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【イベントレポート】第2回 しゃべくりMEXC(抹茶) ー NFT&メタバースはどうなるのか?

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2022年6月10日、MEXCはTwitter Spaceで「しゃべくりMEXC(抹茶)」を開催しました。第2回の「NFT&メタバースはどうなるのか?」というテーマでは、NXDのTjay氏を司会に、ゲストとしてxWINのKB氏と当サイトのKATOが参加してディスカッションを行いました。

本記事では、イベントのダイジェストをお伝えします。全編は以下の音声アーカイブをご視聴ください。

ゲストの自己紹介

Tjay:ゲストのみなさま、自己紹介をお願いします。

KB:xWINのKBと申します。私は、金融で20年間、主にトレーディングをやってきました。xWINは現実社会と暗号資産の融合をビジョンにしていて、DeFiとNFTのプラットフォームを持っています。

KATO:私はTOKEN ECONOMISTを運営しているKATOと申します。TOKEN ECONOMISTは、更新頻度は多くないのですが、プロジェクトについて深く掘り下げる記事を公開しています。また、最近はテック企業Scalably株式会社の経営陣をしており、Web3.0プロジェクトのコミュニティを効果的に広げるためのWebサービスの開発を行っています。

日本におけるNFTとメタバースの市場分析

日本におけるNFT及びメタバース市場の現状に対する考え

Tjay:日本におけるNFTおよびメタバース市場の現状について、それぞれの考えをお聞かせください。

KB:まず海外と日本で認識のギャップがあると思います。海外では高額の取引がありますが、国内でも同様の取引ができるのではないかと参入している人たちがいるように見えます。確かに、国内では高額取引の事例がありますが、そうとは限らないですよね。また、国内では業者が先行してNFTプラットフォームを作っているように見えます。メタバースは、これから空間の二極化が来ると思います。リアリティ追求型とポケット箱庭追求型をめざす業者が出てくるのではないでしょうか。

KATO:メタバースから話しますが、メタバースについては正直懐疑的です。自分がそれを活用した世界をイメージできていないというのもありますが、いまあるメタバースを見てみると「なぜメタバースなのか?」が明確なものはほとんどないと思います。とりあえず作ってみたという印象です。ですので、今はみんなで社会実験をしているという感じですね。

Tjay:それは、確かに間違いないですね。

KATO:ガートナーのHYIPサイクルというのがあるのですが、今はそれでいう「過剰な期待」のフェーズだと思います。それが私のメタバースに関する印象です。NFTに関しては、日本だとIPが強いこともあるのか、アートに偏っている感じはします。クリエイターにとっては、新しいコンテンツのマネタイズ手段が出てきたということなので、喜ばしいことだと思います。本来NFTというのは、唯一の権利を示すトークンなので、アートだらけという今の段階ではNFTそのものの活用は不十分だと思います。

Tjay:確かにメタバースはまだ想像しにくいもので、リアルな世界を置いてまでメタバースに没頭する人間がどれだけいるのかというのには疑問がありますね。これから、Meta(旧Facebook)が5500億円を使ってメタバースを盛り上げて行くとしていますが、Metaが失敗したらどの企業も失敗すると思います。Metaが失敗したものから誰かが学んで成功するというパターンはあると思いますが、事業としての有用性を判断していかないと成功はないと思います。今は、メタバースが金集めの手段になっている感じしますね。

KB:私は以前、VRの会社で事業開発を手伝っていたことがあるのですが、日本でなかなか売れないということがありました。VRというのは、最初のインパクトがすごいのですが、みんな飽きるんですよ。私は、スマホが流行ったのは片手間でできることだと思っていて、それに対してVRだと片手間じゃできないんですよね。ゴーグルをはめないといけないと。

Tjay:私もそう思っていて、VRデバイスはコンタクトレンズくらいのサイズにならないと流行らないと思います。

現在のNFT市場の問題点

Tjay:NFT市場が熱くなるにつれ、NFTに対する疑問の声も大きくなってきます。ゲストの皆様は、現在のNFT市場の問題点をどのように考えていますか?

