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独自チェーンの自動プロビジョニングプラットフォーム「Saga(SAGA)」の解説

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Saga(SAGA)の概要

Saga(サーガ)は、自己主権的な独自ブロックチェーンをプロビジョニングすることができるレイヤー1ネットワークです。

Web3においてアプリケーションが優れたパフォーマンスを発揮し、ユーザーに快適な体験を提供することができ、かつ独自の拡張に対応するにはアプリケーション固有のチェーンが最適解とされています。しかし、アプリケーション固有のチェーンを既存のフレームワークで作るには、先行投資と労力が高くつくため現実的ではありません。Sagaは、このような状況に対処します。

Sagaが目指しているのは、独自ブロックチェーンの展開をスマートコントラクトを展開するのと同じくらい簡単にすることです。Sagaでは、Chainlet(チェーンレット)と呼ばれる自己主権型の独自ブロックチェーンを立ち上げることができます。また、独自のチェーンを立ち上げるに大きな課題の一つであるセキュリティの確保、即ちバリデーターの確保を不要にします。ChainletのセキュリティはSagaのメインネットのバリデーターから提供されます。

2024年1月20日現在、Sagaのメインネットはローンチされていません。SagaのPegasusテストネットには、130のChainletが立ち上げられ、うち88ががアクティブなっています。

Sagaの特徴

自己主権型の独自チェーンのプロビジョニングに対応

Sagaでは、自己主権型の独自ブロックチェーンであるChainletを簡単に立ち上げることができます。

チェーンをプロビジョニングしたい開発者は、支払周期に応じた$SAGAを用意し、WebインターフェイスからChainletの名前やトークンシンボル、支払い周期などを入力することにより、Chainletを立ち上げることができます。Chainletは、好みの仮想マシン(EVM, CosmWasm, SolanaVM, MoveVM)を利用することができ、初期段階ではEVMのみ対応します。

Chainletの立ち上げ画面

Chainletの立ち上げ画面

また、Sagaは様々なモジュールに対応しています。コンポーネントはVMモジュールやSDK、Tendermint Coreなどで構成されており、これらはSagaのメインネットから独立してアップデートをすることができるようになっています。

共有セキュリティ

Sagaは、Cosmos Interchain Security (ICS)を使い、SagaメインネットのセキュリティをChainletに供給します。バリデーターは、SagaメインネットにプロビジョニングされたすべてのChainletの検証作業を行います。

Sagaの共有セキュリティの概念図

Sagaの共有セキュリティの概念図

このような仕組みは、バリデーターにとってどれだけ計算力を確保すればよいかという予測を難しくします。検証作業に必要な計算力を満たすようにするのは言うまでもなく、余分な計算力を持つことはコスト面や環境面から好ましくありません。そのため、Sagaはバリデーター・オーケストレーションツールを用意し、バリデーターがいつ新しいハードウェアが必要になるかを予測でき、チェーンレットごとに新しいプロセスとサーバー環境を自動的に立ち上げられるようにする予定です。

Web2サービスと同等の支払いフロー

一般的なWeb2サービスは、ユーザーがサービス事業者に支払いを行い、サービス事業者はインフラ事業者に利用料を支払います。しかし、現状のWeb3ではユーザーがサービス事業者とインフラ事業者の両方に利用料を支払うようになっています。Sagaは、これをWeb2サービスと同等にします。

Sageでは、ユーザーはChainletを展開するサービス事業者が指定する方法(トークンやクレジットカード払いなど)で利用料を支払います。もしくは、サービス事業者はユーザーに無料でサービスを提供することもできます。サービス事業者は、サブスクリプションモデルにより、Sagaのメインネットに支払いを行います。メインネットの利用料は、既存のWeb2サービスと同様に、利用期間が長くなることで割引きが入るようになっています。

SagaでChainletを実行するための価格は、エポックごとに変動します。価格そのものは、バリデーターの入札競争によって決定されます。入札競争では、安い価格を提示した上位のバリデーターがSagaメインネットやChainletの検証作業を行うことができるようになっています。これにより、サービス事業者は、できるだけ安い価格でChainletを利用することができます。

Sagaの支払いフロー

Sagaの支払いフロー

SAGAトークン

Sagaでは、ネイティブトークンとして$SAGAを使用します。

2024年1月20日現在、$SAGAのトークのミクスは発表されていないものの、エアドロップのGenesis Airdropの実施が表明されています。

Sagaに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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