DAppsプロジェクト解説

Cardanoエコシステムにおける利回り最適化プラットフォーム「Genius Yield」の解説

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2017年9月にメインネットが指導したCardanoブロックチェーンは、学術的なアプローチを重ね、2021年9月のAlonzoアップデートを経てスマートコントラクト機能を追加しました。これは、CardanoでDeFiも扱えるようになったことを意味します。Alonzo直後から、CardanoエコシステムではDeFiの覇権争いが起こっており、Genius Yieldはそのような流れに参加しているプロジェクトの1つになります。

Genius Yield 概要

Genius Yieldは、Cardano上に構築されたDeFiプラットフォームです。Genius Yieldが目指すのは、現状は複雑すぎて参入が困難なDeFiの世界に一般ユーザーを呼び込むことです。人々がDeFiを利用する動機は、DeFiを通して高い金利収入を得ることですが、効率的な資産運用は上級者向けになっています。

DeFiにおける代表的な資産運用として、DEXに対して流動性を提供し、流動性が利用されることによる手数料収入を得る方法があります。しかし、多くのDEXは自動マーケットメイカー(Automated Market Maker: AMM)を利用しているため、提供した流動性のごく一部しか利用されず、資金効率が良くありません。また、DeFiの数は膨大で、理想的な運用利回りを得られるサービスを見つけるのは難しくなっています。仮に利回りが高いサービスを見つけたとしても、それが詐欺性のあるものか判断できるユーザーはごく一部に限られます。

Genius Yieldは、一般ユーザーにより簡単で効率の良いDeFiの資産運用手段を提供します。スワップ機能の「Genius DEX」や利回り最適化を行う「Yield Optimizer」を提供する他、一般ユーザーが分散型の世界に自分たちの資産を持ち込みやすくするために、サードパーティのサービスを利用して法定通貨との交換機能を提供します。

Genius YieldがCardanoを採用した理由として、Cardanoが数あるブロックチェーンの中で金融世界の事実上標準のブロックチェーンになりえるからだとしています。Cardanoにより、セキュリティと信頼性に富んだDeFiエコシステムを構築的、分散化を実現できるとしています。

また、Geneis Yieldは2021年11月に終了したシードラウンドで、ベンチャーキャピタル(VC)から420万ドル以上を調達しました。このラウンドのVCには、Master Ventures, Genblock Capital, CSP DAO, Sneaky Ventures, Cardano Syndicate, ipor.io, Bloctech Investment Group, Kernel Ventures, Blue Node Capital, Valhalla Capital、およびOracles InvestmentsGroupが含まれています。

Genius Yieldの主要機能

分散型取引所「Genius DEX」

Genius Yieldでリリースされる最初のサービスは、分散型取引所「Genius DEX」になります。Genius DEXでは、ユーザーはADAやCardano Native Token(カルダノネイティブトークン)の売買ができる他、自らの資産を流動性として提供し、金利を獲得することができるようになっています。

Cardano Native Tokenは、Cardanoブロックチェーン上におけるトークン規格です。代替性があるファンジブルトークンと、代替性がないノンファンジブルトークン(NFT)をカバーする規格で、EthereumのERC20/721/1155に相当します。

多くのDEXで採用されているAMM DEXは、流動性がすべての価格帯に均等に分散されています。しかし、実際の市場では流動性が現在の価格帯に集中しています。Genius DEXは、この仕組みを分散型のプロトコルで実現します。具体的には、Unispwap v3と同等の「集中流動性」の仕組みを採用します。ユーザーは、流動性を提供する取引価格帯を指定することができるようになり、その価格帯で取引が行われると集中して手数料を獲得できるようになります。これにより、AMM DEXより手数料収入を多く獲得することができるようになります。加えて、利用者にとってはスリッページを減らすことに貢献します。

集中流動性

また、流動性提供者は、0.05%, 0.30%, 1%の間で柔軟な手数料設定をすることができます。ステーブルコインのペア同士の場合は0.05%の手数料を、滅多に取引されない資産ペアの場合は1%をといった具合に、利用される流動性の受給を見ながら手数料を設定することができるようになります。

利回り最適化「Yield Optimizer」

Yield Optimizer

Yield Optimizerは、Genius Yieldが提供する運用資産の配分や投資対象を効率化することができるサービスです。ユーザーが重要な情報にアクセスし、運用の意思決定を行いやすくするために、ビジュアルに富んだダッシュボードが用意されます。