KB:NFTそのものは、一意性があるとかデジタルの証明ができるというのはあるのですが、NFTと現実社会との繋がりの部分が問題だと思っています。繋がりの部分に虚偽が発生すれば、そのNFTは偽物ということになってしまいます。ですので、信頼のある企業がNFTを発行していくことが必要になると思います。また、NFT単独だと流動性がありません。NFTアート1つをとってみても、すべてのものに価値が付くわけではないですね。ですので、今後はNFTそのものに意味を持たせるということが重要だと思っています。例えば、クーポンや会員権のような付加価値です。

KATO:私は技術的な視点から述べたいと思うのですが、多くの人が「NFTはずっと持っていられるもの」と思いこんでいるように見えています。でも、実はそうではないということが5-10年後に明らかになってくるはずです。わかりやすくするために名指ししてしまうのですが、例えば楽天はプライベートチェーンでNFTを発行するとしています。プライベートチェーンというのは特定の団体が管理するチェーンなので、彼らがチェーンの管理を止めてしまえばNFTは消えてしまいます。それを回避するために、EthereumやPolygonといったパブリックチェーンを使うというという手がありますが、こちらもNFTに紐づいた画像などのコンテンツデータを保管するストレージが特定企業に管理されていると、NFTのメタデータがあってもコンテンツだけが消えているといったことが起こり得ます。

Tjay:私は、企業が倒産したら、サービスが終了したらどうなるのかというのを考えてブロックチェーンを利用しないといけないと思います。ですので、NFTを資産と呼ぶのは厳しいという印象がありますね。

日本政府による「国家戦略としてのWeb3.0」への印象

Tjay:日本の岸田文雄首相は、投資家サミットでブロックチェーン、NFT、メタバースが日本の将来戦略の一部だと公言しています。 これらの政策が業界に与える影響について、どのように考えていますか?

KB:政府主導なので、今の経済界にはインパクトがあるのではないでしょうか。日本の場合は政府主導じゃないは怪しいものと見られがちですが、今回は政府主導ということで非常に注目されるようになるのではと思います。特に恩恵を受けるのは、不動産やIT業界かなと思っています。ただ、不動産は規制が多いので、これには多くの年月がかかるはずです。また、メタバースの中に建築物というのもありますが、デザイナーのニーズが大きく上がっていく可能性はあるかなと思っています。

KATO:私はメタバース関係なしに語るのですが、体感的にも国が動き出しているなと感じています。先日開催されたSolanaのイベントに、経産省の人が来ていて、Web3.0のチームを作ったと言っていました。もちろん、今の酷すぎる税制が変わるということが前提になりますが、私自身はかなりポジティブにとらえています。また、私は仕事柄いろいろな人と会うのですが、多くの学生や20代がこの分野に希望を抱いているなと感じます。ブロックチェーンには国境が関係ないので、皆さん海外展開を視野に入れるわけなのですが、そもそも最初から海外展開を視野に入れる人材ってそのあたりの起業家と比べても優秀なはずなんですよね。普通の人たちは国内で完結させるので。そういう優秀な人たちが海外に移住せずに日本に留まることができたら、国にとっては非常にプラスになると思います。

日本のNFT市場の今後の動向

Tjay:日本のNFT市場の今後の動向はどのようになると思いますか?

KB・KATO:これは難しいですね。

Tjay:そう、難しい。日本政府は頑張っていると思うのですが、法律で管理するにしても知見を持っている人がいないと思います。Web3.0を国家戦略にしようとしても、そこが足を引っ張ると思います。

KB:日本にはWeb3.0の土壌はあるので、イノベーション反社会勢力(イ反社)に邪魔をさせないというのが大事だと思います。政府が一番偉というわけではなく、邪魔をさせないように上手く誘導させるのが必要だと思います。

Tjay:税制もそうですが、日本は起業家をサポートするという姿勢が足りてないと思います。国家戦略にするのであれば、国が起業家に対して手厚いサポートをするのであれば、多少税金が高くても起業家は日本に留まるのではないでしょうか。以前、堀江さんが捕まりましたが、あれがターニングポイントで、日本でITをやって有名になると怖いという意識が生まれたと思います。なので問題は税金だけではないですね。

KATO:確かに社会保障1つをとってみても、起業家はサラリーマンの2倍の社会保険を払ったりと、だいぶ不利な立場ではありますね。

KB:国は起業家をウェルカムできるか、ですね。

保有しているNFTは?それを持つ判断とは?

