まだまだ活用方法の模索が続いているパブリックブロックチェーン、しかし多くのパブリックブロックチェーンのプロジェクトは、自分たちが創ったインフラが未来にイノベーションを起こすことを信じながら日々開発競争を繰り広げています。
Orbsもそのようなプロジェクトの1つで、特に企業用途にこだわってブロックチェーンを開発しています。Orbsブロックチェーンの本稼働に伴い、日本事業担当の堀田真代氏にインタビューしました。
第3部では、なぜ企業がOrbsを選択するべきなのか、その理由を訊きました。
第2部がまだの方は、まずは以下のリンクをご覧ください。
Orbsのこれまでとこれから、顧客獲得戦略
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加藤:Orbsのこれまでの動きとこれからを教えてください。
堀田:Orbsは2017年から設立して、やっと開発フェーズが終わり、本日メインネットを発表させていただきます(※取材日は3月28日です)。
加藤:おめでとうございます!!
堀田:まだイスラエル時間は早いので、今はGitHubに出ていないと思うのですけれども、イスラエルの朝には発表できると思います。トークンに関してもやっと配ることができました。皆さんにやっと一つの区切りを成果として見せることができました。
ここから先に関しては顧客獲得が重要になってくるので、さらにネットワークがオープンになった以上は、オープンソースでの開発者をどんどん作っていきたいので、たぶんこの2つが2019年のフォーカスポイントになると思います。
加藤:開発者や企業を獲得することにおいて、他のパブリックブロックチェーンプロジェクトだとハッカソンをやっていますが、Orbsとしてはどのような戦略でこれらを獲得しようとしているのでしょうか?
堀田:ハッカソンにきてくださる人たちが企業のラージスケールの顧客層にアプローチできるところにいるエンジニアさんであれば良いのですが、ただ単にゲームを作りますというハッカソンであればやるつもりはないです。
明確なビジョンに合ったエンジニアの獲得に必要なプロセスをこれから設定して踏んでいく予定です。
加藤:ちなみに、企業がパブリック環境を使うとなると、それを使うためのメリットを企業に理解してもらう必要がありますが、そのようなものはどのように企業に伝えていきますか?
堀田:そこは非常に難しいところです。やはり先程のプライベート、パブリックというところにもなりますし、私たちのビジョンや見ているものとか、ユースケースを提示できれば良いのですが、そこまで私たちも魔法使いではないです。
ただ、1つの推しとしては5年後、10年後を見据えたときに、Orbsであれば、事業の規模とニーズに合わせて、プライベートでもパブリックでも調整可能ということです。
イーサリアムだと完全にはプライベートに持っていくことができないので、Orbsというプラットフォームであれば、先程のバーチャルチェーンを小さく使う、または大きく使うというのをやり方次第で両方できますよというのが1つの売りではあると思います。
加藤:企業に対して将来的な選択肢を与えやすいというのが、Orbsの売りのひとつなのですね。
もう1つ聞かせてください。企業はインフラの安定性の他に情報の機密性が保たれることを求めると思います。そうなると、企業は自分たちのトランザクションをパブリックに出すのは機密情報保護の観点から嫌がると考えられます。これについて、企業を説得していく上で何か策はありますか?
堀田:プライバシーに関していうと、パブリックブロックチェーンで解決する技術はまだないのだと思います。なので、今は在庫管理など一定のユースケースはHyperledgerのような方向にいってしまうのだと考えています。
ただ、将来的にパブリックチェーンの中でパーソナルキーが働く完全にクローズなものができるようになっていくはずで、今この時点でOrbsがそのような機能を持っているかといったら持っていないです。他の会社が持っているかといったら持っていないです。なので、ここはブロックチェーンの技術全体の問題だと思うのですけれども、必ずそういう世界が来ると思っていますね。
プライバシーに関しては、GDPRなど、イスラエルにいるとヨーロッパの市場が非常に近くて見えてきます。この前の3月6日にFacebookのマーク・ザッカーバーグが発表していましたけれども、プライベートのデータ保護がどんどんでてくると思うので、Orbsとしても取り組んでいかなければいけないですね。
ただ、今はパブリックのブロックチェーンでそれができている事例というのはないと思います。
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イーサリアムのスケーラビリティが解決された場合のOrbsの必要性はどこにあるのか?
加藤:Orbsは、今はイーサリアムの問題点の解決のミドルウェアとしての意味合いが大きいと感じます。イーサリアムがバージョンアップすると、飛躍的にスケーラビリティが拡大し、Orbsの意義がなくなる可能性があるのではないかと感じます。そうなった場合のOrbsの必要性はどこになるのでしょうか?
堀田:企業の視点でいうとバーチャルチェーンのように、A社がB社に影響を与えないというのがあります。
また、今のイーサリアムのGASみたいにいくらかかるかわかりませんが使ってくださいという仕組みじゃダメだと思っています。AWSに月いくら払いますという感じに、固定額であるかまたは予測しやすい、事業計画をたてて予算を取りやすいものがある必要があります。
なので、Orbsというところをミドルウェアとして使ってもらうことによって、私たちがイーサリアムとのつなぎをやっていて、データはすべてOrbsの方にあるので、イーサリアムに巨額のGASを払わなくてもOKになります。Orbsはイーサリアムを包んでいるので、企業はOrbsに対して固定の月額使用料を払ってもらうだけになります。そこは企業に対して大きなメリットだと思います。
加藤:たしかに、企業からすると利用料が変動するというのは許容し難いでしょうね。
堀田:無理ですよ。特に日本社会は。
これからの意気込み
加藤:最後に意気込みを教えてください。
堀田:設立からあたためてきた技術開発がやっと終わり、メインネットがリリースできました。これからは、ユースケースを増やしながら、このネットワークを拡充していきます。
特に日本の方々にお願いしたいと思うのは、このネットワークに参加してくださる方が増えれば増えるほど私たちにとっては強固なネットワークができあがります。なので、是非Orbsトークン保有者になって投票を経て参加して、同じビジョンを共有できる仲間が増えていくことが私たちにとってありがたいことです。
Orbsのビジョンを信じてくださる方がちょっとでも増えれば嬉しいですね。デリゲーターになっていただくとリワードももらえます(笑)是非参加していただきたいなと思います。
加藤:お忙しい中ありがとうございました!
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