以下の通りになります。内訳を合計すると、総供給量を超えていますが、差分について言及した公式情報がないため、MASQ v2 Tokenomicsからの内容をそのまま記載しています。
- v1→v2移行のスワッププール:4,447,981 MASQ
- 初期アドバイザー向けのプール:5,000,000 MASQ
- 委員会:9,000,000 MASQ
- アドバイザー:1,000,000 MASQ
- 開発・マーケティング:20,500,000 MASQ
*1 参考:$MASQのコントラクトアドレス
- Ethereum:0x06F3C323f0238c72BF35011071f2b5B7F43A054c
- Polygon:0xee9a352f6aac4af1a5b9f467f6a93e0ffbe9dd35
MASQトークンを売買できる取引所
- CEX:ProBit Global
- DEX:Uniswap v3 (Polygon)
- DEX:SushiSwap (Ethereum)
- DEX:QuickSwap (Polygon)