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【インタビュー】プラチナエッグ 竹村氏(3/4)ークリプトダービーの紹介

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最近マイクリプトヒーローをはじめとして、だんだん世に名前が出つつあるブロックチェーンゲーム。その歴史はまだ2年も経っておらず、各社が試行錯誤しつつも業界の先駆者に名乗りを上げるべくしのぎを削っています。

今回は、国内のブロックチェーンゲーム開発では先駆者である株式会社プラチナエッグの代表、竹村也哉(たけむら なりや)氏にゲームメーカーとしてのブロックチェーンへの取り組みを伺いました。

インタビューは全4部構成になります。第3部では、竹村氏らが作っているクリプトダービーについて、実際に作ってみて大変だった点にも言及していただきました。

第2部がまだの方は、以下を先にお読みください。

第2部:ゲーム制作者の視点でみたブロックチェーンゲームとは

プラチナエッグ代表 竹村氏

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クリプトダービーの紹介

加藤:竹村さんの会社で作っているクリプトダービーについて紹介をお願いします。

竹村:クリプトダービーは、ブロックチェーンを使った競馬ゲームです。

今までプレイステーションなどで色々な競馬ゲームがあったと思うのですが、それをブロックチェーンに持ってきて、色々な方法でユーザ間の取引をすることができます。法律的な説明が微妙になるのですが、要はお金が稼げるゲームと言うと法律的に抵触してしまう部分があって、結局はお金が稼げるゲームを作ろうとしているということになります。

クリプトダービーでは、ブロックチェーンを使って新しい競馬のゲームを作っています。ゲーム内経済をいろいろ回すことによって、今までの競馬の馬を育成する育成ゲームのような楽しみではなくて、資産形成のような楽しみがつくれるはずだというのと、ゲーム内経済をもっとたくさん回すことによって、馬券とか競馬場とか、今までの競馬ゲームになったものが作れるはずだと思って作っています。

加藤:クリプトダービーのサイトを見ると「○○で稼げ」というフレーズが目立つなという印象があるのですが、このようにマーケティングしている意図というのはどのようなところにあるのでしょうか?

レースで稼げ アソビで稼げ

 

竹村:先程の話でいうと、ブロックチェーンゲームに来る人は、お金を稼げると思ってきていて、それ以外の人がほぼきていないからですね。

いくつかブロックチェーンのゲームはあるのですが、胡散臭いと思ってユーザがこないんですよ。これは仮想通貨、ブロックチェーンと書いてある時点で拒否反応を示してもう見ないという人が一定数以上いるからです。だから、競馬のゲームじゃなくても、カードゲームでもなんでも、ゲームが面白いという話だと人がこないんですよ。そうなってしまうと、アプローチできる方法が稼げるという、現状はそういうアプローチしかないと思っています。

加藤:消去法的ですが、今のところは稼げるというところにフォーカスせざるを得ないところがあるのですね。

竹村:本当は面白いとか、新基軸といいたいのですけれども、それだと多分人がこないですね。

加藤:それはまたジレンマですね。

竹村:それは仮想通貨が胡散臭いと思われなくなるか、例えばブロックチェーンという言葉ではなくて、DAppsゲームとか、一般の人が知らない何かの単語にして、拒否反応がないところに先にもっていくことをしないと変わっていかないのかなと思います。

加藤:イメージ転換だとまだまだ先の話になりそうですね。ここ1年は仮想通貨に関してはネガティブニュースが多すぎましたからね。マスコミがネガティブなものを取り上げやすいから、そういうものがどうしても目立ってしまうということがあるのでしょうね。

竹村:本質的に、仮想通貨やブロックチェーンは詐欺がしやすいと思うんですよ。

今は詐欺師がきやすいから、これからも詐欺があるのだろうし、おそらくですがインターネット黎明期に「インターネットで〇〇できます」という詐欺は絶対あったはずだし、もう少しこなれてきてブロックチェーンって普通になったよねといわれるくらいにいかないと無理なのかなと。

加藤:本当に、それは何年後になるのでしょうね。

竹村:電子マネーだと思えば、そんなに変わらないはずなのに。

加藤:単にデータ記録方式や管理体の違いだけなのですけどね。竹村さんの心の叫びみたいなのを感じます。

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技術的に大変だったこと

加藤:クリプトダービーはブロックチェーンゲームにおいては先駆者ですが、新しいからこそ苦労した点があったかと思います。実際に開発で技術的に大変だったところはありますか?

竹村:まずは技術選定です。当時はほぼイーサリアムしか選択肢がなかったので、イーサリアムを選んで調査していたのが1つと、あとは先行事例がほぼないので、どうやればいいのかわかりませんでした。

あとは、フロント側ですね。今回はWebで3Dでというのをやっているのですが、作った当初は2018年の後半で、どうあがいても夏以降にしか出せないから、夏以降に出すなら3Dじゃないと他に太刀打ちできないかなと思って3Dを選びました。それも何を使えばいいのかといところに色々悩んだりしていました。

加藤:先行事例がない中で意思決定をするというのはなかなか大変だったと思うのですが、最終的には何がそれを後押ししたのでしょうか?

竹村:やることは決めていたから、選択肢があまりなかったというのがそもそもです。

仮想通貨で2018年の前半でスマートコントラクトが動いていたのはイーサリアムくらいで、NEMがあったけれども、そもそもNEMを使ってマーケットあるのかといったらないので、仮想通貨はイーサリアムの一択でした。

あとは、サイドチェーンはどうしようかという話がでていて、最終的に自分たちでやることになりました。フロントの選択肢が3つくらいあり、これでいくかというのを1ヶ月ほどで決めました。

やることが決まっていたら、あとは決めの問題でしかないですからね。

開発してみて意外だったこと

加藤:クリプトダービーを開発してみて、これは良かった、意外だというところはありますか?

竹村:やれることはやはり多いはずだと感じました。

最初はゲームでアイテムが取引できるくらいだろうと思っていたけれども、ゲーム全体のエコシステムを改変するものが作れそうだとか、ユーザにインセンティブを与えてユーザ主導でゲームを回すとかいろんな可能性があるのだなということに気がついてきました。

悪いところでいうと、思ったほどは市場が速く進まなかったなというところと、2017年の末でガクッと市場が冷え込んだところですね。

加藤:やれることが多いというのは、いい感じですね。プレイヤーにとってはもっと面白いゲームで遊べる可能性が増えるということですね。

竹村:いま作ろうとしている別プロジェクトがあるのですが、そちらはもう少しゲームのシステムとゲーム内の相場を組み合わさったものにしたくて、それがうまく形になれば結構面白いことになるかなと。ブロックチェーンらしいものができると思っています。

法律対応はどうだったのか?

加藤:ブロックチェーンゲームはその性格から、対応すべき法律が多いように感じます。クリプトダービーでは、実際のところどうだったのでしょうか?どのような対応が大変でしたか?

竹村:とにかく最初が大変でした。そもそもゲームを作っていて法律を気にすることが普段は多くないので、まず弁護士にきかなければいけないとか、こうやるとまずいというのを最初に話したときが一番大変でした。

例えば、オフラインで何か作った場合とオンラインでデジタルになっている場合に適用される法律が違うとか。例えば、遊戯王カードがあって、紙の場合とデジタル遊戯王カードが取引できる場合に適用される法律が違います。紙だと古物商の法律になって、デジタルだとデジタル古物商の法律が存在するわけではないです。リアルと適用する法律が違っています。

あと、賭博罪の適用範囲がどこまであって、どうやるとやばいのかなど、とにかく大変でしたね。

加藤:そのプロセスは弁護士泣かせな感じがしますね。

竹村:そうですね。弁護士ごとに言うことがちょっとずつ違うのです。やはり法律がないので、仮想通貨黎明期と同じで、仮想通貨ができる前ってそもそも法律的にはどうなんだという感じでやっていたと思うのですが、今はゲームがそんな感じでしたね。

加藤:それは大変でしたね。

竹村:実は経産省の人にも聞きに行きました。金融庁は何をいうかはだいたいわかるけれども、経産省的にはぶっちゃけどうなの?みたいなことを聞きました。経産省は経済が発展すればいいので、どちらかといえばプッシュする側になります。金融庁は取り締まる側になると。

ただ、法律が決まるまでとか規制のサンドボックスを使う選択肢もあるといわれたのですが、でもそれやると半年くらいかかるといわれて、半年待っているとどこかの国で始められて先にやられたら負けてしまうという話もしました。

結局、先にやるしかないイコール法律とか細かいのを待つという選択肢を取らないから、ちょっと問題があってもまずはやってみるという選択肢しかとれないんですよね。

加藤:それは辛い!確かに、競争を考えると現実的に半年待つという選択肢はありませんね。

竹村:今やっている人たちはみんなそうですよね。

加藤:結局、規制のサンドボックスもあまり知られてないですしね。

竹村:半年待っているといことは、今は4月だから、半年後だと10月ですからね。

加藤:この業界の半年はめちゃくちゃ長いですからね。私も業界デビューして10ヶ月程度ですが、長いなと感じます。

竹村:待ちようがないです。

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第4部の予告

第3部では、竹村氏らが作っているクリプトダービーについて、実際に作ってみて大変だった点を伺っていきました。

第4部では、クリプトダービーが他にない強みや、これからの取組みについて語っていただきます。

第4部:これからどれくらいブロックチェーンゲームに取り組んで行くのか

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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