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インタビュー:Bitget – Gracy Chen氏が明かす、BitKeepへの投資動機と投資家としての取組み

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Bitgetはグローバルで上位の取引所として知られており、最近ではWeb3業界の投資家としてのプレゼンスを発揮しつつあります。そして、2023年3月22日、Bitgetはマルチチェーンウォレット「BitKeep」への投資を発表しました。

そこで、今回は投資家としてのBitgetという切り口で、同社がBitKeepに投資した経緯や今後投資家としてどのように取り組んでいくかを、マネージング・ディレクターのGracy Chen氏にインタビューしました。

BitKeepへの投資動機と投資家としての取組み

Gracy Chen 氏の自己紹介

加藤:最初にGracy Chenさんについて教えてください。Bitgetにおいては普段どのような役割を担っていますか?

Gracy氏:前職は、アジア最大級のメディアコングロマリットであるPhoenix TVの技術&金融チャンネルで、キャスターとプロデューサーを務めていました。その頃、友人たち(Binanceの共同創業者であるHe Yiや、Draper University時代に師事したTim Draperなど、現在有名なWeb3起業家や投資家たち)からWeb3業界を紹介されました。2014年、私はBTCやETH、XRPなどの暗号資産に、大きな額ではありませんでしたが投資を始めました。私は、人々は自分の経験やリスク許容度に合わせて、小さな割合で良いので暗号資産に投資してポートフォリオを構築するべきだと思っています。そして、私が一次流通や二次流通の暗号資産市場により投資するようになったのは2017年以降です。例えば、アジアを代表する分散型ウォレットであり、Bitgetの姉妹会社であるBitKeepの初期に投資家として参加したことがあります。いままでの歩みにおいて、私は長年にわたってブランドの発展と成長を目の当たりにしてきました。そして昨年初めに意欲的で知的な人たちが集まるBitgetに入社することができ、とても嬉しく思っています。現在の私は、主にグローバルに拡大しているBitgetのブランディングと成長戦略を担当しています。

Bitgetの紹介

加藤:Bitgetはどのような取引所ですか?多くの競合がある中で、どのような差別化を行っているのでしょうか?最近、多くのユーザーの取り込みに成功していますが、何が要因なのでしょうか?

Gracy氏:Bitgetは2018年に設立された、先物取引とコピー取引サービスを主な特徴とする世界有数の暗号資産取引所です。現在、私たちは100以上の国と地域で800万人以上にサービスを提供しており、安全なワンストップ取引ソリューションを用意することで、ユーザーに洗練された取引を提供しています。また、アルゼンチンの有名なサッカー選手のリオネル・メッシやイタリアを代表するサッカーチームであるユベントス、そしてeスポーツの公式イベント主催者であるPGLなど、信頼できるパートナーとのコラボレーションを通じて、個人が暗号資産を触ることができるように努めています。CoinGeckoによると、Bitgetは現在、トップ5の先物取引プラットフォームとトップ10の現物取引プラットフォームになっています。

私たちは、様々な点で他のプラットフォームとの差別化に取り組んでいます。

Bitgetは、世界で最初かつ最大の暗号資産のコピー取引プラットフォームです。サービスをリリースして以来、Bitgetのコピートレード機能は、戦略を共有する8万人以上の優秀なトレーダーと、彼らの戦略をフォローする38万人以上のユーザーに使われています。

そして、Bitgetは一流のセキュリティポリシーに取り組んでいます。2022年、Bitgetは万が一の事故が起きてもユーザーの資産が護られるようにBitget保護基金を立ち上げました。2022年11月現在、基金は6,500BTCと2億USDTで、3億ドル相当となっています。これはCEXの中でも2番目に大きな規模です。 基金は7つのウォレットアドレスに保管され、ユーザーがリアルタイムで追跡できるよう公開されています。Bitgetは、今後3年間は一切引き出しを行わず、基金を保全することを約束しています。

当社プラットフォーム上の資産についてより透明性を高めるため、Bitgetは2022年12月に「プルーフオブリザーブ」のページを開設しました。プルーフオブリザーブは毎月更新され、少なくとも1:1の顧客資金の積立比率を確保します。また、ユーザーが当社プラットフォーム上の資産を確認するためのオープンソースツール「Merklevalidator」を開発し、GitHubで公開しています。

