ブロックチェーンでは透明性が良しとされている風潮がある反面、プライバシー侵害の可能性をはらんでいます。そのため、スマートコントラクトのトランザクションを匿名で実施できるプロジェクトの競争が激化しています。
SEROは、世界で初めて匿名スマートコントラクトを実現し、プロジェクトはSEROブロックチェーン上で独自のプライバシーコインを発行することができます。
当メディアでは、SEROのChief Global Strategic Officer兼SERO財団のDirectorであるTony Tang氏にインタビューしました。
インタビューは前後編に分かれています。前編では、プロジェクト設立経緯やSEROの技術について訊いていきます。
SERO: Tony Tang氏インタビュー 前編
プロジェクトの設立経緯
加藤:プロジェクト設立の経緯を教えていただけますか。
Tony:SEROのプロジェクトを立ち上げる前、我々はパブロックチェーン領域の分類にかなり多くの時間を割いてきました。
そこで、我々が至った結論は、ビットコイン以外のアセットトークンは経済的やビジネス的に意味がありそうにないということでした。そして、既に出回っているユーティリティトークンは、実際のビジネス利用で有用であると言えるものではありませんでした。
実際に、Ethereumは根本的なブレークスルーがなく、ネットワークが扱いにくいものになっています。また、2017年より前に多くの疑わしいアセットが発行され、トークンが過大評価されていました。
我々チームでは、多くの検討と技術的な実現可能性の議論を重ねた結果、現在のSEROに組み込まれているシステム内容を設計することになりました。我々の設計では、実験的なものとは対照的に、ビジネスへの適用にあたり、実際に存在している問題に対処することを目標としています。
SEROの紹介
加藤:SEROについて紹介いただけますか。機能や解決できる問題について教えてください。
Tony:SEROプロジェクトの特徴は、大まかに以下の通りとなります。
- 現状で最速のゼロ知識証明が実装されている。
- チューリング完全のスマートコントラクトに対応している。
- 均質ではないアセットの発行に対応している。例:トークン、チケット、パッケージ
これらの特徴を備えることにより、SEROは以下の課題に答えようとしています。
1)プライバシー保護がなければDeFi(分散型金融)の意味はありません。SEROは、当事者の許可を得ることで、第三者が監査できるプロトコルを創りました。つまり、SEROの仕組みにより、開発者は強力なプライバシー保護を得つつ、規制に対応できるDAppsを構築することができます。
2)単に匿名性がトークンのトランザクションレベルのみで発生する場合、システムは意味のある実世界への適用に対応できているとは言えません。 SEROは、Ethereumベースの構造を徹底的に再設計し、非常に効率的なチューリング完全なVMを提供し、プライバシー保護された環境で動作するスマートコントラクトを実現しました。
3)実際のビジネスに関するデータは、複雑で、一般的なトークンで記述したり抽象化することは非常に困難です。SEROでは、このような複雑さを捉え、任意の形で複雑な物理資産を効果的にデジタル領域にマッピングできるようにします。
SERO独自のゼロ知識証明技術「Super-ZK」とは
加藤:ZcashやMoneroなど、プライバシー保護を行うブロックチェーンの課題は匿名化のために処理が重いことです。SEROではこのような課題をSuper-ZKで克服しているとのことですが、Super-ZKについて簡単に紹介いただけますか。
Tony:まず、DASHやMoneroはゼロ知識証明のカテゴリに属さないことを知っておくことが重要です。それぞれ、トークンのミキシングとリング署名技術を使用することで、匿名性を確保するものになります。
一方で、Zcashは本物のzk-SNARKコンセンサスを実装していますが、時間がかかるトランザクションに悩まされています。そのため、多くのユーザーはそれに我慢できず、匿名という選択肢を避けてしまいます。
SEROのオリジナル設計は、SHA256に代わり、キー生成にTwisted Edward曲線の特別な形式を採用しており、マークルツリー生成にECCハッシュを使用します。これらの技術的処理により、トランザクション速度が4倍に向上します。
サーキット設計では、SEROはシンギュラーIO構造を採用しており、各記述は資産トンネルで接続されています。このような設計により、マルチCPU環境を最大限に活用できるため、パフォーマンスが3倍に向上します。
また、Suker-ZKのいくつかの主要コードはアセンブリ言語で記述しているため、実行効率が向上します。
これらの革新な技術がSEROの基本構造に組み込まれ、これまでにない速度と柔軟性をもたらしました。
SEROのその他優れた技術
加藤:SEROの技術について、ここまでにまだ述べていない、特筆すべきものがあれば紹介いただけますか。
Tony:他にも注目すべき点がいくつかあります。
1)SEROは、世界唯一にして最大のProgPoWマイニングネットワークになります。FPGAやASICマイニングマシンの優位性を排除し、GPUマイニングが最も適しています。SEROは、元のProgPoWアルゴリズムのバグの一部を修正し、ブロックチェーン社会に重要な技術的貢献をしました。
2)SEROのベースレイヤーでは、UXTO+アカウントアーキテクチャの混合モデルを採用しています。UXTOの部分には匿名アルゴリズムを採用しています。一方でアカウントシステムの論理出力は、様々な状態を処理するチューリング完全な仮想マシンの実装に役に立ちます。
3)SEROはPoW + PoSマイニングモデルを採用してネットワークセキュリティを大幅に強化し、ハードフォークのコストを非常に高くし、簡単にハードフォークされないようにしています。
SEROが向いている応用分野
加藤:SEROは、プライバシー保護によりブロックチェーンの適用領域を広げていくと感じます。特に、SEROが適している分野はありますか?また、この時点で何かSEROを使ったアプリケーションを開発する動きはありますか?
Tony:SEROが向いている分野で述べると、サプライチェーン管理、金融、データ管理、匿名決済、データ資産管理、デジタルABSになります。SEROでは2月29日の半減期を経た後に、DAppsとDeFiのチームを編成しました。今後6-9ヶ月以内に、各チームから重要なアプリケーションを提供する見込みです。
開発ロードマップ
加藤:ロードマップについてお聞きします。これからどのような開発を予定していますか?
Tony:まず、我々はDApps開発者がアプリケーションを制御や管理をするための定量的ツールを開発したいと考えています。
続いて、我々はDAppsスマートコントラクトに担保されたSEROトークンを作成します。これは、PoSマイニングに参加するためのもので、SEROトークンのユーティリティとしての特徴を際立たせるものになります。
最後に、従来の金融機関と協力して、アプリケーション開発会社の資金調達を完了させます。そして、すぐに商用グレードのDApps分野に参入していきます。
後編の告知
前編では、プロジェクト設立経緯やSEROの技術について訊いていきました。
続く後編では、投資家から見た場合のSEROトークンや今後のマーケティング戦略についてご紹介します。
▼後編はこちら
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