Tabi Chain(TABI)の概要
Tabi Chainは、高速な取引を実現し、かつあらゆる仮想マシンに向けて開発されたロジックを実行可能な、ゲーム用のレイヤー1ブロックチェーンです。
現在、レイヤー1/2の数はすでに数百に上り、その多くが高い処理能力と高速なファイナリティを持っています。しかし、依然としてこれらを実際の産業に適用することは困難です。例えば、開発者が技術アーキテクチャを深く理解することが求められます。さらに、ユーザーはガス、ウォレット、署名などの従来のブロックチェーンの概念に縛られるため、ユーザー体験はまだ十分ではありません。Tabi Chainは、ゲーム分野において開発者がブロックチェーンの技術スタックに依存せず、Web2の技術スタックとユーザー体験を統合することを目指しています。
Tabi Chainは、独自の革新的な技術であるオムニコンピューティングを用いて、これらの問題に対処しています。各ゲームは、独立した高性能シャードを使用し、システム全体で数百万TPSを達成します。これらのシャードは、スーパーバイザーノードによって監視され、検閲耐性とステートの正確性が確保されます。さらに、独自のPolymorphism VMを使用することで、開発者や様々なタイプのゲームは、SDKを使用するのと同じくらい簡単に既存のWeb3ゲームをTabi Chainに移行したり、他のチェーンやWeb3の技術スタックを理解することなく新しいゲームやDAppsを開発することが可能になります。また、Polymorphism VMはWeb2のランタイムも含めることができます。
オムニコンピューティングのハイライト
Tabi Chainのオムニコンピューティングでは、ブロックチェーンのトリレンマの解決と、開発者とユーザーのエクスペリエンスを単純化することを目指しています。
監視付き並列処理シャーディング
Tabi Chainでは、各ゲームは独立したシャードによって動作するようになっています。これは、ゲームが増えることによってシャードが増え、チェーン全体の処理容量が向上していくことを意味します。その処理容量は、全体で数百万TPSになるとされています。各シャードは、検閲を防止し、ステートの正確性を得るためにスーパーバイザーノードによって監視されます。最終的に各シャードは、入力されたデータを圧縮し、Tabi Chainのデータ可用性レイヤーに記録します。不正をしたハードは、監視の仕組みによりスラッシングされます。

Tabi Chainの技術概要(引用:Omnicomputing Preview)
この仕組みは、入力されたトランザクションが正しく順序付けされ、即時に処理されることを実現します。チームは、この仕組みにより実現されるTabiのファイナリティのことを「ハードインスタントファイナリティ」と呼んでいます。それに対し、いくつかのロールアップでは検閲によってトランザクションが破棄され、ファイナリティが行われないことがあることから、それらを「ソフトインスタントファイナリティ」と呼んでいます。
Polymorphism VM(ポリモーフィズムVM)
日本語で、Polymorphism(ポリモーフィズム)を多様性や多相性と訳せるように、Polymorphism VMは従来の仮想マシンと比べて多様な実装を行うことができる仮想マシンです。
従来のブロックチェーンでは、仮想マシンは固有かつ排他的です。すべてのスマートコントラクトやプログラムのライフサイクルと運用は、特定の仮想マシンによって管理されており、これにより多くの問題が発生します。例えば、開発者の学習コストやセキュリティの確保、仮想マシンの種類をまたぐ場合の移植の難しさなどがあります。
これらは、プログラムがホストのランタイムに存在している(例:EVM内でゲームロジックが実行される)ゆえに起きるものです。それに対し、オムニコンピューティングではプログラムがホストのランタイム内に存在せず、単純な呼び出しを行うという新しい概念を実装します。

Polymorphism VMの枠組み(引用:Omnicomputing Preview)
これにより、開発者は好きな言語でゲームロジックを開発し、Tabi Chainで実行することができるようになります。例えば、EVMチェーン向けにゲームロジックを作った開発者は、コードをそのままTabiに移植することができます。これは、SVM向けに開発されたゲームロジックでも同様です。また、Web2開発者がTabiに簡単にオンボードできるように、Polymorphism VMではWeb2ゲームのランタイムにも対応します。Web3向けの実装に関しては、Polymorphism VMは最初にEVMに対応し、さらにSVMやMoveVMへの対応を予定しています。
クロスドメイン決済
Tabi Chainでは、ドメインをまたぐためのメッセージングの仕組みとしてクロスドメイン決済機能を提供します。これは、シャード間およびチェーン間、さらにはシャードチェーン間のメッセージングを担うというものです。後者に関しては、シャードごとにPolymorhism VMの形式が異なるため、クロスドメイン決済を担うゲートウェイノードを経由することによって、同チェーン上で通信が行われます。

クロスドメインの概念(引用:Omnicomputing Preview
TABIトークン
Tabi Chainでは、ネイティブトークンとしては$TABIを使用します。2024年3月24日現在、$TABIに関する情報は公開されていません。