Tjay:皆さんはどのようなNFTを保有したことがあるでしょうか?判断基準や損を避ける基準があるのであれば教えてください。

KB:私は元トレーダーとして、NFTを投資目的で持つことはありません。おまけで貰ったものやお試しで買ったものはありますが、流動性を考えると売れないんじゃないかという恐れがあります。あと、NFTはマーケットメイキングしていると思っていて、手が出しづらいと感じています。我々のxWINには、NFTをステーキングするとAPRが付くというものがあるのですが、そういったNFTは大丈夫だと思います。

KATO:私もNFTは買わないです。この前初めて某靴のNFTを買いました。STEPNが中国を規制したタイミングだからだったのですが。基本的には、私自身はNFT投資をやらないです。見極められないし、流動性がないですからね。

Tjay:私は、NFTはコミュニティを作るツールだと思っています。NFTで入り口としてコミュニティを作って、トークンが存在するようになるとコミュニティがトークンを盛り上げてくれるんですよね。ですので、NFTかトークンかというよりはNFTとトークンが連動していることが大事だと思います。

KATO:ちなみにTjayさんは何かNFTを持っているのですか?

Tjay:私は、自分で作ったNFTしか持っていないです。買ったことはあるのですが、最終的にあげたり手放しています。

NFTデリバティブについてどう考える?

Tjay:NFTモデルは、純粋なミントからNFTプラス何かといった感じに、新しい商品形態に進化していますが、これらのNFTデリバティブをどう考えますか?またNFTデリバティブ市場は今後爆発的に拡大する可能性があるのでしょうか?

KB:NFTの次の仕組みはNFTFiと言われていますが、私は必ず広がっていくと思います。今はNFTに注目する企業が多いので、NFTFiに行き着くスピードはDeFiより速いと思います。そうなると金融規制が入ると思います。今後は、規制とのバランスをどのようにとるかという話になってくるでしょうね。

KATO:今回のお題で、私にとってここが一番わからない部分です。NFTというのは唯一のものなので、唯一なものに流動性がないというのは普通な話だと思います。そこに敢えて流動性を作って金融取引できるようにする必要があるのかということには疑問があります。DODOというプロジェクトが、NFTをロックしてそれに紐づいたERC20トークンを発行できるというサービスを出しているのですが、全然前使われていません。そういうところからも、本当に需要があるのかなという疑問があります。

トピック NFT、メタユニバースの人気プロジェクトの分析

メタバースにおけるNFTの役割とは?

Tjay:メタバースにおけるNFTの役割とは何でしょうか?The Sandbox や Decentralandのようなスタープロジェクトが爆発的に人気になった理由は何でしょうか?

KB:私は、メタバースというバズワードがあってデジタル空間ができているので、その空間に意味をもたせたのがNFTかなと思っています。NFTで区画分けすることによって、権利ができていくのかなと。単純にNFT+メタバースが広がるのではないかという先行者利益の思惑で、広がっているのだと思います。

KATO:メタバースのNFTだと土地や建物がありますが、ブロックチェーンという共通基盤にその人がそれを所有しているという事実が刻み込まれているので、メタバースの運営側にも所有の権利が侵害されないというのが。メタバースにおけるNFTの強みだと思います。あとは、NFTをメタバース同士で行き来できるということでしょうか。互換性があるということです。The Sandbox や Decentralandを私自身がいじってないので、これは完全に表面的な印象でしかないのですが、投機が9割以上でしょうね。

Tjay:そうですね。爆発力を作るというのは投機性しかないと思います。基本的には早いものがちでこの2つが先行したと思いますが、これからはそうはいかないと思います。

STEPNについて

Tjay:最近、日本ではSTEPNが非常に人気で、模造のプロジェクトまでたくさん出ていますが、STEPNが爆発的に流行った理由は何でしょうか? そして、STEPNはGameFiのデススパイラルから脱出できるのでしょうか?

