プロジェクト解説

TomoChain上のステーブルコイン発行プラットフォームTomo Financeの解説と使い方

プロジェクト解説

今やDeFiにおいて完全に欠かせないパーツであるステーブルコインは、各プラットフォームに必ず発行されるに至りました。Tomo Financeは、TomoChain上でステーブルコインを発行します。

Tomo Financeの概要

Tomo Finance logo

Tomo Finance(トモファイナンス)は、2021年4月26日から稼働を開始したTomoChain(トモチェーン、概要は後述)上でステーブルコインを自律分散的に発行するためのプラットフォームです。イーサリアムのDAIのアイデアをもとに作られ、TomoChain上のネイティブアセットであるTOMOトークンを過剰担保に入れることでTAIを発行します。また、2021年第3四半期以降で、TOMOトークン以外の担保にも対応します。

Tomo Financeで使われるブロックチェーン、TomoChainは、EVM互換の高速なブロックチェーンです。EVM互換のチェーンとしては老舗であり、そのメインネットは2018年12月から稼働しています。TomoChainは、もともとイーサリアムのスケーラビリティの解決を目指して作られていた背景もあり、ブリッジ機能を使ってイーサリアム上の資産をTomoChainに移行することが容易になっています。

TAIを利用することで、TomoChainネイティブで発行された資産や、イーサリアムからブリッジされた資産を安定したレートで売買することができるようになります。また、TomoChain上の資産を利益確定したくない場合、それらを担保に入れて得られたTAIをDeFiで運用することにより、さらなる収益を上げることも可能になります。例えば、AMM DEXのLuaSwapでは、既にTAIの流動性が提供されており取引が可能になっています。

ステーブルコインはDeFiに欠かせない要素であり、TAIはTomoChainネイティブで発行できるステーブルコインであることから、これからのTomoChainのDeFi経済圏拡大を担うことが期待されています。

TomoChainについて

TomoChain logo

Tomo Financeを理解する上で、TomoChainについてご紹介します。

TomoChainは、Long Vuongにより2016年に設立されたパブリックブロックチェーンです。早期からイーサリアムのスケーラビリティの問題に着手し、2018年12月14日にメインネットが稼働開始しました。コンセンサスアルゴリズムにPoSV(PoS Voting)を採用し、トランザクション速度は2,000 TPS、トランザクション手数料がイーサリアムの18,000分の1と、驚異的なパフォーマンスを確保しています。

TomoChainでは、ネイティブトークンとしてTOMOを利用します。一般的なブロックチェーンでは、トークンの送信で必ずネイティブトークンが必要になりますが、TomoChainではトークンのみで手数料を払うことができます。これにより、GASによるUXの悪さを解消することができます。この他、TomoP機能によりトークンの匿名トランザクションが実現できるため、プライバシーを保護した送金が可能になります。

また、TomoChainでは、イーサリアム及びイーサリアム互換の資産のブリッジをTomoBridgeで実現しています。資産のブリッジとは、片方のブロックチェーンにある資産を、もう片方のブロックチェーンで使えるようにする仕組みを指します。TomoBridgeによるブリッジは、現在以下に対応しています。

  • TomoChain上の「TOMO」<> Ethereum上の「TOMOE (ERC-20)」
  • TomoChain上の「TOMO」<> Binance Chain上の「TOBOB(BEP-2)」
  • Ethereum上の「LUA & TOMOE (ERC-20)」<> Solana上の「Wrapped LUA & TOMO (SPL)」
  • 様々なチェーン上のトークン <> TomoChain上のTRC-21トークン

このように、TomoChainではイーサリアム上の資産を容易にやり取りすることができ、それらを高速かつ多機能なチェーン上で扱うことができるようになります。

Tomo Financeの詳細

Tomo Financeの仕組み

TAIの発行と担保の引き出し

Tomo Financeは、TomoChain上でステーブルコインを自律分型の仕組みで発行数することができる仕組みです。つまり、USDTやUSDCのように、発行体そのものによるリスクや、発行体を取り巻く規制のリスクを避けることができるということを意味します。

Tomo Financeでは、TomoChain上の暗号資産を担保にステーブルコインのTAIを発行することができます。2021年5月現在、Tomo Financeの担保に利用できる暗号資産はTOMOのみになり、2021年第3四半期以降にTOMO以外の担保にも対応する予定になっています。

TAIを発行する際、ユーザーはTOMOを過剰担保という形で、Tomo FinanceのCDPコントラクトに預け入れます。過剰担保にする理由は、TOMOは価格変動する暗号資産だからです。例えば、100ドル分のTAIを発行したい場合、150ドル分のTOMOを担保に入れます。

TOMOを担保に入れると、CDP(Collateralized Debt Positions、担保付き債務ポジション)が作成され、TAIが発行されます。また、担保のTOMOはCDPコントラクトを通じて、30%が保証金に割り当てられ、70%がTomoChainのマスターノードへの投票に回されます。投票報酬は、最終的にTFIトークン(後述)をステーキングした人に配当されます。

