Babylonの概要
これまで、ビットコイン($BTC)は「デジタルゴールド」と呼ばれ、保有するだけでは利回りを生まない資産であることが常識でした。これはビットコインがスマートコントラクトを持たず、Proof of Stake(PoS)ではなくProof of Work(PoW)を採用しているためです。従来、利回りを得るには中央集権的なレンディングサービス等を利用するしか選択肢がなく、これには資産凍結や事業者の破綻といったカウンターパーティリスクが常に伴いました。
Babylon(バビロン)は、この構造的な課題を解決するために開発されたBTCを、擬似的にPoS資産のように運用可能にした点にあります。独自の「リモートステーキング」技術により、$BTC保有者は資産を外部へ移動(ブリッジ)させることなく、手元のウォレットに保有したままステーキングを行うことができます。これにより、非中央集権的かつ安全な方法で、ビットコイン運用における利回り機会が創出されることになりました。
さらに、Babylonによるステーキングは、単に投資家に利回りをもたらすだけではありません。ステークされた$BTCは、接続先となる外部のPoSブロックチェーン(コンシューマーチェーン)のセキュリティ強化に直接利用されます。通常、PoSチェーンのセキュリティ強度はネイティブトークンの時価総額に依存するため、新興チェーンはバリデーターを誘致するために高インフレな報酬を支払うという経済的なジレンマを抱えていました。Babylonの「Bitcoinタイムスタンププロトコル」を利用することで、これらのチェーンはビットコインが持つ強大なセキュリティパワーを間接的に借用できるようになり、健全なトークンエコノミーの構築が可能になります。
プロジェクトの進捗としては、2024年8月22日よりメインネットの起動フェーズに入り、Babylon自身のチェーンである「Babylon Genesis」も2025年4月10日の正式ローンチが発表されました。既にLombardやLorenzoといった主要なDeFiプロトコルとの統合も進んでおり、$BTCは単なる価値保存手段から、Web3全体のセキュリティを支える利回り資産へと変貌を遂げようとしています。
Babylonの特徴
対BTC保有者:安全な方法で$BTCから利回りを得られる
BitcoinはPoWを採用しているため、PoSのように$BTCを使って直接利回りを得るということができません。そのため、$BTCを運用するためには、中央集権的なサービスに$BTCを送ったり、他のチェーンにブリッジをする必要があり、これらにはリスクが伴います。
Babylonでは、$BTCは専用のアドレスに送られてロックされ、他のチェーンにブリッジすることなく接続先チェーンの検証作業に参加することができます。これにより、$BTC保有者はこれまでにない安全な方法で$BTCから利回りを得ることができます。
しかし、$BTCがまったく失われない保証があるわけではなく、ステーキングをしている先のバリデーターが二重署名をすると、PoSのチェーンのステーキングと同様に$BTCがスラッシングされます。スラッシングでは、ステーキングに使用されている$BTCアドレスの秘密鍵が開示され、$BTC残高の0.1%がバーンされます。そしてステーキングが自動的に終了し、残りの99.9%がステーカーに償還されます。また、バリデーターのオフラインによるスラッシングはありません。
対BTC保有者:ステーキング解除後のロック期間が短い
一般的に、PoSを採用するブロックチェーンは、長距離攻撃に対抗するためのソーシャルコンセンサスが必要になるためステーキング解除後のロック期間が長く設定されています。例えばCosmos Hubでは、ステーキングを解除してから21日間$ATOMがロックされます。
一方で、BitcoinはPoWを採用しているため、正規の最長チェーンを置き換えるためにフォークされたチェーンを作成するためには莫大なコストがかかり、長距離攻撃の実行は極めて困難です。これは、Bitcoinのステーキングプロトコルのアンボンディングが、ソーシャルコンセンサスなしですぐに行えるということを意味します。そのため、Babylonでは、ステーキング解除後のロック期間が約2日間に短縮されます(Bitcoinで301ブロック分)。これは、$BTC保有者の資産効率を上げることにもつながります。
対チェーン:Bitcoinチェーンのセキュリティの恩恵を受けられる
BabylonによってBitcoinのセキュリティ共有を受けるブロックチェーンは、「Bitcoin Supercharged Network (BSN)」と呼ばれます。BSNのセキュリティは、Bitcoinが持つ莫大な経済的安全性と、数学的な暗号的強制力を融合させることで、各ネットワークに強固なファイナリティをもたらすように設計されています。
その中核技術となるのが「EOTS(Extractable One-Time Signatures:抽出可能なワンタイム署名)」です。 これは、バリデーターが同一のブロックに対して二重署名を行うと、秘密鍵が数学的に抽出され、自動的に露呈してしまうという方式です。秘密鍵が露呈すれば、Bitcoinチェーン上に展開されたステーキングコントラクトを通じて、即座に担保資産のスラッシング(没収とバーン)が実行されます。このメカニズムが、悪意ある行動への強力な抑止力として機能します。
システム全体においては、Babylon Genesisチェーンが制御の役割を果たします。ここに参加するファイナリティプロバイダーが$BTCを担保にBSNのブロックへ署名を行い、総ステークの3分の2以上の署名が集まることで、Bitcoinレベルの不可逆的な最終性が付与されます。これにより、BSNは他のチェーンに依存しない独立したセキュリティを確立します。
2026年1月3日時点において、Bitcoinチェーンの攻撃を行うコストは1時間あたり191万ドル(日本円で3億円相当)とされています。BSNは、このような協力なセキュリティを使用できるようになります(参考:PoW 51% Attack Cost)。
Babylonのトークン $BABY
Babylonでは、Babylon Genesisのネイティブトークとして$BABYが発行されています。
基本情報:
- 初期供給量:100億枚
- 最大供給量:上限なし
トークンの用途:
- ガス:トランザクション及びスマートコントラクト手数料の支払い
- ガバナンス:アップグレードやパラメータ変更への投票
- セキュリティ:ステーキングによるネットワークの保護
$BABYが売買できる取引所:


