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GPUのDePINネットワーク「io.net(IO)」の解説

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io.netの概要

io.net(アイオー ドット ネット)は、GPUの物理インフラストラクチャ(Decentralized Physical Infrastructure: DePIN)ネットワークで、チームは100万個のGPUを同ネットワークにまとめることを目指しています。

AIの台頭に伴い、機械学習のためのGPUパワーの重要性が増しています。パフォーマンスを最適化し、大規模なデータセットやモデルに対応するためには、単一のGPUだけでは不十分で、複数のシステムにまたがるマルチコアのパワーを活用する必要があります。しかし、より多くのGPUパワーを利用するにはいくつかの課題があります。

既存のクラウドプロバイダー(例:AWS、GCP、Azure)では、GPUにアクセスするために数週間待たされることがあり、人気のあるGPUモデルが利用できない場合もあります。さらに、利用可能な選択肢が限られているため、ユーザーの要件を満たすことが難しいこともあります。また、高性能なGPUを入手するためには高額な費用がかかり、プロジェクトは毎月数十万ドルを費やすことになるかもしれません。

io.netは、GPUパワーの調達問題を解決するために取り組んでいます。このプロジェクトは、データセンターや暗号資産のマイナー、Filecoin、Renderなどから、十分に活用されていないリソースをio.net上で集約し、ユーザーがカスタマイズ可能でコスト効果に優れた大量のGPUパワーにアクセスできるようにしています。その結果、GPUの計算コストを従来から最大90%削減できるとされています。

2024年3月17日時点で、プロジェクトはフルリリースというフェーズに入っています。しかし、トークンはローンチされておらず、エアドロップキャンペーンであるIgnition Airdropが行われています。トークンのリリースは、同年第2四半期を見込んでいます。

io.netの主要な製品群

IO Cloud

IO Cloudは、AIや機械翻訳アプリケーションを実行するクラウドです。柔軟でスケーラブルなGPU/CPUリソースへのアクセスを提供し、高価なハードウェア投資やインフラ管理を必要とせず、分散ネットワーク上のノードからリソースを活用可能にします。

IO Cloudでは、Pythonベースの機械学習コードを実行することができます。実績があるフレームワークを使用することができ、分散コンピューティングのための、AIおよびPythonアプリケーションに適用するために設計された「Ray」をネイティブで使用しています。Rayは、OpenAIがGPT3/4をトレーニングするために使用した経緯があります。

IO Worker

IO Workerは、ユーザーが計算リソースを提供するためのサービスです。ユーザーアカウント管理、コンピューティング活動の監視、リアルタイムデータ表示、温度と消費電力の追跡、設置支援、ウォレット管理、セキュリティ対策、収益計算に関する機能が含まれています。

ユーザーがGPU/CPUリソースを提供するには、Docker(Windows, Mac, Linux)の実行環境か、マイニングに特化したOSのHivenの実行環境が必要になります。Dockerの実行環境では、単にIO Workerのデバイス追加ページから生成されるファイルやコマンドを利用すれば良いため、他のブロックチェーンのノードをセットアップするよりも簡単なノード構築を行うことができます。

IO Wokerのデバイス追加画面

IO Wokerのデバイス追加画面

IO Coin:io.netのトークン

io.netのエコシステムではIO Coin($IO)を利用します。$IOはSolana上で発行され、2024年第2四半期のリリースが予定されています。

IO Coinの用途

$IOは、以下の用途で使用されます。

1.計算リソースへの支払い

$IOは計算リソースへの支払いに利用されます。また、$IOをバーンすることで発行することができる米ドル連動型のステーブルコイン「IOSDクレジット」を支払いに使用することもできます。

2.GPU/CPUリソース提供者への報酬

提供した計算リソースに対して$IOが支払われます。また、ネットワーク上にホストされたモデルを推論するために、GPUがアクティブに使用されていない、アイドルタイムに対しても$IOが支払われるようになっています。

IO Coinの配布

2024年3月17日時点で、トークンの配布割合やスケジュールの情報は公開されていません。

io.netに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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