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JANCTION (JCT) の解説 ~Jasmyから派生した分散型GPUのDePINプラットフォーム

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JANCTIONの概要

JANCTION(ジャンクション)は、世界中の遊休GPU資源を集約して提供するブロックチェーンベースのDePINプロジェクトです。Jasmyが背景となって開発されたプラットフォームは、Ethereumのレイヤー2として開発されているため、単なるGPUの利用だけではなく、GPUを必要とする新しい形態の分散型アプリケーションを実現することもできます。

近年、AI・映像処理分野での需要拡大に伴い、クラウドGPU市場は急速に成長しています。従来はAWSやGoogleクラウドといった集中型クラウドが主流でしたが、高コストや地域偏在といった課題から、分散型GPUネットワークにも注目が集まり始めています。

MarketsandMarketsによると、2030年までにGPUデータセンターの市場規模は2280億ドル(約33兆円)になると予測されており、年平均13.7%のペースで成長すると見込まれています。この急激な成長を支えるのがAI及び機械学習のためのGPU需要です。これらは膨大な計算力を必要とすることから、GPUの取り合いが慢性的になっており、解消される見込みが立っていません。そのため、中小企業や研究機関はGPUの調達に苦戦し、SasSとして提供されるGPUクラウドサービスは高価格が続いています。JANCTIONは、このような状況に対して、ブロックチェーン技術を使い、分散型のGPUクラウドを提供します。

JANCTIONでは、GPUクラウドを提供する他社と比べ、ユーザーに競争優位性のある価格かつ柔軟な契約形態でGPUパワーを提供します。ユーザーは、サービス品質が保証されたGPUインフラを稼働時間に応じて使用することができます。また、ノード提供者はトークンをステークすることなくGPUの計算力をJANCTIONネットワークに提供することができるため、JANCTIONは既存の分散型GPUクラウドと比べてより多くのGPUパワーを集めやすい構造になっているという強みがあります。

2025年8月10日現在、JANCTIONはノードセールを行っており、メインネットの立ち上げを年内に行う見込みです。また、JANCTIONのプロジェクト自体が需要家の開拓を行っており、ネットワーク開発だけにとどまらないエコシステム拡大に取り組んでいます。

JANCTIONのノードセール

JANCTIONでは、マシンを所有したくない個人や企業でもGPUノード提供者としてネットワークに参加できる機会をノードセールで提供しています。

JANCTIONは本来、個人所有のGPUでもノードに参加することが可能です。しかし、自前でノードを運用する場合には専門の知識が必要になり、また家庭の場合は常時稼働による騒音や排熱の問題に対処しなければいけません。

ノードセールに参加することにより、ノードは専門の人員によってセットアップ・維持され、かつデータセンターに配置されるために騒音や排熱の問題からも解放されます。

ノードセールは、1口 1,400ドルとなっており、USDT/USDCもしくは日本円の銀行振込で参加が可能です。JANCTIONはGPUの安定した仕入先を確保しており、原則的にノードは速やかに提供されます。詳しくは、JANCTIONのノード申込みページに記載されています。

ノード申し込み:https://docs.google.com/forms/d/1JX6YceZQpD1AzbBMrT-gIVKR3fCEBF7-uKXZbsQ_e70/viewform
※フォームに入力された個人情報は、JANCTIONの責任のもと管理されます。当サイトで個人情報が管理されることはありません。

JANCTIONのダッシュボード

クラウド上に配置されたノードの管理ダッシュボード

JANCTIONの特徴

誰でも参加可能なGPUノードネットワーク

JANCTIONは、GPUノードへの参加がパーミッションレスであるため、個人や中小企業でもノード運営に参加できるようになっています。他の分散型GPUクラウドとは異なりトークンのステーキング要件がないため、自前のGPUサーバーを用意すればすぐにネットワークに参加できます。

また、自前でマシンを管理したくない人に対しては、プロジェクトがGPUホスティングを提供しています(ノードセール)。これにより、個人でも法人でも容易にJACTIONネットワークのノード運営者になることができます。

高度なコロケーション技術による収益性向上

JANCTIONは高性能GPUのアイドル時間を見逃さず有効活用することでコスト削減と効率向上を図っています。例えば、ゲーミングPCに搭載されたGPUも、ユーザーがゲームで使っていない時間帯はGPUリソースが遊休状態になります。JANCTIONでは単なるGPU貸し借りの仲介に留まらず、こうした未使用のGPUリソースを世界規模で最大限に引き出すことを目指しています。

具体的には、コロケーション技術によって1台のGPUを時間的・容量的に区切りながら複数タスクに割り当てる仕組みを導入しています。例えば「時間共有多重化」によって1台のマシンの稼働時間をスライスして異なるジョブを順次スケジューリングしたり、「部分共有」によってGPUメモリや演算コアの一部だけを別タスクに提供したり、あるいは「完全共有」によって複数ユーザーのタスクを同時並行で走らせGPU資源をフル稼働させたりといった柔軟な運用が可能です。

コロケーション技術により、JANCTIONでは柔軟なリソース提供が可能になります。これにより、ハードウェアを遊ばせることなく常にGPUリソース提供できる状態を作り出すことで、収益性を向上させることができます。また、ユーザーごとの稼働時間によって報酬に過度な差が出ないよう調整される仕組みが設けられており、公平性を担保しつつ、リソースの最適活用が実現されるよう設計されています。

JANCTIONのコロケーション技術 ~Dockerにより仮想化される

スマートコントラクトによる自動リソース配分

JANCTIONではブロックチェーン上のスマートコントラクトによって、ネットワーク内の膨大なGPUリソースを自律的かつ最適に管理・割り当てます。各ノードの提供状況やジョブの要求に応じて、余剰リソースを持つノードと計算需要をマッチングし、最適なGPUを自動的に割り当てます。

スマートコントラクトがリソース配分を制御することで、オンチェーンによる自動的な管理が可能になり、どのノードがどれだけの仕事を処理したかが透明かつ改ざん不能な形で記録されるため、貢献度に応じた公正な報酬分配が実現します。JANCTIONでは独自にProof of Contribution(= 貢献度の証明)メカニズムを設計しており、各ノード提供者やデータ提供者の実績に基づいてトークン報酬やインセンティブを平等に分配するようになっています。

JCTトークン

JANCTIONでは、ネイティブトークンとして$JCTを発行します。

2025年8月10日時点で$JCTの詳細は出ていませんが、$JCT保有者はGPUのリソース使用時に発生した報酬やトランザクション手数料の一部を受け取ることができるとしています。

JANCTIONに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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