Layer2・サイドチェーンプロジェクト解説暗号資産

Shiba Inuによるレイヤー2「Shibarium(BONE)」の解説

Layer2・サイドチェーン
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Shibarium(BONE)の概要

Shibarium(シバリウム)は、ミームコインとして知られたShiba InuプロジェクトによるEthereumのレイヤー2です。Shiba Inuエコシステムにおける憲章であるSHIBペーパーに記載された原則に基づいて構築され、憲章に記載されている世界観を実現するためのインフラとして利用されます。

Shibariumは、Shiba Inuの生みの親であるRyoshi(リョーシ)氏によって提案されました。Ryoshi氏は、真の分散化を達成するためにはコミュニティが独自で低コストのブロックチェーンソリューションをもつ必要があると考えていました。その後、ShibariumプロジェクトリーダーのShytoshi Kusama(シャトシ・クサマ)氏により開発が主導され、Shibarium上で構築されるすべてのサービスやゲーム、アプリケーションを、数秒以内のトランザクションで、かつ1セント未満で処理できることを目指して開発が行われました。

Shibariumは、PolygonをベースとしてProof of Stake (PoS) を採用し、EVMと完全な互換性を有しています。そのため、EthereumやPolygonなどの開発者は、最小限の学習コストでShibariumでアプリケーションを展開することができるようになっています。また、Shibariumは8月16日にメインネットが稼働開始し、ネイティブトークンとして先行して発行されていた$BONEが利用されるようになりました。

※本記事公開時点では、Shibariumはアクセス殺到により一時停止を余儀なくされ、再稼働に向けた準備が進められています。

Shibariumの技術ハイライト

3層構造のアーキテクチャ

Shibariumは、Hybrid PlasmaとPoSサイドチェーンによってスケーラビリティを高める3層構造のアーキテクチャを採用しています。アーキテクチャは、以下のレイヤーで構成されています。詳しくは「Fundamentals of Shibarium Architecture」から確認することができます。

以下、Ethereumから近い順に記載します:

Ethereumレイヤー(Contracts)

Ethereumレイヤーは、Ethereumブロックチェーン上の一連のスマートコントラクトで構成されています。ShibariumのPoSメカニズムを有効にするためのコントラクトが展開され、Shibariumネットワークを動かす機能の大部分を担っています。

Heimdallレイヤー

Heimdallレイヤーは、Ethereum上にあるステーキングのコントラクトを監視し、ShibariumのネットワークのチェックポイントをEtheruemブロックチェーンにコミットする役割を担います。Shibariumのバリデーターの管理や、ブロックプロデューサーとスパン選択(利用可能なバリデーターのうちから特定のバリデーターを選択する処理)の支援を行います。

Borレイヤー

Borレイヤーは、主にブロック生成を行うためのレイヤーです。Shibariumユーザーとのやりとりはすべてこのレイヤーを通じて行われ、EVMとの互換性が提供されます。また、ブロックプロデューサーとバリデーターを選択するためにHeimdallと同期され、定期的にそれらの選択とシャッフルが実行されます。

PoSとPlasmaのセキュリティ

Shibariumでは、Proof of Stake (PoS)とPlasmaのハイブリッドのセキュリティモデルを採用しています。Shibarium上のDAppsは、純粋なPlasmaのセキュリティかPoSのセキュリティ、あるいは両方を組み合わせたアプローチを利用することができます。詳しくは「Security models」から確認することができます。

PoSセキュリティ

Shibariumでは、TendermintのPoSレイヤーがHeimdall & Bor上に構築されています。バリデーターの3分の2がチェックポイントに署名すると、そのチェックポイントがルートチェーンの一部になります。

Plasmaセキュリティ

Shibariumは、様々な攻撃シナリオに対してPlasma保証(Plasma Guarantees)を提供します。チェーンオペレーターやユーザーが不正してShibariumのチェーンが機能不全に陥った場合に、Ethereumのスマートコントラクトを利用することで本来の資産をEthereum上に引き出すことができます。

BONEトークン

Shibariumでは、ネイティブトークンとして$BONEを利用します。

$BONEそのものは、Shibariumが稼働開始する前からShibaSwapのガバナンストークンとして存在してきました。Ethereumのブロック生成される毎に発行され、最大供給量は2億5000万枚で、2024年7月にその上限に達する見込みです。詳細は、ShiwaSwapの$BONEのトークノミクスから確認することができます。

BONEトークンの用途

  • ステーキング(バリデーターとデリゲーター、Ethereum上よりステーキング)
  • Shibariumにおけるネットワーク手数料

BONEトークンとSHIBトークンの関係性

ユーザーはShibariumを利用する際には、$BONEでネットワーク手数料を支払うことになります。

Shibariumは基本手数料(Base Fee)と優先手数料(Priority Fee)で構成されます。基本手数料は、Shibariumのコントラクトにロックされ、70%がバーン対象に、30%がネットワーク維持のために確保されます。また、優先手数料はバリデーターに支払われます。

基本手数料の70%が一定額(=25,000ドル)に達すると、ユーザーはポータルサイトからバーン処理を開始することができます。処理において、$BONEはEthereum側に送られ、$SHIBにスワップされてバーンされます。

このように、Shibariumで$BONEが使われるほど、結果的に$SHIBがバーンされることにつながります。

BONEトークンが売買できる取引所

DEX

CEX

Shibariumに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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