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非中央型保管で即送金・ゼロ手数料のウォレット「Mixin Messenger」

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世の中には、あまり知られていないものの、驚くほど画期的な製品が存在しています。

暗号資産分野において、DAGチェーン上に暗号資産を保管(カストディ)できるMixin Messengerは、それに該当する製品といえます。この記事では、Mixin Messengerの何が画期的かを、技術面を含めながら紹介していきます。

Mixin Messenger 概要

暗号資産ウォレットの資産の保管方法は、中央型か非中央型に分かれます。

中央型では、暗号資産を送金するための秘密鍵を自分で管理する必要がなく、万が一ウォレットへのアクセス方法を失ったとしても、自分で復旧されることができます。そのため、ITリテラシーが高くない利用者にとっては良い選択肢となる反面、暗号資産の保管そのものを他人任せにしているため、管理者の不正やハッキングにより資産を失ってしまうリスクがあります。

一方で、非中央型では暗号資産を送金するための秘密鍵を自分で管理します。管理方法は、パスフレーズやペーパーウォレットなど、アナログな管理方法になります。これらを失わないようにするためには、厳重な保管が求められ、さらに資産を誤操作で失わないようにするためにはそれなりのITリテラシーが求められます。非中央型は、中央型より暗号資産の流出リスクを大きく低減できる分、万が一資産を失ったとしてもすべてが自己責任になります。

いずれの保管方法を選ぶにしても、トレードオフになり、どこか大事な部分を切り捨てることになります。

Mixin Messengerでは、従来に代わる新たな資産の管理方式としてMixin Network解説記事)と呼ばれるDAGチェーンを採用し、従来の管理方式に存在しているトレードオフな要素を排除することができます。

特筆すべき点として、暗号資産を意識させない作りになっています。Mixin Messengerの利用者間であれば、単にLINEで写真を送るような感覚で暗号資産を相手に送金することができます。また、多くの種類の暗号資産に対応し、即時に、しかも手数料ゼロで送金をすることができます。

Mixin Messengerの特徴

多くの種類の暗号資産に対応

Mixin Messengerでは、多くの暗号資産に対応しています。厳密には、Mixin Messengerのベースネットワークとして使われているMixin Networkが多くの暗号資産の保管に対応しているということを意味します。

2023年6月4日時点で、Mixin Networkが対応しているブロックチェーンは46になり、2,912種類の資産がネットワーク上で流通しています。実際に、いまこの瞬間にMixin Network上でどのような資産の送金が行われているかは、以下のエクスプローラ上から確認することができます。

Mixin - Secure Digital Assets and Messages on Mixin
Mixin Network is a free and lightning fast peer-to-peer transactional network for digital assets. Launched in 2017, the network is now securing more than B BT...

すべての送金が匿名で行われる

Mixin Messengerを介して行われる送金は、すべてが匿名で行われ、送金のプライバシーが保たれます。例えば、利用者間でBTCを送った場合でも、その事実が第三者に知られずに済みます。

送金の詳細は当事者のみが確認することができ、エクスプローラ上に表示される取引履歴は「いつ、いくらの送金が行われたか」という事実のみに限定されます。これには、個人が特定できる情報は一切含まれていません。

PIN番号さえ覚えておけば安全な資産保管ができる

Mixin Messengerでは、DAGチェーンのMixin Networkを使い資産を保管します。そのため、従来のコールドウォレットと比べて、資産保管の仕組みが根本的に異なります。利用者が覚えておくべき唯一のものは、6桁のPINになります。

一般的に、PINを入力して決済する仕組みは、中央型の資産保管の方式で採用されるものですが、Mixin Networkではこれを非中央型の仕組みで実現しています。

ここから少し技術的な話になるので、技術に苦手意識がある方は読み飛ばしても構いません。

一見安全ではないように見えるPINを採用する仕組みは、TIP (Throttled Identity Protocol) と呼ばれ、マルチシグネチャを採用した分散型技術になります。

