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インタビュー:Nippon Idol Token (NIDT) – トークンエコノミーで支える!Web3アイドルプロジェクトのビジネスとは?(前編):アイドルの課題を解決する新しいアプローチ

インタビュー
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Web3が徐々に認知されるようになり、その応用例が増えています。株式会社オーバースが進めるNippon Idol Token (NIDT) プロジェクトは、ブロックチェーンの力を使ってこれまでのアイドルの課題を解決し、有名プロデューサーの秋元康氏と共に新しいアイドルの形を提示していきます。

本記事は2部構成になっています。前編では、NIDTプロジェクトの内容を中心に、これまでのアイドルの課題をどのように解決するかを訊いていきます。

前編「アイドルの課題を解決する新しいアプローチ」

佐藤氏と澤氏の自己紹介

加藤:最初に、お二人ついて簡単に自己紹介をお願いします。特に今までの暗号資産への関わり、そしてご自身のアイドル愛について教えてください。

佐藤氏:株式会社オーバースの社長をしている佐藤と申します。私は、今まで証券会社やFX会社、暗号資産業者に関わった経歴があります。一方で、アイドルに関しては10年間追いかけています。最初はももクロから入り、妹グループのエビ中やチームしゃちほこといったスターダスト系のアイドルを追いかけてきました。その後は、ローカルアイドルにハマり、新潟のNegiccoや町田のまちだガールズ・クワイアの追っかけをしていました。最近は仕事が忙しくて現場には行けていないのですが、10年でトータル500回くらいは現場に行きました。

加藤:アイドルがとても好きなことが伝わってきます!

澤氏:私は株式会社オーバースの副社長をしている澤と申します。私は公認会計士として、上場企業の社外役員や、FXやゲーム、システム会社、そしてIPOに関わってきました。佐藤とは、FX会社で知り合いました。

私が若い頃はシステム会社を経営したり、本を書いたりしていました。本が思いの外当たり、そのおかげで乃木坂46の衛藤美彩さんと本を書かせていただくに至りました。衛藤さんと本の内容を練っていく上で、アイドルのひたむきさというか、アイドルなのに会計の仕事までもしなければいけないというのはとても大変なのですが、それを瞬発的にこなしていく能力の高さに感心しました。それがきっかけで、気がついたら完全に乃木オタになっていました。2015年からずっと乃木坂46一筋で追いかけています。

暗号資産の関わりについては、私は日本暗号資産ビジネス協会の立ち上げから関わりました。もともと佐藤と一緒だったFX会社の社長がきっかけで、私も影響を受けて暗号資産に興味を持ちました。私が暗号資産に興味をもったタイミングと、衛藤さんと関わるようになったタイミングはほぼ一緒の2015年頃でしたが、当時からブロックチェーンを使って推し活やアイドルをイノベーションしていくというのは相性が良さそうだなとずっと思っていました。

プロジェクトの立ち上げ背景とは?どのようなプロジェクトを進めるのか?

加藤:Nippon Idol Tokenのプロジェクト立ち上げ背景について教えてください。なぜ暗号資産を利用しようと思ったのでしょうか?また、Nippon Idol Tokenはどのようなプロジェクトになりますか?

佐藤氏:今回のプロジェクト「Nippon Idol Token」は、ブロックチェーン技術を使って推し活を変えていく、あるいはアイドル活動に活用していくことが背景にあります。また、暗号資産とブロックチェーン技術が、世の中に浸透していったこと、そして暗号資産に関する法制度が整ってきたことも背景にあります。

私たちはもともとアイドルに興味を持っており、アイドルの現場に行ったり、応援してきた経験があります。しかし、アイドルの活動を応援している過程で、彼女らの課題が見えてきました。

さらに、コロナ社会が始まって以降、アイドルの応援をすることが以前ほど容易ではなくなりました。また、アイドル自身も以前のような活動ができなくなってきました。最近は徐々にコロナ前の状況に戻ってはいるものの、まだ完全に回復しているわけではありません。

例えば、今回のホワイトペーパーでは、私たちが取り組んでいる課題を4つ挙げています。最近は復活傾向にありますが、ファンにとってはコロナ社会においてアイドルの現場に行くことが難しい状況が続いています。さらに、地方のファンにとっては交通費や宿泊費など、費用面の負担は少なくありません。私自身も現場に通い、地方のファンと交流していますが、彼らは私たちが想像している以上に多くのお金を費やしていました。今回、私たちはアイドルがメタバースで活動することも目指していますが、これによってアイドルの活動領域が拡大し、ファンにとっては移動の制約から解放される可能性があると考えています。

また、日本のアイドルは国内での活動に重点をおいています。それに対して、韓国のアイドルは最初から海外進出を想定したロードマップを持っていることが一般的です。彼らは、米国や東南アジアと、かなり広いところで活動しています。しかし、少子高齢化が進む中で、日本のアイドルの活動が持続可能かどうかと考えたときに、これからは海外進出が必須になるのではないかと思います。今回の海外進出というのは、単に物理的に進出するだけでなく、先に話したメタバースを活用して活動範囲を広げることを含んでいます。

