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0Gの解説 (0G) ~AIに特化したレイヤー1エコシステム

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0Gの解説 (0G) の概要

0G(ゼロジー、Zero Gravity)は、0G Labsが開発した世界初のAIに最適化された分散型AIOSです。AIに特化したレイヤー1を中心とした複数のコンポーネントから構成されており、分散型AIアプリケーションを実現するために、これまでのブロックチェーンを使ったインフラ基盤では不可能だった膨大なスループットを実現できるアーキテクチャを採用しています。

現在、人間と同等またはそれ以上の知能を持つAI「AGI (Artificial General Intelligence)」の実現が2027年と予測されていますが、その開発を支えるには現在の計算インフラでは不十分とされています。さらに、AIのための計算インフラがOpenAI等の一部のプレイヤーに集中していることが懸念されており、このような状況では、AIのメリットが広く公平に、かつ安全に分配されることが保証されていません。0G Labsは、AIを公共財にすることをミッションにしており、権力の分散とイノベーションの繁栄を促進し、より公平で優れた、よりオープンなAIエコシステムのためのインフラ基盤を構築することを目指しています。

0Gは、レイヤー1のブロックチェーンや構造化・非構造化データの両方に対応したストレージ、計算ネットワーク、データ可用性レイヤーを備えています。これにより、Web2とWeb3間のコストと効率のギャップを埋め、高いパフォーマンスのAIアプリケーションをオンチェーンで実現することができるようになります。

0Gを構成する主要コンポーネント

0Gは、分散型アプリケーションを実現するために、以下の4つの主要コンポーネントで構成されています。

  1. 0G Chain
  2. 0G Storage Network
  3. 0G Compute Network
  4. 0G DA

これらのコンポーネントが連携することで、AIに適した膨大なデータ量を処理できるアプリケーションを実現し、高いスループットとスケーラビリティを両立しています。

0Gのアーキテクチャ

0G Chain

0G Chainは、オンチェーンゲームとAIを実現するために設計された、高速かつモジュール化されたEVM互換のブロックチェーンです。このブロックチェーンは、後述のストレージネットワークと計算ネットワーク、そしてデータ可用性(DA)をサポートしており、データの公開とストレージを切り離すことで、スループットとスケーラビリティの両立を可能にします。さらに、コンセンサスネットワークの追加により、無限のスケーラビリティを実現します。

0G Storage Network

0G Storage Networkは、大規模データ処理に最適化された分散型ストレージネットワークです。分散型アーキテクチャにより、単一障害点を排除し、大量のデータセットが生成され消費される時代に対応する高度なセキュリティ、耐障害性、スケーラビリティを実現します。1TBあたり10〜11ドルという低コストも特徴です。

従来の分散型ストレージと異なり、0Gは非構造化データと構造化データの両方に対応します。非構造化データはログレイヤーで処理され、アーカイブやデータログなどの静的データの保管に適しています。一方、構造化データを処理するキーバリュー(KV)レイヤーでは、キーバリューペアを用いて動的データの保管に対応します。こちらは、データベースや共同ドキュメントなどの、更新が頻繁に発生する用途に適しています。

0G Compute Network

0G Compute Networkは、高速データ取得、モデル推論/トレーニングなどを含む AI コンピューティング用の多目的フレームワークです。

初期段階では、推論のための分散型決済に焦点が当てられており、AIモデルの購入者と販売者をトラストレスでマッチングさせるマーケットプレイスが提供されます。販売者は、購入者が推論を実行すると、その度合に応じて直接報酬を得ることができます。

0G DA

0G DAは、高性能チェーン向けに設計された、無限にスケーラブルでプログラマブルなデータ可用性レイヤーです。このレイヤーは、データの確実なアクセス性と検証可能性を保証し、ブロックチェーンの信頼性を支える重要な基盤となっています。

0G DAは、0G Storage Networkによる組み込みのストレージと水平にスケーラブルなコンセンサス設計により、50 Gbps にも及ぶデータスループットを実現しており、既存のデータ可用性ソリューションと比べて、膨大なスループットとスケーラビリティを差別化点としています(参考値としてEthereumのスループットは 1.5 Mbps)。

0Gトークン

0Gトークンのユーティリティ

$0Gのユーティリティは、2025年3月26日時点で公開されていません。

0Gトークンの配布

トークン生成イベント(TGE)における$0Gの供給量は10億枚に設定されており、その半分以上位はコミュニティとエコシステムの成長に割り当てられています。

内訳 割合 TGE時配布 クリフ
(初期ロック期間)
ロック解除期間
コミュニティとエコシステムの成長 56% 38.07%
エコシステム成長 28% 49.00% なし 24ヶ月
AIアライメントノード 15% 33.33% なし 36ヶ月
コミュニティ報酬 13% 20.00% なし 48ヶ月(季節ごと配布)
コアチームと初期支援者 44% 0.00%
0Gチーム、貢献者、アドバイザー 22% 0.00% 12ヶ月 36ヶ月
支援者 22% 0.00% 12ヶ月 36ヶ月

0G に関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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