KB:先程、私はNFTを買ってないと話したのですが、実はSTEPNの中国規制のタイミングで靴を買っていました。STEPNのすごいところは、トークンやNFTに詳しくない人たちが、入ってくるというところですね。Move to Earnというのはステーキングに近いと思っていて、走ったから稼げるというのは人間にとってすごくわかりやすいと思います。

KATO:私は、STEPN自体はまったく画期的ではないと思っていて、アクションしてコインがもらえるというのはSTEPNの前からいくつも存在していました。日本だと、昔JPYCの岡部さんがやってたアルクコインとか。ですので、Move to Earnというのは昔からありました。STEPNが流行ったのは、純粋に儲かるというインパクトが強かっただけだと思っています。また、STEPNがデススパイラルから抜き出せるのかには懐疑的です。歩いたからトークンが得られるというのは、システムがトークンをどんどん吐き出しているということなので、トークンがインフレしてトークンあたりの価値は減っていくからです。

Tjay:実際にGameFiはポンジスキーム以外にありえないと思います。言ってしまえば、暗号資産自体もポンジスキームですね。新しく買う人と損しない人がいないと成り立たないからです。純粋なポンジスキームにならないように、実業を入れていかないと成り立たないでしょうね。多くの人は投資で年利を得るより労働に慣れているので、STEPNは人々が儲かるということを納得させられたというのあるでしょうね。

KB:今度、私はWork to Earnをしようとしていて、9時から17時まで会社にいれば給与相当を貰えるようにしたいと思います。

KATO:それはただの労働ですね!

新しいプロジェクトをどう発見する?

Tjay:最近、NFT市場に新勢力が突然現れたと聞いています。ill poop it nft は、もともと明確なロードマップもなく、匿名のチームによるミーム型のNFTプロジェクトでしたが、わずか1週間で価格と取引高が「OpenSea」のトップ3に入り、そのトークンである $SHIT がMEXCに上場した後、最大で6125%の上昇率に達しました。 ill poop it nft について、ゲストの皆様はどのように考えていますか? また、一般ユーザーが「SHIT」のような良質な銘柄への早期投資機会を探るにはどうすれば良いのでしょうか?

KB・KATO:これは良質というんですか?!(笑)

KB:ミームプロジェクトが流行って価値が出るというのは、人間行動であり得るのかなと思います。短期でのエンタメみたいな感じで盛り上がって、それはそれで楽しいことなのだと思います。真面目な地味なプロジェクトもありますが、両方を楽しんでいけばいいと思います。

KATO:ill poop it nftはうんこのイラストNFTのプロジェクトですが、これが良質かと問われたらYesとは言えないですね。改めて、人間は本質的にこういうのが好きなのかなと思いました。小学生や幼稚園児が「うんこ」と口にしてはしゃいでいることが、NFTを通して行われているだけですよね。

フリーQ&A

フリーQ&Aでは、司会者とゲストが質問をピックアップして答えていきました。

KB:広がると思います。Web3の授業というよりは1つ1つの分野に浸透していくと思っています。例えば、経済分野で分散化の話や、美術にNFTアートが登場するかもしれません。他にはプログラミングの授業など、まんべんなく入り込んでいくのではないでしょうか。

KATO:これは自分の体験談から語るのですが、この前「Vマ」というバーチャル展示会に参加しました。最初は全然期待してなかったのですが、これが意外と面白いんです。空間内でいろいろな展示が目に入ってくるので、次は何を見ようかというワクワク感があって、これはECサイトだとできない経験でした。あとは説明員とインタラクティブにできるというのは、ECサイトより実感が湧きやすいと思いました。また、展示費用が安いので、誰でも気軽に出展できるのは良いと思います。

Tjay:ひとことで現実逃避のことだと思っています。人間って現実逃避にお金をかけるんですよ。ディズニーランドが好きとか映画が好きとか。現実逃避を経験することによって現実が受け入れられると思っています。ゲームのアバターなんかはまさにそうですね。

KB:これはありうると思っていて、うつ病のようなカウンセリングのような分野で有効だと思っています。外で出られない方が自宅でカウンセリングを受けやすくなることが考えられます。対面で話すのが苦手という方には、やりやすくなるでしょうね。

KATO:この問題は、業界の最優先課題だと思っています。まずウォレットの仕組みについて話しておくと、暗号資産やNFTの送信は、取引に対して秘密鍵で署名することで実行できます。例えると、銀行口座からの窓口送金で銀行印つくのをデジタルでやっているのがウォレット送金の仕組みです。そして、秘密鍵をどう保管するかというのが資産保管の根深い問題になっています。解決策は既に出始めていて、MPC(Multi-Party Computing)という技術があって、それぞれのコンピュータが秘密鍵のピースを持っていて、送金時にそれらのピースを合体させて署名して送金するということができるようになります。このような技術があると、ウォレットを使っている当事者すら秘密鍵を知らないということが実現できるので流出リスクは低くなるはずです。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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