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Impossible Cloud Network (ICNT) の解説 ~ブロックチェーンベースの分散型クラウド

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Impossible Cloud Networkの概要

Impossible Cloud Network(インポッシブルクラウドネットワーク、以下ICN)は、ブロックチェーン技術を活用した次世代の分散型クラウドプラットフォームです。

従来はAWSやAzureなど少数の巨大クラウド企業が市場を支配し、高コストやベンダーロックイン、データ管理の不透明さといった課題がありました?。ICNは、誰もが参加できるコミュニティ主導のクラウドを目指しており、世界中のハードウェア提供者とサービス提供者からなるオープンなエコシステムでクラウド基盤を構築します。エンタープライズグレードのハードウェアと高性能サービスを妥協することなく提供し、開発者はそれらの計算リソースやストレージを柔軟かつ低コストで利用することができます。

ICNでは、ハードウェア提供者(HP)がストレージ容量やGPU・CPUといった計算資源をネットワークに提供し、サービス提供者(SP)がそれらのリソースを利用してクラウドサービスをユーザーに提供します。両者の仲介や調整はICNプロトコルによって行われます。ICNは3層構造のアーキテクチャ(ユーザー層、プロトコル層、ハードウェア層)を採用し、制約にとらわれることなしに大規模なスケーラビリティを実現できるようになっています。

Impossible Cloud Networkの特徴

パーミッションレスで利用できるコンポーザブルなサービス

ICNの大きな特徴の一つが、誰もが参加可能なパーミッションレスなアーキテクチャにあります。

従来のクラウドプロバイダーでは、開発者は特定の企業が設定した条件やポリシーに縛られていましたが、ICNでは中央管理者の承認なしに自由にクラウドを利用することができます。これにより革新的で費用対効果の高いサービスが生まれやすい環境を整えることができ、従来のクラウドと比べて最大で80%のコストを削れることが見込まれています。また、コンポーザブルな性質により、開発者は必要なクラウドリソースを自由に組み合わせて独自のアプリケーションを構築することができます。これにより、今まで以上に柔軟なサービス提供が可能になります。

大規模なスケーラビリティ

ICNは、大規模なスケーラビリティを実現するよう設計されています。

従来の中央集権型クラウドでは物理的なデータセンターの拡張に限界がありましたが、ICNではグローバルに分散したハイパーノードを追加することにより、理論上無制限のスケーラビリティを実現します。

このスケーラビリティは、ハードウェアプロバイダーがネットワークにリソースを提供することによって実現されます。新しいノードが加わるたびにネットワーク全体の容量が増加します。開発者は、データ量やインフラの制約を受けることなくサービスを拡大することができます。

高いパフォーマンスの実現

ICNは、高度に最適化されたプロトコルとハードウェアの組み合わせにより、エンタープライズグレードの高パフォーマンスを実現します。特にAIワークロード、ゲーム、データ集約型アプリケーションなど、高い計算能力とレイテンシーの低さが求められるアプリケーションに最適化されています。

パフォーマンス向上の鍵となるのは、ICNが採用する分散型ストレージと計算リソースの効率的な配置アルゴリズムです。ユーザーの地理的位置に最も近いノードにデータと計算リソースを自動的に配置することで、レイテンシーを最小限に抑え、高速なデータアクセスを実現します。また、ブロックチェーン技術を活用した透明性の高いモニタリングシステムにより、サービス品質を常に監視、最適化しています。

3層アーキテクチャによる堅牢な基盤

ICN は、「アプリケーション層」「ICNプロトコル層」「リソース/ハードウェア層」の3層から構成される革新的なアーキテクチャを採用しています。

最上位のアプリケーション層では、開発者がICNの分散型インフラを活用してクラウドサービスを構築します。中間のICNプロトコル層は、異なる種類のハードウェアをネットワークにプールし、スマートコントラクトによる自動化された取引と報酬分配を実現します。最下層のリソース/ハードウェア層では、ハードウェアプロバイダーが物理的リソースを提供し、ネットワークの基盤を支えています。

この3層構造のメリットは、システムの柔軟性や拡張性が向上できることです。層を分離することによって、新技術の統合やプロトコルのアップグレードが容易になる他、セキュリティリスクの局所化と障害の影響範囲を限定することができます。

Impossible Cloud Network の3層レイヤー

3層レイヤー(日本語訳)

ICNTトークン

ICNでは、ネイティブトークンとして$ICNTを利用します。このトークンは主にネットワークのガバナンス、リソース割り当て、インセンティブ分配のメカニズムとして機能します。

トークンのユーティリティ

$ICNTは以下の用途で利用されます:

  • ネットワークガバナンス:トークン保有者はICNの重要な決定事項に対して投票権を持ちます。
  • ハイパーノードの運営:ノード運営者は$ICNTをステーキングすることでネットワークに参加します。
  • サービス利用料の支払い:ユーザーはICNプラットフォーム上のサービスを利用する際に$ICNTで支払います。
  • インセンティブの受け取り:ハードウェアプロバイダーやノード運営者は貢献度に応じて$ICNTを受け取ります。

トークンの配布

$ICNTは、最大供給が10億枚、初期供給が7億枚になっています。残り3億枚はTGE後に5年間をかけて供給されます。初期供給の内訳は、以下の通りです:

  • ネットワーク報酬(オラクルノードなど):20.0%
  • パートナー:11.0%
  • エコシステム開発:10.0%
  • ネットワーク拡張:10.0%
  • 開発会社(DevCo): 5.4%
  • 投資家:21.5%
  • チーム:22.1%

最終的に、以下のロック解除に従って$ICNTが解放されます。

$ICNTのトークン排出

引用元:Token Distribution

Impossible Cloud Networkに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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