ユーザーは、TAIと利息を返済することで、最終的に担保に入れたTOMOを引き出すことができます。実際にTOMOを引き出せるのは、引出リクエストをしてから48時間後になります。これは、マスターノードの投票解除が48時間かかるためです。さらに、ユーザーは支払った利息(年間8-10%)の50%に相当する額のTFIトークンを得ることができるようになります。TFIトークンについては、後述をご覧ください。

担保の価格が暴落した場合の清算

TOMOは価格変動する暗号資産であるため、担保として必ずしも安定しているとは言えません。そのため、Tomo Financeでは、発行したTAIに対するTOMOの担保比率が110%以下になると、担保に入れたTOMOが自動的に清算されるようになっています。例えば、100ドル分のTAIを発行して、発行当時に150ドルのTOMOを担保として入れている場合、担保が110ドルを下回った時点で清算が実行されます。

清算が発生すると、CDPコントラクトがマスターノードの投票に使用しているTOMOの回収を試みます。その後、48時間後にTOMOを回収し、市場やスワップを通じてTOMOを売却してTAIを確保し、確保したTAIをバーンします。

清算を回避するには担保比率を上げる必要があります。CDPに対してTAIを返済するか、CDPに対して担保のTOMOを追加することで、担保比率を上げることができます。

TFIトークン

TFIは、TomoChain上で発行されるTRC-21トークンになります。Tomo FinanceのユーザーがTAIを返済するたびに、支払った利息(8-10%)に対する50%相当がTFIとして付与されます。

TFIをステーキングすることにより、ユーザーはTomoChainのマスターノードからのTOMOのPoSV報酬の一部を獲得することができます。

TFIトークンを保有しているユーザーは、Tomo Financeプロトコルのガバナンスに参加することができます。ガバナンスへの起案はTFI保有に関係ありませんが、投票できる権利を持っているのがTFI保有者になります。

TFIのトークン配布は、以下の通りになります。TFIに関しては、バーンはありません。

  • 24%:Tomo Financeのシェアホルダー
  • 26%:Tomo FinanceのプロジェクトのCEOと役員メンバー(3年ロックアップ)
  • 42.5%:Tomo Finance利用者に対する配布
  • 7.5%:エアドロップ

Tomo Financeを利用する

ウォレットの準備

Tomo Financeを利用するには、TomoChainウォレットのPantograph(PC)及びWalletConnectに対応しています。WalletConnectは、現在KEYRING PRO(PC/モバイル)が対応しており、MetaMaskが近日対応を予定しています。また、TomoChainの公式ウォレットTomoWalletからのリダイレクトにも今後対応する予定になっています。

MetaMaskなどの一部のウォレットは、TomoChainの設定を追加する必要があります。Chainlistにアクセスしてウォレットと接続し、「TomoChain」から「Add To <ウォレット名>」をクリックすることで、TomoChainの設定を追加することができます。

Tomo Finance ウォレットの準備

TOMOを担保にTAIを発行する

TAIの発行は、TOMOを担保にしてCDP(担保付き債務ポジション)を作成するところから始まります。この手順では、CDPを生成してTAIを発行します。

Tomo FinanceのAPPページアクセスします。ウォレットに接続後「OPEN CDP」をクリックして、CDPの管理画面を表示します。

Tomo Finance CDPの作成1

以下の値を入力します。少しの値動きで清算が発生しないようにするために、担保比率が130%以上になるように調整します。例えば、100米ドル分のTAIを発行する場合、TOMOの総額が130ドル以上になるようにします。

  • How much TOMO would you like to collateralize?:担保に入れるTOMOの数量を入力します。数量は最低200以上である必要があります。
  • How much TAI would you like to generate?:発行したいTAIの数量を入力します。

「COLLATERALIZE & GENERATE TAI」をクリックして続行します。

Tomo Finance CDPの作成2

利用規約に同意して「FINALIZE AND CREATE CDP」をクリックします。ウォレット側で「Confirm」をクリックして完了させます。

Tomo Finance CDPの作成3

担保を追加する

担保の追加は、担保比率を引き上げる場合に行います。例えば、TOMOの値下がりにより担保比率が110%以下になり、担保が清算される懸念がある場合があげられます。

CDPの管理画面にアクセスし、「DEPOST」をクリックします。その後、新しい生産価格と担保比率が表示されます。

TOMOをCDPに追加

TAIを返済する

TAIの返済は、担保に入れたTOMOを取り出す場合や、担保比率を引き上げるために行います。TAIの返済は、全額または一部のみを行うことができます。

CDPの管理画面にアクセスし、「PAYBACK」をクリックします。

TAIの返済1

返済額には、TAIの金利が含まれます。返済するTAIの数量を入力するか、「MAX」をクリックして全額返済を指定します。その後、「PAYBACK」をクリックして続行します。

TAIの返済2

担保のTOMOを引き出す

TOMOの引き出しは、TAI返済後に行うことができます。

CDPの管理画面から「REQUEST WITHDRAWAL」をクリックします。

TOMOの引き出し1

引き出すTOMOの数量を入力するか、「MAX」をクリックして全額引出を指定します。その後、「REQUEST」をクリックして続行します。

TOMOの引き出し2

48時間後にTOMOが引き出せるようになります。

TOMOの引き出し3

Tomo Financeに関する情報

 

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
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