マルチシグネチャの当事者は、PINを知る利用者(U)、認証コード(SMS/メール)を送信するアカウントマネージャー(M)、分散型署名者ネットワーク(L:Mixin Networkのサイドチェーン)で構成されます。最終的に、Lがマルチシグネチャの秘密鍵を作成します。

そして、Lによる秘密鍵の生成には、ノード上の信頼できる計算領域であるTEE(Trusted Execution Enviorment)が利用されます。TEEは、外部からはアクセスできないため、秘密鍵を第三者が盗むことができず安全性が確保されます。

ウォレット利用者同士で即送金・手数料ゼロ

Mixin Messengerでは、ウォレット上の資金はすべてDAGチェーンのMixin Network上で決済されます。DAGチェーン上で決済された結果が、最終的にビットコインやイーサリアムのブロックチェーンと同期されるようになっています。

DAGは、仕組み上手数料が必要ありません。そのため、Mixin Networkが関与するMixin Messenger同士の決済は、手数料を徴収されることなく実行されることになります。そのため、Mixin Messengerではマイクロペイメントを実現することができます。例えば、0.00000001 BTC(2023年6月4日時点で、0.038円)を送金するときに、500円程度の手数料がかかっていたものが、必要なくなります。

また、DAGはブロックチェーンはブロック確定まで待つ必要がないため、送金操作と同時に決済が完了します。

メッセンジャーで暗号化メッセージングができる

Mixin Messengerでは、その名の通り利用者同士でメッセージを送り合うことができます。メッセージは暗号化された状態で送受信されるため、中間経路で検閲されることはありません。メッセージは、スマートフォンの他にPCやMacでも閲覧することができます。

アプリを追加することができる

Mixin Messengerでは、メッセンジャー上にボットと呼ばれるアプリを追加することができます。アプリの追加は、ボットIDを検索またはQRコードをスキャンなどを介して行います。アプリはMixin Networkのエコシステムのページから見つけることができます。

例えば「4swap」(ボットID:7000103537)は、Mixin MessengerにUniswapのようなDEXの機能を組み込むことができます。わざわざ暗号資産をブロックチェーン上に出さなくても、異なるチェーン同士の暗号資産を交換することができ、しかも手数料が非常に低く抑えられています。もちろん、流動性を提供して、そこから手数料を得ることもできます。

Mixin Messengerの4swap

Mixin Messengerの操作画面

初期設定

Mixin Messengerの初期設定で行う最初の手順は、SMSで電話番号とウォレットを紐付けることです。この操作は非常に簡単で、電話番号を入力してSMSに書かれている4桁の数字を入力するだけです(画像左・中央)。

SMS認証後、メッセンジャーに表示する名前を入力します(画像右)。

Mixin Messenger の初期設定1

続いて、6桁のPINを入力します。このPINを忘れてしまうと二度と資産を復元できなくなるため、4回もの確認入力が求められます。PIN入力が終われば、すぐにMixin Messengerが利用できるようになります。

Mixin Messenger の初期設定2

通常の操作

初期設定が終わると、あとは使うだけになります

Mixin Messengerは、ウォレットとメッセンジャーというシンプルな機能で構成されているため、操作で迷うことはない作りになっています。ウォレットは、各国の通貨単位の表示に対応しています(画像左)。

メッセンジャーは、一般的な機能が一通り揃っており、プラスアルファで利用者同士で送受金することができます(画像中央・右)。送金手数料はゼロで、即時送金されます。

Mixin Messenger の通常画面1

それぞれの送受金で、トランザクションの見え方が異なってきます。

Mixin Network外からの着金した場合、Team Mixinのアカウントから着金が通知されます。ETHを着金させた場合、画像左のようにMixin NetworkのトランザクションIDとイーサリアム上のトランザクションIDが表示されます。

画像中央・右のように、Mixin Messenger の利用者同士で送受金を行うと、ETHの送受金でもイーサリアムのアドレスやトランザクションIDは発行されず、Mixin Netowork のトランザクションIDのみが表示されるようになります。

Mixin Messenger の通常画面2

Mixin Messengerに関する情報

公式情報

当サイトによる記事

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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