この機能では、ADAなどの資産を入金し、自動的に適切な資産ペアの流動性に変換を行います。そして、流動性として提供した資産を引き出す際に、指値で売却しもともと入金した資産に戻すことができるようになります。これにより、流動性提供をする際にわざわざ資産ペアを用意する手間を省くことができます。

流動性を提供するプールはGenius Yieldのチームによって審査されたものを利用します。これは、悪意のあるプロジェクトでユーザーの資産が運用されることを避けるための措置で、ユーザーは安定しつつも可能な限りの高い金利収入をYield Optimizerによって獲得することができるようになります。

将来的には、Genius Yield自身の他、Cardano上に構築されたDeFiサービス間でを自動的に資金の出し入れ行い、さらなる利回りの最適化を行うことができるようになります。

法定通貨との交換

DeFiサービスを利用するためには、多くの場合、取引所で暗号資産を調達し、それらをウォレットに送信する必要があります。これら一連の流れは煩雑であるため、DeFiの気軽な利用の妨げになっています。そこで、Genius Yieldでは現実的なアプローチとして、法定通貨との交換機能を提供します。

Genius Yield Walletと名付けられた専用のウォレットには、サードパーティの交換サービスとしてChengellyが統合されます。Changellyにより、ユーザーはクレジットカードやデビットカードで暗号資産を購入し、直接ウォレットに入金することができるようになります。これにより、最初の煩雑な手順を省略することができるようになります。Changellyは、米ドル、英ポンド、ユーロに対応しています。

GENSトークン

$GENS トークンは、Cardano Native Tokenとして発行される、Geneis Yieldにおけるユーティリティトークンです。ユーザーは、$GENS でGenius Yieldに口座を開設してサービスを利用することができるようになります。

$GENSはガバナンストークンとして機能し、保有者は意思決定への投票や提案を行うことができます。さらに、保有者にはGeneis Yieldから生み出される手数料収入の20%が分配されます。

トークン割り当て

1億 GENSが以下の内訳によって割り当てられます:

  • 20%:報酬プログラム
  • 20%:シードラウンド
  • 12%:トークン流動性
  • 10%:ISPO ※後述
  • 6%:エコシステムの開発資金
  • 5%:マーケティング&パートナーシップ
  • 3%:パブリックプリセール

ISPO (Initial Stake Pool Offering)

ISPO概要

ISPO (Initial Stake Pool Offering)は、Cardanoエコシステムにおいてプロジェクトが資金調達を行う新しい方法です。

ISPOでは、ADA保有者がプロジェクトチームのステーキングプールでADAをステーキングします。プロジェクトチームは、ステーキングの委任報酬を受け取り、その見返りとしてADA保有者にプロジェクトのトークンを配布します。ステーキング報酬の一部あるいはすべてを失うものの、ADA保有者は自分のADA保有数を減らすことなく、プロジェクトが新規発行するトークンを手に入れることができます。

Genius YieldのISPOの概要は、以下の通りになります。

  • ISPOの配布数量:1000万 GENS
  • ISPO 開始日:2021年12月15日(エポック309)
  • ISPO 終了日:2022年6月15日(エポック345)
  • ISPO 参加報酬:1 ADAのステーキングにつき0.0025GENS(1エポックごと)

ISPO参加者は報酬をすべて$GENSで獲得するか、もしくは半分を$GENS(残りはADA)で獲得するかで、ステーキング先を選ぶことができます。

  • 100% GENS:[GENS1] Genius Yield 1
  • 50% GENS + 50% ADA:[GENS2] Genius Yield 2

また、できるだけ多くかつ長くADAをステーキングした人に対し、Genius Yieldでは6種類のNFT特典を用意しています。詳しくは、Bonus Reward Programで確認することができます。

ISPOへの参加方法

ISPOに参加するためには、Cardano Native Tokenに対応したウォレットが必要になります。Yoroi Wallet (モバイルまたはブラウザ)から参加する場合、以下の手順でISPOに参加することができます。

  1. Yoroi WalletにADAを入金します。
  2. Yoroi Walletを開き「Delegation List」を選択します。
  3. 検索欄に「GENS」と入力して、ステーキングプールを検索します。
  4. ステーキング先「GENS1」もしくは「GENS2」を選択し「DELEGATE」をクリックします。
    1. 100% GENS にする場合:[GENS1] Genius Yield 1
    2. 50% GENS + 50% ADA にする場合:[GENS2] Genius Yield 2

Genius Yieldに関する情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
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