プロジェクト解説

Coin98(C98)のサービスとトークンの解説

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本記事は、様々な暗号資産プロダクトを提供するCoin98プロジェクトの主要プロダクト、および独自トークンのC98を解説します。

C98の概要

Coin98は、伝統的な金融から分散型金融(DeFi)への橋渡しを目的としたプロジェクトです。主に、以下の3つの主要プロダクトを提供することで、ブロックチェーン間の流動性を高めます。

  • ウォレット:Coin98 Wallet
  • DEXへの接続:Coin98 Exchange
  • 異なるブロックチェーン間の資産移行:Space Gate

また、Coin98は独自トークンである Coin98トークン(C98)を発行しており、2回にわたるプライベートセールで1250万ドルを資金調達しています。

Coin98の主なサービス

Coin98は、3つのサービスを軸にしています。Coin98 Wallet, Coin98 Exchange, Space Gateです。

Coin98 Wallet

Coin98 Wallet 1

Coin98 Walletは、26のチェーンに対応したマルチチェーンウォレットです(2021年8月3日時点)。Chrome拡張機能, iOS (AppStore, TestFlight), Android (Google Play, APK)に対応することで、デスクトップやスマートフォンで利用することができるようになっています。

MetaMaskのような一般的なウォレットは、PolygonやAvalancheなどのチェーンを追加する場合、チェーンIDやブロックチェーンエクスプローラーの入力など、特殊な操作が必要になります。一方で、Coin98 Walletは、様々なチェーンに対応しており、主要なチェーンは特殊な操作なしで利用することができるようになっています。Coin98 Walletが対応している主要チェーンは、PolygonやBSCをはじめとするEVM互換チェーン、Polkadot, Kusama, Cosmos, Solanaなどです。ユーザーは、自分が普段使用しているチェーンのみを選択することができるようになっています。

チェーンの選択方法は、以下の画像で示しています。

Coin98 Wallet 2

Coin98 Wallet 3

Coin98 Wallet 4

Coin98 Walletの特徴的な機能として、Multi-Sendがあります。Multi-Sendとは、複数のアドレスに対してトークンを同時に送ることができる機能です。この機能を使うことで、一つ一つ送金する手間が省け、GAS代の節約にもつながります。Multi-Sendは、Ethereumメインネット、BSC、Solanaで利用することができます。

【筆者注】筆者が実際にSolanaで試したところ、エラーが出て送金できませんでした。この機能を利用する場合は、くれぐれも自己責任でお願いします。また、筆者はEthereumチェーンを利用したものの、4時間以上Pendingのままになりました。これはGAS代の高騰によるものです。通常の送金とは異なり、Multi-Sendはトークンをコントラクトアドレスに送る仕様であるため、実際に使用する際は多めにGASを設定する必要があります。

Coin98 Exchange

Coin98 Exchange 1

Coin98 Exchangeは、複数のブロックチェーンのAMM DEX(Uniswapなど)を一つのプラットフォームから接続することができます。Coin98 Exchangeは、主流のAMM DEXに対応しており、現状は下記画像のAMM DEXが対応しています。

Coin98 Exchange 2

今後も、様々なAMM DEXへの対応が予定されています。以下のAMM DEXが2021年の第4四半期までに対応する予定です。

  • Binance Smart Chain: Ellipsis
  • Polygon: SushiSwap, Curve
  • Ethereum: Curve
  • Near: Ref Finance
  • Terra: TerraSwap

このように、Coin98 ExchangeはさまざまなAMM DEXに対応するなど、DeFiへの窓口を目指しています。Coin98は、2021年の第3四半期にCoin98 ExchangeのWebアプリをリリースする予定です。リリース後は、Coin98 Exchangeの手数料として独自トークンのC98が利用できるようになります。

QuickSwapへの接続例

筆者は、実際にQuickSwapを利用してみました。

Coin98 Exchange 3

Coin98 Exchange 4

Coin98 Exchange 5

Space Gate

Coin98 Space Gate

Space Gateとは、クロスチェーンブリッジです。Space Gateは複数のブロックチェーン間のトークンの交換、送信ができるようになります。2021年8月3日は、以下のブリッジに対応しています。

  • ERC-20 <-> SPL
  • ERC-20 <-> TRC-20 <-> BEP-20
  • ERC-20 <-> AVAX C-Chain<-> AVAX X-Chain