私たちはサービス向上や製品革新だけでなく、セキュリティや保護対策もグローバルに展開したことが成長の要因だと考えています。 以前は、Bitgetはアジア数カ国のみでサービスを提供していました。しかし最近では、トルコや東南アジア、中南米、ヨーロッパなど、100カ国以上で800万人以上のユーザーを獲得しています。Bitgetは、マークルツリープルーフオブリザーブのモデルによって、完全な準備金の裏付けを約束された3億ドルの保護基金、そして資金保管サービスを含む一連のセキュリティポリシーを使用して、プラットフォーム上のユーザーの資金を護っています。

BitKeepへの投資経緯と評価している点

加藤:Bitgetは、ウォレットのBitKeepへ3000万ドルを投資しましたが、どのような経緯なのでしょうか?BitKeepについて評価している点や期待している点について教えてください。

Gracy氏:私は、BitKeepが前回の資金調達以降、急成長してユーザー数が200万人増え、全体で900万人を超えようとしていることを高く評価しています。また、月間アクティブユーザーは4倍の160万人に増え、Bitgetスワップの総取引量が40億ドルを超えています。BitKeepは、6つの主要エコシステムと90以上のパブリックチェーンをサポートし、今や世界最大のマルチチェーンWeb3ウォレットになっています。

Web3においてマルチチェーンの相互運用性がますます高まる中、単なるウォレットという位置づけでは、ユーザーがイノベーションの最前線に立ち続けるには不十分であることは明らかです。私たちは、BitKeepにはこの限界を超えて私たちと協力してユーザーに最高の体験をもたらすことを期待しています。

Bitgetは、単なるウォレットや分散型取引所以上のものを提供することを目指しており、BitKeepはユーザーのすべてのニーズに応えようとしており、1つのまとまりのあるウォレット取引所としてWeb3の新時代を一緒に迎えようとしています。

BitKeepとBitgetとの親和性

加藤:BitKeepはセルフカストディのウォレットで、連携できるのはDeFi製品がほとんどです。それに対してBitgetはCeFiになります。これは一見、BitgetとBitKeepとの相性が悪いように見えますが、両社の親和性はあるのでしょうか?今後BitgetとBitKeepはどのように連携していきますか?

Gracy氏:現在、私たちはすでに2つの製品を統合するためのいくつかの方法を試しています。例えば、Bitget先物取引サービスはBitKeepウォレットに統合され、ユーザーは流動性の高い板取引とユーザーフレンドリーなインターフェースにアクセスできるようになりました。

間もなく、2つの製品はブランドイメージとビジュアルガイドラインが統合されます。また、Bitgetの一流のセキュリティソリューションは、BitKeepのセキュリティをさらに強化するのに役立つことでしょう。さらに、2つの製品間でよりシームレスで費用対効果の高い資産移転の方法などの可能性も探っています。

DeFiは分散型のコードにより自動化された金融サービスを提供し、CeFiはより幅広い製品設計、カスタマーサポート、金融専門知識を提供します。私たちは、DeFiとCeFiの強みを組み合わせることで、より強力で包括的な金融システムを構築することができ、すべての参加者に利益をもたらすことができると考えています。

投資家としてのBitgetのこれから

加藤:これまでBitgetは、Web3業界への投資に積極的ではなかった印象があります。これからのBitgetは、どのような企業や分野に投資をしていきたいと思っていますか?

Gracy氏:Bitgetは暗号資産取引所なので、当然ながらこの事業に注力しています。一方で、BitgetにはBitget Web3ファンドと呼ばれるエコシステムファンドもあり、先ほど香港ブロックチェーンウィークの中で、初期投資額を1億ドル規模にしたことを発表しました。このファンドは、Web3に適したベンチャーキャピタルや、優れたWeb3プロジェクトに投資することに重点を置いています。私たちの第一の目標は、世界規模で優れたVCとプロジェクトを探すことで、Web3業界の健全な成長を促すことです。

私たちは、実績があり、ロードマップが明確なアジアのファンドパートナーを優先的に採用します。現時点では、Foresight VenturesやDragonfly Capital、SevenX Ventures、DAO Maker、ABCDE CapitalなどのVCから提携の可能性について問い合わせを受けています。また、Bitgetは、DeFiやSocialFi、GamFiなどのWeb3インフラプロジェクトやDAppsに関連する企業への投資に興味があります。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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