Kaiaの概要
Kaia(カイア)は、Kakaoのメッセンジャー「KakaoTalk」(約5,000万人利用)とLINE(約2億人利用)の二大プラットフォームに公式に採用されているブロックチェーンです。合計2.5億人に上る既存ユーザー基盤を活かし、アジア最大級のWeb3エコシステム構築を目指しています。
既にLINEでは、アプリ内で動作するWeb3アプリケーション「Mini Dapp」が公開されており、ゲームやソーシャルサービスなどをDapp Portal からシームレスに操作できます。ユーザーはLINEアプリから一切離れずに、Web3インフラ特有の煩わしさを感じることなくMini Dappを操作することができます。
また、一般的に企業が提供するブロックチェーンはクローズドになる傾向がありますが、Kaiaは極めて対称的です。チェーンはオープンソースで、バリデーターへの参加はパーミッションレスです。そして、アプリケーション開発者は Dapp Portal 以外でも自由にアプリケーションを公開することができるようになっています。アプリケーションはEVM互換であるため、従来のWeb3アプリとまったく同じようにサービスを展開することができます。
このように、Kaiaでは2.5億人ものユーザー基盤を背景に、既にユーザーが親しみ慣れた環境とオープンで自由な開発環境を提供することにより、巨大なWeb3エコシステムを構築しようとしています。
Kaiaブロックチェーンの独自トークンの$KAIAは、2025年4月21日時点で完全希薄化時価総額(FDV)は600Mドル程度であり、寡占なレイヤー1の分野としては未だに比較的小規模となっています。
Kaiaの特徴
LINE Mini Dapp ~LINEからシームレスにアクセスすることができるミニアプリ
Kaiaの活用事例として象徴的なのが、2025年1月にLINE上で公開された「LINE Mini Dapp」サービスです。これはLINEアプリ内で動作する小規模なWeb3アプリの集合で、ユーザーはチャット画面からワンタップでゲームやソーシャルサービスを起動可能。ウォレット連携やトークン利用などのWeb3体験も、煩雑な手続きなしに楽しめます。Mini DappにはLINEアカウントでログインでき、アプリ内ウォレットが標準搭載されているため、追加のウォレット準備などは不要です。
注意点として、Mini DappそのものはKaia専用ではなく、他のブロックチェーンでも利用することができます。しかし、Dapp Portal に掲載できるのはKaiaを採用した審査済みのMini Dapp のみになるため、実質的に Mini Dapp はKaiaのための仕組みといえます。
LINEのWeb3部門であるLINE NEXT社はKaia上で動作する約30種類のMini Dappを2025年1月下旬に一斉リリースしており、開始からわずか1か月で累計3,500万超のユーザーを獲得し、同期間のアプリ内課金総額は200万ドルに達しました。
Web3’s biggest challenge isn’t performance, it’s people.
Most chains are still chasing users.
Kaia onboarded 48 million in just under 2 months, through Mini DApps embedded inside LINE.
No wallets. No downloads. No crypto onboarding flow. Just tap → use. pic.twitter.com/NwGswc1T74
? Sangmin Seo (Sam) {&} (@seo_sangmin) April 11, 2025
ネイティブステーブルコインの導入
Kaiaでは、今後のロードマップとしてネイティブステーブルコインの受け入れを予定しています。一般的に、ネイティブステーブルコインの発行はチェーンのオンチェーン活動の活性化に貢献する要素です。
ステーブルコインとUI/UXの優れたMini Dappを組み合わせることにより、Kaiaではユーザーがより手軽にオンチェーン活動ができるようになることが見込まれています。
エンタープライズレベルの信頼性と性能を実現する設計
Kaiaはエンタープライズレベルの信頼性と性能を兼ね備え、技術面でも非常に優れた特性を持っています。以下は、その主な特徴です。
- サービスチェーン:アプリケーション専用のチェーンを立ち上げることができます。これにより、メインチェーンの影響を受けない独自のサービス展開が可能になります。
- 高速処理能力:BFTベース(Istanbul BFTの改良版)のコンセンサスメカニズムを採用しており、1秒間でブロック生成と確認が完了します。これにより即時ファイナリティが可能となり、高頻度取引が必要なユースケースにも対応できます。
- 高いスループット性能:毎秒4,000トランザクション(TPS)の処理能力を持ち、大量の取引が同時に行われても安定したパフォーマンスを保証します。
- 低コスト運用:Ethereumと比較して約1/10という低ガス料金設定により、大規模なアプリケーション運用や一般ユーザー向けサービス展開が可能です。
- EVM互換性:Ethereumのスマートコントラクトやアプリケーションを容易に移行できる環境を提供します。
KAIAトークン
KAIAトークンのユーティリティ
Kaiaではネイティブトークンとして$KAIAが発行されています。このトークンは、KlaytnとFischiaの統合に伴い新規に発行されました。$KAIAは以下のユーティリティで利用できます。
- トランザクション手数料:Kaia上の送金やコントラクト実行時の手数料支払いに用いられます。
- ガバナンス:$KAIA保有者はネットワークのガバナンス投票に参加できます。またKakaoやLINEをはじめとする主要企業が名を連ねるガバナンス評議会でも$KAIAが活用されています。
- ステーキング:バリデーターはネットワークの保護のために多額の$KAIAをステーキングし、ブロック報酬や取引手数料から報酬を得ます。また、チェーンに内蔵されたMEVにより、MEVから得られた利益がステーカーに還元されます。
- エコシステムインセンティブ:Kaiaエコシステムファンドなど、コミュニティや開発者支援の原資として使用され、新規プロジェクト支援に充てられています。
サステナブルなトークノミクス
$KAIAは、サステナブルなトークノミクスでエコシステムを支えるようになっています。
$KAIAは、ブロック報酬により年間約3億枚が発行されるようになっており、これは年間5.2%のインフレに相当します。ブロック報酬の50%はKaiaのエコシステムインセンティブにプールされるようになっており、うち半分がKaiaエコシステムファンド(KEF)、同じく半分がKaiaインフラストラクチャファンド(KIF)に配分されます。
このような仕組みにより、Kaiaは長期にわたりエコシステムを支援する資金が継続するようになっています。
KAIAトークンを売買できる取引所
Kaiaに関する情報