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クロスチェーンDEX「HDEX」の解説

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現在様々なクロスチェーンDEXが開発されていますが、その多くが事前に資産をブリッジしておくなど、ユーザーにとっては一度面倒な手順を踏まなければいけないものになっています。HDEXは、独自チェーンのBluehelixで動作することにより、この面倒な手順を踏むことなく、様々な資産をDEX上で扱うことに成功しました。

HDEXを知る上でBluehelixの理解が必要になるため、本記事ではBluehelixの解説から入っていきます。

Bluehelixの概要

Bluehelix Chainの分散型カストディ

Bluehelixは、BHEX取引所の運営を行うBluhelix社が開発したパブリックブロックチェーンです。Bluehelixは、2021年7月9日にメインネットをローンチし、最初のユースケースとなるHDEXをリリースしました。

Bluehelixは、取引所によるブロックチェーンではあるものの、Binance Smart Chain(BSC)やHuobi Eco Chain(HECO)などの取引所系チェーンとは根本的に異なっています。Bluehelixは、ブロックチェーン上で暗号資産のカストディと清算を担い、最終的にこれを取引所に組み込むことを目的としています。これは、BHEXのホワイトペーパー発行時(2018年)にはコンセプトが提唱されており、それが実現された形となります。

Bluehelixでは、3種類のノードが存在し、カストディと清算はクロスチェーンカストディノードによって行われ、秘密鍵はノード間で分散されて管理されるため、第三者が秘密鍵を取得できないようになっています。

Bluehelixのメリットは、多くのチェーンに対応し、しかもそれらの資産を完全分散型の仕組みに基づきクロスチェーンを行えることです。2021年8月21日時点で、Bluehelixは以下のチェーンに対応しています:

  • Bitcoin
  • Ethereum
  • TRON
  • DOGE
  • Huobi Eco Chain (HECO)
  • Binance Smart Chain (BSC)
  • Polygon

特筆すべきは、Bluehelix上で管理しているウォレットに入金すると、すべての暗号資産がまとめられることです。例えば、自分のUSDTウォレットに ERC20 USDTを10, TRC20 USDTを20, BEP USDTを30入金した場合、ウォレット上では60 USDTとなります。また、ウォレットから出金の際は、出金先のチェーンを任意に選んで出金することができます。そのため「この暗号資産はどのチェーンでラップされたものか?」ということを気にする必要がなくなります。

HDEXの概要

HDEXは、Bluehelixを利用したクロスチェーンDEXです。Bluehelixによるクロスチェーン技術により、ブロックチェーンの種類をまったく気にすることなく、暗号資産を分散型の環境で取引することができます。また、OpenDEXプロトコルに対応しており、同じプロトコルを採用したDEX同士で流動性の共有を行うこともできます。

HDEXには、2つのモードが搭載されており、Uniswapで親しまれているAMM(Automated Market Maker)と板取引に対応しています。AMMでは、流動性提供を行うことができ、支払われた手数料の還元を受ける事ができます。また、後にイールドファーミングの提供が予定されています。さらに、取引をすることにより、HBCトークンが還元される取引マイニングの仕組みも用意されています。

DEXは一般的に完全オープンになっており、どのようなプロジェクトでもトークンを自由に上場させることができますが、HDEXにおける上場はガバナンスによる審査性となっています。これは、フェイク資産を排除するためで、HDEXではDEXにおいてユーザーに安全な資産の取引を提供しようとしています。

HDEXの利用には、BluehelixのネイティブトークンであるHBCが必要になります。HBCは、もともと取引所トークンであることから、主な入手先はBHEX取引所となります。

BHEX Wallet & HDEXの特徴・機能紹介

Bluehelixに対応したウォレットは、Bluehelixからの公式ウォレットとしてBHEX Wallet(iOS, Android, Chromeブラウザ拡張)が対応しています。HDEXはBHEX Wallet上から直接利用することができます。

BHEX WalletとHDEXを利用するためには、BluehelixのGASとなるHBCトークン(BHEX取引所より入手可能)が必要になります。また、BHEX Walletで入出金をするためには対象チェーンのネイティブ資産も必要になります。例えば、Ethereumのチェーンのトークンを入出金するためには、ETHが必要になります。

入金

入金は、中央集権型取引所に近い要領になります。例えば、USDTでERC20 USDTを入金する場合はChainより「Ethereum」を、TRC20 USDTの場合は「TRON」を選択します。また、初回の入金ではBluehelix上で入金アドレスを生成する操作が必要になります。

注意点として、入金にはクロスチェーン手数料(対象チェーンのネイティブ資産)と最小入金数量が定められています。それぞれの数量は、入金時の画面下から確認することができます。

BHEX Walletへの入金

出金

入金と同様に、出金も中央集権型取引所に近い要領になります。例えば、USDTをTRC20 USDTとして出金したい場合、Chainより「TRON」を選択して、Withdrawal addressにTRONチェーンのアドレスを入力します。

注意点として、出金にはクロスチェーン手数料(対象チェーンのネイティブ資産)とHBCの手数料が必要になります。

BHEX Walletからの出金

スワップ・トレード

スワップは、Uniswaを使ったことがある方であれば、親しみやすいインターフェイスになっています。また、トレードは中央集権取引所と同様の感覚で取引することができます。

HDEXのスワップ・トレード

流動性の追加・削除

HDEXの流動性の追加は、Uniswap v2と似たようになります。米ドル建てで同額になる資産ペアを提供します。

HDEXの流動性追加・削除

HDEXに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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