レイヤー2はベースとするレイヤー1にアンカリングをすることで、改ざんへの耐性をレイヤー1と同等にすることができるようになります。Bitfinityは、Bitcoinのセキュリティを利用するレイヤー2を手掛けています。
Bitfinity(BFT)の概要
Bitfinity(ビットフィニティ)は、Internet Computer上に構築されたBitcoinのレイヤー2です。EVM互換のアプリケーションを実行することができ、1~2秒のファイナリティと最大1,000TPSの処理容量を提供します。
Bitfinityは、Bitcoinのエコシステムにより大きな柔軟性をもたせることができるようになります。Bitfinityにより、Bitcoinエコシステムで扱われた資産をさらにプログラマブルに扱うことができ、$BTCやOrdinals、BRC-20トークン、ICトークンからのブリッジに対応しています。
多くのレイヤー2はEthereum上に構築されており、それらはEthereumとの安全なブリッジを作るためにzkRollupやOptimistic Rollupに依存しています。それに対して、BitfinityはChain-Keyと呼ばれるしきい値暗号方式を使用します。Chain-Keyは、Internet ComputerがBitcoinとの統合で使われるコア技術で、Internet Computerから直接Bitcoinチェーンの操作を可能にします。単一のノードがしきい値キーにアクセスすることができず、しきい値鍵の共有は定期的に再生成されます。これにより、Bitcoinチェーン上の資産を安全に扱うことができるようになります。
Bitfinityは、2021年から2023年にかけて合計7百万ドルの資金調達を行っており、Polychain Capital, ParaFi Capitalなどから資金を得ています。また、Internet ComputerのDfinity Grantsに採択された経験もあり、Internet Computerのプロジェクトとしても認められた存在になっています。2024年1月26日時点、Bitfinityは公開テストネット段階で、メインネットのローンチは2024年1~2月を予定しています。
Bitfinity(BFT)の特徴
安全なBitcoinチェーンとのブリッジ
Bitfinityは、$ICPトークンで知られたInternet Computerを使って構築することにより、Bitcoinチェーンとの資産のやりとりを安全にします。ブリッジは、Bitfinity公式のNeuroBridgeが提供されます。
Internet Computerは、2022年12月にBitcoinを統合しており、スマートコントラクトを有していないBitcoinチェーンを、Internet Computer(厳密には、キャニスター)からの直接操作を可能にします。この統合で使用されているコア技術のChain-Keyは、複数の当事者が秘密鍵共有を使うことで署名を生成する、いわゆるマルチパーティ計算(MPC)技術です。秘密鍵共有そのものの仕組みにより、秘密鍵の一部が奪取されるのを難しくすることに加え、鍵の再生成を11分ごとに行うことによって秘密鍵の漏洩を防止します。
Bitcoinエコシステムにおける複数のトークン規格に対応
Bitfinityでは、Bitconエコシステムにおける複数のトークン規格に対応しており、それらをBitfinityにブリッジして使うことでEthereum上のアプリケーションと同等のサービスを実現することができます。トークン規格は、以下がサポート対象となっています。
- Bitcoin:$BTCそのもの
- Ordinals:Bitcoinチェーン上のノンファンジブルトークン(NFT)
- BRC-20:Bitcoinチェーン上のファンジブルトークン(FT)
- ICRC-1:Internet Computerにおけるファンジブルトークン(FT)
BFTトークン
Bitfinityでは、ネイティブトークンとして$BFTを発行します。詳しくは「BITFINITY token distribution」から確認することができます。
BFTトークンの用途
用途の詳細は発表されていません。$BFTはガバナンス及びガスとして使われることが見込まれています。
BFTトークンの配布
$BFTは、総供給量が10億枚に設定されており、以下の割合に応じて配布されます。
項目 | 割合 | |
---|---|---|
コミュニティのトレジャリ | 20% | |
DAOガバナンス | 35% | |
長期インセンティブ | 16% | |
シードラウンド | 5% | |
グロースラウンド | 8% | |
グロースと流動性プログラム | 助成金 | 3% |
成長とパートナーシップ | 3% | |
ロックされた流動性 | 10% |
BFTトークンを売買できる取引所
2024年1月26日時点、Bitfinityは公開テストネット段階であるため、$BFTはローンチされていません。