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Triaの解説 ~CEX並みの体験を実現するオムニチェーンインフラ

プロジェクト解説
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Tria の概要

Tria(トリア)は、中央集権型取引所(CEX)に匹敵するユーザー体験を提供するオムニチェーンインフラです。ブロックチェーンの抽象化により、あらゆるチェーンや仮想マシンとシームレスに対話できる環境を実現。ユーザーや開発者はTriaを介することで、多様なブロックチェーンやその流動性に簡単にアクセスできます。

現在、数百を超えるブロックチェーンが存在し、それぞれにウォレットの作成、シードフレーズの管理、ガス代の準備といった煩雑な手間が伴います。さらに、異なるブロックチェーン間での資金移動も依然として課題です。こうした問題に対する現実的な解決策としてはCEXがありますが、資産凍結や規制の影響を受けるリスクが付きまといます。

ユーザーにとって理想的なのは、CEXのようなスムーズな取引体験を、セルフカストディを維持しながら単一の分散型プラットフォーム上で実現することです。単一のログイン情報でガス代やシードフレーズの管理不要で、すべてのブロックチェーンを統合的に操作できる。さらに、チェーン間のブリッジやスワップなしにワンクリックで取引が完了する。こうした体験を提供するのがTriaです。

Triaは、分散型でありながらCEXの利便性を実現するため、以下の3つの主要技術を採用しています。

  1. BestPath AVS:ユーザーはガス代を気にすることなく、任意のチェーン間でワンクリックで資産を交換可能。
  2. CoreSDK:開発者はTriaのインターフェースを利用するだけで、簡単にマルチチェーン対応アプリケーションを構築可能。
  3. TriAI Framework:マルチチェーンを活用したAIエージェントの開発を容易にするフレームワーク。

2025年3月11日時点で、Triaのメインネットローンチは2025年第2四半期に予定されています。すでにArbitrum、Polygon、Movement、Injectiveなど、多くのプロジェクトがTriaを支持しています。さらに、Triaはすでに複数の主要ネットワークと戦略的提携を締結しており、そのインフラを通じて数十億ドル規模の価値のシームレスな移動を可能にします。

Triaを支持しているWeb3プロジェクト

Triaの主要技術

BestPath AVS ~クロスチェーン取引の最適化ルーター

BestPath AVSは、Web3における「Googleマップ」のような役割を果たす、クロスチェーン取引の最適化ルーターです。Ethereumやそのレイヤー2、Sonala、Cosmosなど、多様なブロックチェーンに対応します。

クロスチェーン取引では、異なるブロックチェーンを経由しながら資産を移動させる必要があります。例えば、Bitcoin ($BTC) をBaseチェーン上のEthereum ($ETH) に交換するには、まずMaya Protocolを介してEthereum上の$ETHに変換し、その後、Stargateを利用してBaseチェーンへブリッジする、という手順が必要になります。しかし、こうした最適な経路を手動で探すのは困難であり、また必ずしもコスト効率が良いとは限りません。

BestPath AVSは、最適な交換ルートを自動で計算し、ユーザーが経由チェーンのガス代を負担することなく、シームレスにクロスチェーン取引を実行できるようにします。これにより、ブロックチェーン間の資産移動が直感的かつスムーズになり、従来の複雑なプロセスが大幅に簡略化されます。

CoreSDK ~マルチチェーン開発ツール

CoreSDKは、開発者がTriaを通じてマルチチェーンアプリケーションを容易に構築できる開発キットです。

マルチチェーン対応アプリの開発は、多くの課題を伴います。通常、各ブロックチェーンごとに個別のスマートコントラクトを展開・管理する必要があり、チェーンの数が増えるほど開発・メンテナンスの負担も増大します。さらに、異なる仮想マシンを持つブロックチェーンを組み合わせたアプリケーションの開発は高度な知識を要し、開発者にとって大きな障壁となっています。

CoreSDKは、こうした課題を解決します。開発者はTriaのインターフェースと対話するだけで、マルチチェーン対応のアプリケーションを構築できるため、個別のブロックチェーンごとの開発・管理負担が大幅に軽減されます。これにより、決済システム、DeFiプロトコル、自動マーケットメーカー(AMM)、財務管理ツールなど、幅広いユースケースに活用できます。

CoreSDKのユースケース

TriAI Framework ~AIエージェントのためのフレームワーク

TriAI Frameworkは、複数のブロックチェーンを横断する高度な連携を可能にするAIベースのツール群です。

このフレームワークを活用することで、開発者はAIを駆使したマルチチェーン対応のAIエージェントを容易に構築できます。例えば、以下のようなユースケースが考えられます。

  • DeFiの利回り最適化:市場をリアルタイムで監視し、最適な投資戦略を自動で実行
  • アービトラージ:異なるチェーン間での価格差を利用し、自動取引を実施
  • スマートコントラクトの自動化:特定の条件を満たした際に取引を実行
  • 高度な支払いソリューション:クロスチェーンでの決済やサブスクリプション管理

AIの力を活用することで、マルチチェーン環境における複雑なオペレーションを自動化し、より効率的でスマートなWeb3体験を実現します。

Triaに関する情報

 

 

 

 

 

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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