また、Space Gateは2021年の第4半期で以下のブリッジを実装を予定しています。

  • Ethereum <-> Near
  • Ethereum <-> Terra
  • Ethereum <-> Polygon
  • Ethereum <-> xDAI
  • Ethereum <-> Optimism
  • Ethereum <-> OMGx
  • Ethereum <-> Arbitrum
  • Terra <-> Solana
  • Terra <-> Secret Network

Coin98トークン(C98)について

トークン用途

Coin98トークン(C98)は、Coin98 Exchangeが実装された後、Coin98 Exchangeを利用する際の手数料として利用されます。手数料として回収されたC98は、開発とエコシステムの貢献者に再分配されます。

そして、C98はAMM DEXへの流動性提供のインセンティブとしても利用されます。Coin98 Exchangeがうまく機能するためには流動性の増加が必須であるため、流動性提供者の貢献度に応じてC98トークンが配布されます。2021年の第3四半期にEthereumとBSCでステーキングとファーミングができるようになります。

C98は、Coin98 Exchangeのガバナンスとしても利用されます。ガバナンスでは、C98をCoin98 Exchangeの機能やパラメーターの変更、追加の提案や投票に利用します。

さらに、C98トークン所有者には、保有量に基づき様々な特典が付与されます。また、上位Tierのユーザーは、Coin98ローンチパッドへの優先参加や、戦略的パートナーとのマーケティングイベント、プレミアムイベントへの参加特典を得ることができます。

トークン配分

Coin98は、C98トークンを以下の割合で配分します。

  • 5.00%:Binanceローンチパッドのセール
  • 5.00%:シードセール
  • 15.00%:戦略的セール
  • 20.00%:チーム
  • 2.00%:アドバイザー
  • 12.00%:トレジェリー
  • 21.00%:エコシステム開発
  • 20.00%:コミュニティ開発報奨金

まとめ

今回は、Coin98プロジェクトを解説しました。

Coin98は、分散型金融のAMM DEXに従来取引所のようなUIを提供し、さまざまなチェーンの窓口になることで、伝統的な金融から分散型金融(DeFi)への橋渡しとなることを目的としています。

Coin98プロジェクトの主要な3つの機能では、ウォレットや様々なAMM DEXへの接続、ブリッジが提供され、また、独自トークンのC98によって更なる特典を享受することができます。

筆者の所感

最後に、筆者が個人的に気になった部分をご紹介します。実際に使用してみて、筆者はMetamaskとZapperを組み合わせたような印象を受けました。

一番衝撃を受けたのは、対応しているチェーンが多いと同時に、チェーンの選択が非常に簡単なことでした。MetaMaskもChailistというサイトを使えば簡単にチェーンを追加できるものの、こちらはあまりメジャーではありません。

筆者は、今まで複数のチェーンに対応しているウォレットをいくつか触りましたが、ここまでシームレスにDAppsに接続できたのは初めてでした。

現在筆者は、よくMetaMaskを利用していますが、その理由は最も多くのDAppsが対応しているからです。Coin98 Walletは、自分が触っているDAappsはほとんどに対応していたため、MetaMaskに代わって、今後に利用できる可能性を感じました。

また、トークンを複数のウォレットに同時に送れるMulti-Sendが標準機能になっていることにも驚きました。事業を行うと、よく同時に複数人にトークンを送りたい場面があるため、Coin98 Walletを使うことで利便性がかなり向上すると感じました。

さらに、ポートフォリオも非常に見やすいので、トレードを行う方にも向いています。

一方で、使っていて一番困ったのは、リストにないカスタムトークンの送金ができないことです。自分で発行した”濱口幹久感謝トークン”が使えず、送ったJPYCはGOXしてしまいました・・・

個人的な感想として、C98の手数料次第でメインウォレットになる可能性がありそうだと感じています。

ここまでお読みいただきありがとうございました。

Coin98の情報

 

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この記事を書いた人

Hello, token economy.

JPYC株式会社でブロックチェーンリサーチャーとして働いています。

個人では濱口幹久感謝トークンを発行しており、感謝配りお兄さんとして感謝を配っています。Token economyを社会実装するべく、精進いたします。

専門はxDAIとPolygonのアプリです。

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