Aleo(ALEO)の概要
Aleo(エイリオ)は、ブロックチェーン上で高度なプライバシー保護を実現するレイヤー1プロトコルです。最大の特徴は、ゼロ知識証明(Zero-Knowledge Proofs)を活用することで、トランザクションの中身(金額や送信者など)を公開することなく、その取引が正当であることだけを証明できる点にあります。
BitcoinやEthereumなどの従来のパブリックチェーンは、すべての取引履歴を公開することで透明性を担保してきましたが、これは個人や企業にとって、プライバシー侵害や機密情報漏洩のリスクと表裏一体でした。Aleoはこのジレンマを解消するために開発されました。ユーザーは自身のデータや取引情報を暗号学的に秘匿したまま、ブロックチェーンの利便性を享受できます。つまり、「必要な情報だけを開示し、それ以外は隠す」という柔軟なデータ管理が可能となります。
また、Aleoは「Web2とWeb3の橋渡し」を強く意識した設計になっています。ZcashやMoneroといった既存のプライバシー系プロジェクトが主に金融取引の匿名性に焦点を当てていたのに対し、Aleoは汎用的な「プログラマブル・プライバシー」を提供します。これにより、金融だけでなく、アイデンティティ認証、ゲーム、SNS、医療など、Web上のあらゆるアプリケーションにプライバシー機能を組み込むことが可能です。
さらに、コンプライアンスへの対応も考慮されています。近年、規制当局は完全な匿名性を懸念していますが、Aleoは情報を選択的に開示できる機能を備えています。これにより、必要に応じて取引の相手先や規制当局にのみ情報を開示する仕組みを提供でき、マネーロンダリング対策などの法的要件を満たしつつ、プライバシーを確保できます。
Aleoは2024年9月にメインネットをローンチしました。その期待値は高く、a16z、Coinbase Ventures、SoftBank Vision Fundといった大手ベンチャーキャピタルから累計2億2,800万ドルもの資金調達を実施しています。
Aleo(ALEO)の特徴
企業の実務に適したスマートコントラクト
Aleoの中核には、完全なプライバシーを保ったまま実行できるスマートコントラクトがあります。このシステムは、非公開データと公開データの両方を柔軟に扱うことができます。
データを非公開にする場合、トランザクションにはゼロ知識証明が付与されます。ネットワークの参加者は、取引の具体的な内容(送金アドレス、金額、入出力値など)を知ることなく、その処理が正当であることを検証できます。ブロックチェーン上には暗号化されたデータと検証済みの証明だけが記録されるため、外部からは内容は一切分かりません。これにより、プライバシーを守りながら信頼性だけを保証する仕組みが成立しています。
加えて、Aleoは以下の点において、企業の実務に即した運用を可能にしています。
情報の選択的開示:第三者にビューキーを共有することで、特定の相手にだけ取引内容を開示できます。これにより、監査や取引先への証明が必要なビジネスシーンにも対応可能です。
更新可能なコントラクト:Aleoでは、スマートコントラクトのデプロイ後にプログラムロジックを変更することが可能です。従来のブロックチェーンでは一度デプロイしたら変更不可能が常識でしたが、バグ修正や機能改善、法的要件への適応が求められる企業実務においては、この柔軟性が大きなメリットとなります。
PoWとPoSの特性を持つハイブリッドなネットワーク
Aleoのコンセンサス形成は、PoW(Proof of Work)とPoS(Proof of Stake)の長所を組み合わせたハイブリッドな構造を採用しています。具体的には、計算処理を担う Proof-of-Succinct-Work (PoSW) と、合意形成を担う AleoBFT の組み合わせです。
プルーバー(Prover): ゼロ知識証明(zk-SNARKs)の生成には膨大な計算が必要です。これを担当するのがプルーバーで、zkCloudと呼ばれるオフチェーンで重い計算を行い、証明を生成します。この「計算によって貢献する」点はPoWに近い性質を持ちます。
バリデーター(Validator): ネットワークの合意形成は、1000万枚以上の$ALEOをステーキングしたバリデーターが担います。バリデーターはプルーバーから提出された証明を含んだブロックを生成・検証します。ここではAleoBFTというコンセンサスアルゴリズムが採用されており、即時のファイナリティを実現します。
このように、重い計算(証明生成)と軽量な検証(合意形成)を役割分担させることで、プライバシーを確保しつつ、高いトランザクション処理能力を実現しています。
RustベースのLeo言語
通常、ゼロ知識証明を用いたアプリケーション開発には、高度な暗号学の知識が必要です。Aleoはこの参入障壁を下げるために、専用プログラミング言語「Leo」を提供しています。
LeoはRustをベースにした静的型付け言語で、ブロックチェーン開発に必要な安全性とエラー処理機構を備えています。最大の特徴は、開発者が暗号学の複雑なロジックを意識せずとも、デフォルトでプライバシーが確保されたアプリケーションを記述できる点です。 Leoで書かれたコードは、コンパイラによって自動的に証明生成や検証に必要な低レイヤーの処理へと変換されます。また、統合開発環境(IDE)やオンラインPlaygroundも整備されており、一般的なWeb開発者が学習コストを抑えて、手軽にプライバシー重視のアプリを開発できる環境が整っています。
ALEOトークン
Aleoではネイティブトークンとして$ALEOを発行します。詳しくは「Introducing Aleo Tokens」から確認することができます。
ALEOトークンの用途
- リソースへのアクセス:ブロックスペースや計算リソースへのアクセス
- 報酬:プルーバーやバリデーター、ステーカーへの報酬
- ガバナンス:プロトコルのアップデートや変更への投票
ALEOトークン配布
初期発行
$ALEOの初期供給量は15億枚で、その後はインフレによって増えていきます。初期配分の割合は以下の通りです。
- 34%:早期支援者
- 25%:助成金及び教育
- 17%:従業員・貢献者
- 16%:Aleo財団&Provable
- 8%:戦略的パートナー
インフレによる発行
以下は、メインネットローンチからの$ALEOの発行推移です。Coinbase Rewardsがプルーバーとバリデーター向けの報酬で、Staking Rwardsがステーカー向けの報酬になります。初年は年率12%のインフレをし、10年目には2%、その後徐々に0%に近づいていきます。

$ALEOの総供給量の推移(引用:Introducing Aleo Tokens)