そして、アイドルはいずれグループから卒業していくことになります。彼女たちは青春時代をこのアイドル活動に費やしています。普通の中学生や高校生なら、学校に通ったり友達と遊んだり、部活動や勉強に時間を費やします。それに対して、アイドル活動に参加している人たちは仕事に専念しています。人気のあるメンバーなら、卒業しても芸能界に残って仕事をすることができます。しかし、ほとんどのメンバーはそうではありません。彼女らは卒業後に不安を抱えながら、日々のアイドル活動を続けています。

アイドル界でも、ブロックチェーン技術やトークンを使って、アイドル運営や経済的な負担を緩和することができるかもしれません。これまで、アイドル活動に疑問を抱いていた人たちも、新しい技術を使うことで、アイドルの活動環境やファンの応援方法を変えていくことができるかもしれません。このような問題意識から、このプロジェクトが生まれました。

澤氏:私は、もともと衛藤さんと出会って乃木坂46のファンになった際に、ブロックチェーンや暗号資産などの新しい技術に興味を持ち、それらをアイドル活動に役立てられないかと考えていました。

例えば、推し活の記録をブロックチェーン上に残します。その記録で自分のレベルが上がるようになれば、それを目に見える形で楽しむことができます。例えば、SNSでつぶやいたり、公式動画を観た回数がブロックチェーン上で記録され、自分のレベルが他人からも証明できるようになります。また、レベルが上がっているファンが多いほど、アイドルグループが盛り上がっていることがわかります。レベルが上のファンが増えることで、そのアイドルの価値が上がり、さらにその暗号資産の価値も上がっていくと考えられます。

この仕組みが実現できれば、リアルのアイドルを推しているのにレベルアップをしていく、リアルにいるのにゲームのような体験ができるかもしれません。当時は、このような粗い考えでどう実現できるかはわかりませんでしたが、徐々にWeb3の環境が整ってきて、それが実際に実現できるようになったので、やってみようとなりました。

これから結成するアイドルユニットの特徴

加藤:ロードマップをみると、アイドルの人選はこれからとのことで、3月29日に「IDOL 3.0 PROJECT」が発表されました。このプロジェクトでは、どのようなアイドルユニットを立ち上げる構想をしているのでしょうか?

佐藤氏:このプロジェクトのアイドルの特徴は、まず秋元康先生がプロデュースをします。それに加えて、AKBグループや乃木坂グループなど、有名なアイドルグループを立ち上げて育成してきたスタッフが集結してチームを運営していきます。つまり、アイドルに精通したプロ中のプロによる、本気のアイドルプロジェクトといえます。

今回のプレスリリースでは、グループのメンバー全員が1つのグループを組んで表題曲を歌うことが発表されました。選抜制ではないのは、競争を排除して全員がアイドル活動に専念できるようにするためです。また、グループのメンバーには手厚い福利厚生が用意され、トークンを使った退職金制度や海外進出に伴う語学習得の支援などがあります。また、卒業後の就職活動などのサポートも行われます。

このプロジェクトでは、メンバーが安心してアイドル活動を継続できることが重要な要素です。メンバーファーストの思想を基に、グループ活動の運営を行っていきます。もちろん、ライブや楽曲のリリース、コンサートライブや握手会のようなイベントなど、これまでのアイドル活動と同様のことを行っていきます。さらに、メタバースでの活動も視野に入れており、リアルとバーチャルを行き来するようにします。この点で、他のアイドルグループとは違うといえるでしょう。

加藤:すでにユニットのコンセプトはあるのでしょうか?

澤氏:ある程度のコンセプトというのはありますが、人選で決まってくる要素が大きい部分でもあります。ですので、発表を楽しみにお待ちください!また、最終メンバーが決まった時点で、NIDTのポータルサイトを立ち上げて、推し活の見える化ができるようになる予定です。

加藤:今後さらにグループを増やす予定はあるのでしょうか?

佐藤氏:その後の展開としては、例えば第2のグループや、男性グループなどがあるかもしれませんが、まだ構想段階です。まずは最初のグループを成功させることが最優先事項ですね。

澤氏:先程も申し上げたように、NIDTの機能の1つに推し活があります。例えば、推し活をするとNFTが付与されて自分のレベル上げの証明になるということを考えています。ですので、NIDTは1つだけのアイドルのものではなく、推し活のための暗号資産です。もちろん、これから立ち上げる第1弾のアイドルユニットは非常に重要になりますが、第2弾以降のグループや、すでに活動している他のグループにもNIDTを使える可能性があります。

後編について

前編では、主にプロジェクトの経緯や中身、ブロックチェーンを使ってこれまでのアイドルの課題をどのように解決していくのかを中心に聴いていきました。

後編では、総合プロデューサーに国内でも最高峰のプロデューサーとして知られている秋元康氏の就任経緯や、なぜわざわざ日本でIEOを行うに至ったのかという経緯についてお訊きしていきます。

後編はこちら:後編「秋元康氏の就任背景と日本でIEOをする苦労」

Nippon Idol Tokenに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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