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暗号資産オプション/先物取引所「Coincall」の解説

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暗号資産のデリバティブ取引は既に定着しつつありますが、その多くは無期限先物のみでより多くのリスクヘッジを行える手段を提供しているところは多くありません。Coincall では、オプションを積極的に押し出し、トレーダーにより選択肢を与えています。

Coincallの概要

Coincall(コインコール)は、暗号資産のデリバティブに特化した取引所です。無期限先物とオプションに対応しており、特にオプション取引に力を入れています。また、後発の取引所として、初心者層からプロ層までを網羅したユーザーインターフェースを提供し、参加者にとってデリバティブ取引の敷居を下げることを目指しています。

2023年8月現在、ほとんどすべての取引所でデリバティブ取引が行えるようになっているものの、そのほとんどが無期限先物となっており、オプション取引までを網羅している取引所は稀な存在でした。特に、オプション取引においては、Deribit(デリビット)が市場を寡占している状態であったため、ユーザーにとっては取引場所の選択肢が少ないという状態が続いていました。Coincallでは、オプション取引ができる取引所としては世界で初めて簡易的な取引画面を用意し、ユーザーにとって新たな選択肢になり得る存在としてサービスを提供しています。そして、初心者がオプションに親しめるように、動画解説を交えたアカデミーが用意されています。

また、Coincallにおける顧客資産のすべては第三者のカストディアンに保管されています。これはCoincallが顧客資産を保有することはしないということを意味するため、FTX事件のように取引所が顧客資産を流用するということが起きないようになっています。Coincallのカストディアンには、既に実績があるCopperCobo が採用されています。

オプション取引とは?

基本的な考え方

オプション取引は、もとの資産(例えば$BTC)を買うための・売るための「権利」そのものを売買する取引です。例えば、買うことを想定した場合、先物取引は「先にモノを押さえる」ことに対して、オプション取引は「モノを押さえる権利を押さえる」という取引になります。オプション取引では、あくまでも権利の売買を行うため、手に入れた権利を行使して実際にモノを押さえにいくかは任意になります。

オプション取引の身近な例が掛け捨て保険になります。掛け捨て保険では「保険金がもらえる権利を押さえる」ために保険料を支払うため、オプション取引の一種であると言えます。保険金の受け取り要件を満たした場合に、加入者が権利を行使すると「受け取った保険金 – 今まで支払った保険料」の額だけ得をすることになります。一方で、権利を行使しないと「今まで支払った保険料」の分だけ損をすることになります。ただし、損は今まで支払った保険料から上回ることはなく、限定的になります。

上記は、オプション取引における「コール買い」に非常に近い考え方になります。このように、オプション取引は損失を限定的にして利益を確保するために用いられます。

暗号資産に当てはめてみる

オプション取引のイメージ

先ほどの考えを暗号資産、とりわけ$BTCに当てはめてイメージしてみます。

$BTCの現在価格が26,000ドルだったとします。あなたは、$BTCについて強気で、半年後には現在よりも値上がりしていると思っています。

このような場合「半年後に$BTCを26,000ドルで買える権利」を買うというシナリオが当てはまります。もし、予想が大当たりして半年後に$BTCが26,000ドルより高くなっていれば、その差額で儲かる可能性があるからです。実際には、権利を買うためのオプション料金(プレミアム)が利益を生み出すための経費となるため、プレミアムを差し引いた分がユーザーへの手残りとなります。

例えば、「半年後に$BTCを26,000ドルで買える権利」を2,000ドルのプレミアムで買った場合(コール買い)、$BTCの価格の値動き次第で、半年後には以下の2つの結末が考えられます。

結末1.$BTC価格が上がり、30,000ドルになった場合:2,000ドルの利益

権利を行使したほうが得になるため、権利を行使します。

権利を行使すると、本来30,000ドルの$BTCを26,000ドルで購入することができます。しかし、プレミアムで2,000ドルを支払っているため、その利益は差し引き2,000ドルとなります(計算式:30,000ドル – 26,000ドル – 2,000ドル = 2,000 ドル)。

