ミドルウェア暗号資産

様々なチェーンのZKレイヤー「Mystiko.Network(XZK)」

ミドルウェア
スポンサーリンク

Mystiko.Network(XZK)の概要

Mystiko.Network(以下、Mystiko)は、チェーンの種類にとらわれることなくプライバシー機能を提供するZKレイヤーのプロトコルです。プロジェクトは、自身のことを「Web3のベースレイヤー」と呼び、Web3を実用的なものにすることを目指しています。

Web3の基盤であるブロックチェーンは、アカウントの残高や保有資産、取引履歴などを含むすべてのユーザーデータを一般に公開します。これはプライバシーのリスクに繋がるため、Web3のより広範囲な採用を妨げるものになっています。また、クロスチェーンブリッジにおいて現状でプライバシー機能をサポートしているものはなく、ユーザーはチェーンをまたぐ時に一時的にでもプライバシーを犠牲にする必要があります。そして、これらの機能をオンチェーンで利用する場合は高額なガス代がかかるため、実用的ではありません。Mystikoは、このような状況を解決し、ユーザーがプライバシー機能を安価で使えるようにします。

Mystikoは、相互運用性とスケーラビリティ、プライバシーを一度に確保することができます。各チェーンでZKレイヤーを提供することで、シングルチェーン上のプライバシーを確保し、クロスチェーン機能を活用して別のチェーンに資産を移動する際にも継ぎ目なくプライバシーを確保します。さらに、ガス料金に関しては、ゼロ知識証明のスケーリングソリューションによりコストを手頃なレベルに抑えています。また、ブラックリストや委員会制による監査の仕組みを導入し、不審なトランザクションを監査可能にすることで、世界的な規制当局のコンプライアンス要件とのバランスを取っています。

また、プロジェクトはDApps開発者にMystiko SDKを提供しています。これにより、開発者は、ゼロ知識証明について知ることなく、自身のアプリケーションに簡単にプライバシー機能を組み込むことができます。Mystiko SDKを使った代表的な例として、Camo Walletがあり、プライバシー確保からブリッジまでをカバーできるようになっています。

プロジェクトは、2024年3月17日にシードラウンドで1800万ドル規模の資金調達を発表しており、投資家にはセコイアやサムスン、CoinListやHashKeyなどが名を連ねています。

Mystiko.Networkの投資家

Mystiko.Networkの投資家

Mystiko.Network の特徴

完全なプライバシーを確保

Mystikoでは、EthereumやBNB Chain, Baseなど、5種類のレイヤー1/2のプライバシーに対応しています(2024年4月7日時点)。これらは、ゼロ知識(zk-SNARKs)に基づいてプライバシーが確保されます。

ユーザーは、メインチェーンからMystiko上のアカウントに資産を入金することでプライバシー送金を行うことができるようになります。入金トランザクションは、第三者からはメインチェーン間で送金を行っているように見えます。ユーザーは、一度Mysikoのアカウントに入金してしまえば、Mystiko特有のアドレスを使うことにより残高や送金のプラバシーを確保することができます。また、Mystikoのアカウントにある資産をメインチェーンに戻す場合、ユーザーは任意の出金先アドレスを指定することで、入金で使ったアドレスと出金で使ったアドレスとの関連性を断ち切ることができます。

このような特性により、Mystikoではユーザーに完全なプライバシーを提供します。

クロスチェーンのプライバシーを提供

従来のクロスチェーンソリューションでは、プライバシー機能を提供しておらず、またMystikoと同種のプロジェクトでもクロスチェーン機能は提供していませんでした。そのため、チェーンをまたいで資産移動のプラバシーを確保するためには、プライバシープロトコルとメインチェーンとの間で資産の出し入れを行い、ブリッジを挟む必要がありました。この手順は非常に煩雑であり、現実的ではありませんでした。

Mystikoでは、Mystiko自身が用意しているブリッジの他、CelerやLayer Zeroなどの外部ブリッジを連携させ、ユーザーはシングルクリックでクロスチェーンのプライベートトランザクションを実行することができます。

民主的なアンチマネーロンダリング

Mystikoのようなプライバシーを提供する既存のソリューションでは、規制に対応するためにトランザクションを開示できるようになっています。しかし、開示できるのはあくまでもアドレスの持ち主であり、悪意のある当事者が開示に応じないと取引を隠せてしまいます。そこで、Mystikoでは組み込みのコンプライアンスメカニズムを用意しました。

1つ目が、政府の制裁リストに基づくブラックリストメカニズムです。これは、外部オラクルによりブラックリストのアドレスを把握し、リストにあるアドレスからの入金をシステム的にブロックするというものです。

また、Mystikoユニークなメカニズムとして、コミュニティによって選ばれた分散型監査委員会が不審な人物の取引フローの監査(閲覧のみ)を行う仕組みがあります。監査人は、委員会の過半数の承認を得た場合のみ、一定期間の取引履歴を閲覧することができます。この仕組みは、ユーザーによる資産の譲渡や引出しに監査人の公開鍵が使われることにより実現します。

XZKトークン

Mystikoは、ユーティリティトークンとしてEthereumネットワーク上で$XZKを発行しています。

XZKトークンのユーティリティ

  • Mystiko.Networkのガバナンス
  • ZKロールアップのマイナー/リレイヤーになるための担保
    • ZKロールアップマイナー:ユーザーのトランザクションをバッチ処理するオペレーター。
    • リレイヤー:ユーザーが宛先チェーンでガスを支払うことを支援するオペレーター。

XZKトークンの配布

$XZKは、10億枚が発行され、以下の内訳に応じて配布されます。最終的に10億枚の配布が終わるのは、TGEから4年後が予定されています。

カテゴリー 割り当て TGE後のリリーススケジュール
プライベートラウンド投資家 200,000,000 1年間のロック、その後2年間の線形べスティング
コミュニティラウンド投資家 75,000,000 TGEで25%のロック解除、その後12 ヶ月の線形ベスティング
早期ユーザー報酬 7,000,000 1ヶ月のロック、その後100%ロック解除
コア貢献者/アドバイザー 150,000,000 1年間のロック、その後3年間の線形べスティング
エコシステム – ジェネシスマーケティング 50,000,000 TGEで25%のロック解除、その後18ヶ月の線形ベスティング
エコシステム – マーケティングとコミュニティ構築 100,000,000 1ヶ月のロック、その後4年間の線形べスティング
エコシステム – 流動性報酬 158,000,000 1ヶ月のロック、その後4年間の線形べスティング
エコシステム – アプリケーション開発者 160,000,000 1ヶ月のロック、その後4年間の線形べスティング
エコシステム – 全般 100,000,000 1ヶ月のロック、その後4年間の線形べスティング
$XZKの配布スケジュール

$XZKの配布スケジュール

XZKトークンを売買できる取引所

2024年4月7日時点で$XZKを売買できる取引所はまだなく、2024年6月18日頃の上場が見込まれています。

Mystiko.Networkに関する情報

スポンサーリンク
この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

Junya Katoをフォローする
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました