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【インタビュー】プラチナエッグ 竹村氏(4/4)ーこれからどれくらいブロックチェーンゲームに取り組んで行くのか

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最近マイクリプトヒーローをはじめとして、だんだん世に名前が出つつあるブロックチェーンゲーム。その歴史はまだ2年も経っておらず、各社が試行錯誤しつつも業界の先駆者に名乗りを上げるべくしのぎを削っています。

今回は、国内のブロックチェーンゲーム開発では先駆者である株式会社プラチナエッグの代表、竹村也哉(たけむら なりや)氏にゲームメーカーとしてのブロックチェーンへの取り組みを伺いました。

インタビューは全4部構成になります。第4部では、クリプトダービーが他にない強みや、これからの取組みについて語っていただきます。

第3部がまだの方は、以下を先にお読みください。

第3部:クリプトダービーの紹介

プラチナエッグ代表 竹村氏

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様々な暗号通貨に柔軟なクリプトダービー

加藤:クリプトダービーでは、なぜ複数ブロックチェーン(暗号通貨)に対応させる方針をとっているのでしょうか?

竹村:最初はボルトというサイドチェーンを使おうとしていたのですが、色々あってそれを採用せずに自社でやることになりました。自社でサイドチェーンを作るというのは、実際のところはほぼデータベースでゲームを動かというのに限りなくイコールになっていて、そうなるとイーサリアム以外のものに対応するというのは、思ったよりコストが安いという事実が出てくるのです。

スマートコントラクトで全部ゲームのロジックを動かしていると、そこの部分から何から他のチェーンに持っていなかければいけないのですが、データベースで動いているのであれば持っていかなければいけないパートがあまりありません。なので、他社さんよりも持っていくコストが根本的に安い。安いのだったらやったほうがいいよねという判断ができるということですね。

加藤:データベースを活用する場合、イーサリアムのスケーラビリティ問題への対処でそうするケースが多いと聞きますが、結果的にそうやったら複数ブロックチェーンに対応できたということなのですね。

竹村:Loom Networkはわかりますか?ゲーム向けで作られていたサイドチェーンなのですが。これは去年にゲームが速くなるサイドチェーンとして流行っていました。これを採用してしまうとイーサリアム以外を使う場合に、Loom Networkがイーサリアム以外に対応していないと動かないわけです。ただ、結局彼らもイーサリアム以外でも動くようにしていくみたいです。

例えば、他社がLoom Networkを使ってしまうと、こちらが対応するまでもっていけないけれども、うちが自前でサイドチェーンやってしまったので、すぐできるということに途中で気がつきました。

加藤:技術的選定の試行錯誤の過程で、それができるということがわかったわけですね。

竹村:そうですね。あとはブロックチェーンゲームの本質というのが、いってしまえばユーザがお金を稼げるゲームだったらいいわけです。ユーザさんの目的や好みでいうと、ブロックチェーンを使ってほしいわけではなくて、お金が稼げればいいだけです。そうなってしまうと、イーサリアムに限定しているメリットがそんなにないです。

他に対応していないものだと、ビットコイン系を今つなごうとしていています。あと、ビットコインキャッシュもスマートコントラクト的なものが動くという触れ込みですね。でも、ビットコインキャッシュのゲームは出ていないですね。だったら、参入するメリットあるのではないかと思っています。

あと、正直イーサリアムに未来があるのかというと、ちょっとクエスチョンマークがあります。イーサリアムは、今はマーケットがあるけれども、技術的には他に負けているのではないかということを考えるとそうかも?ということじゃないですか。GAS代を考えても、IOSTのほうがユーザの利便性も高いし、トランザクション速度もEOSやTRONに負けてしまっているし、全部イーサリアムで作るよりは他に持っていける作りになっている方が将来的にいいのではないかなと考えています。

加藤:ちなみに、複数のブロックチェーンに対応させていることで何か実感できる効果があったということはありますか?

竹村:今はまだないです。ただ、色々やっていくことでここのチェーンで遊べるゲームのトップに入れるというのが狙えるはずだから、やっていくメリットは絶対あると思っています。

加藤:確かに、チェーンごとにゲームランキングありますし、そこにランクインはできそうですね。

イーサリアムの問題点はどう解決する?

加藤:ブロックチェーンゲームの多くはイーサリアムベースで行われています。クリプトダービーもベースはイーサリアムのようですが、現状何が問題になっていてそれをどのように解決しましたか?

竹村:やはりGAS代が高いですね。例えば、安い馬とか安いゲーム内アイテムは100-200円のほうがいいと思うのですよ。でも、GAS代が100円超えている場合にその価格に設定するのができないとか、イーサリアムだと根本的には難しいです。だから、問題になっているのがGAS代だけど、それはイーサリアムを使っている限りは根本的に解決しないのではないかと思います。

IOSTを褒めるわけではないですけれども、IOSTを使えばGAS代の話は全部解決して100円のアイテムを作れるはずなので、解決策でいうと他のチェーンを使うことになってしまいますね。

加藤:あとはできるだけデータベース使うということでしょうか?

竹村:そうですね。そこはオンチェーンでやらないですけれども、全部オンチェーンでやるのがそんなにいいかといわれると、ケースバイケースですかね。

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ブロックチェーンゲームは面白そうに見えない

加藤:ブロックチェーンゲームはまだ投機勢が幅を利かせているのか、Twitterを見ていても、楽しさがなかなか伝わってこないなと感じています。一般的にブロックチェーンゲームはつまらなさそうという意見は多く聞きます。なぜだと思いますか?そしてそれに対する解決策はあるのでしょうか?

竹村:まずは基本的にマーケットサイズが小さいから、開発費がかけられないことです。そこが大きい理由だと思います。

安くて少人数で面白いゲームというのも確かに作れるのですが、確率だけでいうとお金をかけている方が派手で面白そうで、実際にボリュームがあるゲームが当然作りやすいわけで、どうしてお金をかけられないかというとマーケットが小さいからです。

今のソーシャルゲームだと、大きいタイトルは数億円や十億円とかかっていて、コンシューマでごっついタイトルだと数十億円というタイトルがあります。ブロックチェーンゲームで十億円単位の売上が作れるのはみんな現実的に難しいと思っているので、開発コストを10億円は絶対かけてこないし、数千万円、できれば1千万円切ったくらいで様子見したいなというチームのほうが多いと思います。

ただ、1千万円を切ると作れるゲームの幅がだいぶ減ってしまいます。基本的には費用をかけられないからというのがベースにあります。そうはいっても、ちょっとずつマーケットがでかくなっていけば、そこが変わっていくのは時間の問題です。

加藤:根本的な解決策はあまりなくて、マーケットサイズがでかくさえなれば、開発費をけられるようになって面白そうに見えるゲームが作れるということなのですね。

竹村:ソーシャルゲームやガラゲーの初期のゲームと一緒で、最初はしょぼいのだけれども、お金が儲けられるとなった瞬間にある程度会社がガーと入ってきて、予算もついていくといった感じですね。

加藤:確かにソーシャルゲームの歴史を見返すとそうですね。最初は、なんであんなガラケーのしょぼいゲームにみんな群がるのだろうと思っていましたが、今では演出も豪華なゲームになっていますね。いわれてみれば現実的にそうなのでしょうね。

竹村:ゲームデザインやゲームの内容的につまらないのは、お金が儲かる以外に何もないというところなのでしょうけれども、開発費が少ないからということの方がでかいと思います。

加藤:ここはマーケットが拡大していくことを待つのみですね。

これからどれだけブロックチェーンゲームに取り組んでいくのか?

加藤:これからプラチナエッグはどれくらいブロックチェーンゲームに取り組んで行くのでしょうか?既存のソーシャルゲームの比率は狭めていくのでしょうか?

竹村:基本は、ほぼブロックチェーンに寄せていこうと思っています。

加藤:ほぼブロックチェーンゲームに寄せていくのですね!それはなぜですか?

竹村:去年のマーケットが小さい中で無理してやっていたのは、本当に伸びてくる分野なので、先行で参入している方がいいよねという理由になります。このあとは、先行参入のメリットが増えてくる時期なはずだから、むしろ特化してやるくらいでもいいのではないのかというフェーズなはずです。

いまだったら、ブロックチェーンゲームの開発経験がある会社というのは国内がほぼないわけです。世界で見てもあまりないし。あとはマルチチェーンでやっている会社というのも世界で見てもないし、こういうのができますか?という話も色々きます。

あとは、同時に今までのソーシャルゲームの市場が厳しくなっているというのがあって、あちらがあまり儲からなくなってきているのとセットで、ブロックチェーンゲームに特化していく方にどんどん行こうかなと思っています。

加藤:マーケットの変化と先行者メリットを取りに行くという、色々なタイミングが重なっているのが背景なのですね。

ゲームを遊ぶ人に伝えたいこと

加藤:プレイヤーさんに伝えたいことを、意気込みと合わせてお願いします。

竹村:ブロックチェーンゲームがユーザを含めて色々やった人にインセンティブとして還元できるものだと思っているので、色々応援してもらえるとお互いにハッピーになれるはずだと思っています。これからも宜しくお願いします!

加藤:興味深いトピックが多かったインタビューでした。ありがとうございました!

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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