仮に、これ以上$BTC価格が上がった場合、利益幅はさらに拡大することになります。

結末2.$BTCが下がり、22,000ドルになった場合:2,000ドルの損失

万が一、権利を行使したら6,000ドルの損失をすることになります(計算式:22,000ドル – 26,000ドル – 2,000ドル = -6,000 ドル)。そのため、権利を放棄する方が支払ったプレミアムの分だけの損失で済ませることができます。

今回は、既にプレミアムで2,000ドルを支払っているため、損失はこの2,000ドルで限定されることになります。

仮に、さらに$BTC価格が下がっていたとしても、損失幅は2,000ドルから拡大することはありません。

オプション取引のイメージ(コールオプションの買い)

オプション取引のイメージ(コールオプションの買い)

このように、オプション取引ではシナリオに反した場合は損失が限定的になるという特長があります。実際には、買い手さえいれば自分が持っている権利を売却して途中で手放すこともできるため、損失をさらに押さえ込むことができるようになります。そのため、オプション取引は、損失を限定することができる守りの取引といえます。

オプション取引における2×2種類の取引パターン

先ほどは、原資産(対象となる資産のこと、例として$BTC)を買うことができる権利の取引を例にしましたが、実際には原資産を売ることができる権利を取引することもできます。それぞれの権利には以下のような名前がついています。

  • コール:原資産を買うことができる権利
  • プット:原資産を売ることができる権利

また、「原資産をいくらで取引するのか?」という基準となる価格をストライクプライス(または、権利行使価格)、「原資産をいつ取引するのか?」という基準となる日付を満期日といいます。

ではどのようにコールとプット、買いと売りを使い分ければ良いのでしょうか?オプション取引では、今後予測しているシナリオに応じて、以下のように使い分けをすることになります。

オプション取引の買い

オプション取引の買いは、上昇や下落といった原資産の価格に明確な方向性が予測される場合に使う取引です。

予測シナリオ 買い 利益
(上限なし)
損失
(プレミアム分に限定)
原資産の価格が今後上昇 コール 原資産の価格が「ストライクプライス+プレミアム」を上回る 原資産の価格が「ストライクプライス+プレミアム」を下回る
原資産の価格が今後下落 プット 原資産の価格が「ストライクプライスープレミアム」を下回る 原資産の価格が「ストライクプライスープレミアム」を上回る

オプション取引の売り

オプション取引の売りは、原資産の価格の動きが一定範囲にとどまると予測される場合に使う取引です。

予測シナリオ 売り 利益
(プレミアム分に限定)
損失
(上限なし)
原資産の価格が一定以上は上昇しない コール 原資産の価格が「ストライクプライス+プレミアム」を下回る 原資産の価格が「ストライクプライス+プレミアム」を上回る
原資差の価格が一定以上は下落しない プット 原資産の価格が「ストライクプライスープレミアム」を上回る 原資産の価格が「ストライクプライスープレミアム」を下回る

Coincallにおけるオプション取引

Coincallでは、Lite版の画面が実装され、オプション取引の初心者でも比較的わかりやすいように構成されています。

オプションの画面(例では$BTC)を開くと、売買種別やオプションの種類、限日を選択することができ、それらに応じたストライクプライスの取引一覧が表示されます。

CoinCall 取引画面1

例では、2023年8月14日が限日となっている、ストライクプライスが26,000ドルの$BTCのコールオプションの買いを行う画面です。コールオプションの場合は損益分岐点が「ストライクプライス+プレミアム」となるため、この値より大きい価格に原資産価格が到達すると利益を手にすることになります。万が一暴落した場合は、プレミアム分の損失で済むことになります。

CoinCall 取引画面2

Coincallへの登録

CoincallのWebページにアクセスし、Eメールとパスワード、居住国を入力した後、同意事項にチェックを入れ「アカウントを作成」をクリックします。

Coincallの登録1

入力したメールアドレス宛に確認コードが送られるので、メールに書かれている6桁の認証コードを入力して「送信」をクリックします。

Coincallの登録2

Coincallに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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