Layer1プロジェクト解説暗号資産

Agoric(BLD)の解説

Layer1

Agoricの概要

Agoricの技術スタック

Agoricは、JavaScriptでDAppsの開発を行うことができるLayer1のパブリックブロックチェーンです。

現状のブロックチェーン業界は、そもそもDAppsを開発することができる開発者がほとんどいないという問題を抱えています。DApps開発の主流は、Ethereumのプログラミング言語「Solidity」であり、習得にはわざわざ新規に学習する必要があります。新興ブロックチェーンであるBinance Smart ChainやPolygon, Avalancheについてもこの問題は変わりません。これらはEthereum互換(EVM互換)であることから、結局のところEthereumのSolidityに依存しています。また、Ethereum向けのSolidity以外のプログラミング言語は、機能の制約があることから、Ethereumの機能を有効に使うためにはやはりSolidityを習得する必要があります。

Agoricでは、世界で最も開発者が多いプログラミング言語であるJavaScriptをプログラミング言語に採用することで、この問題に対処します。また、トークン発行機能や、自動マーケットメイカー(AMM)やレンディング、カバードコール、分散型オラクルなどのコンポーネントをチェーンに組み込むことにより、開発者が省力化できる環境を提供します。

Agoricを使うことにより、ユーザーにとってもパブリックブロックチェーンの使い勝手が向上します。既存のパブリックブロックチェーンでは、GASコストの予測が不可能という問題があります。特に、予算で動く企業にとってこれは致命的です。トランザクションの見込み回数がわかったとしても、どれだけコストがかかるかを予測することができないからです。

Agoricでは、GASとしてUSDにソフトペグされたステーブルコイン$RUNを用いることにより、ユーザーはGASコストが予測できるようになります。また、ArgoricがInter-Blockchain Communication(IBC)をサポートすることにより、IBC対応したブロックチェーン(Cosmos Hub, Osmosis, Terraなど)と相互接続することができるようになり、チェーン間の資産の移動がスムーズになります。

Agoricの特徴

JavaScriptでDAppsを構築可能

Agoricでは、スマートコントラクトのプログラミング言語にJavaScriptを使用することができます。これは、多くの開発者をAgoricに引き寄せることができる要因の1つになります。調査会社SlashDataによると、プログラム言語別の開発者人口はJavaScriptが最も多く、2021年Q3時点で世界で1650万人いるとしています(参考記事)。

Agoricにおいて、開発者はJavaScriptでスマートコントラクトを書くためのフレームワークZoeを利用します。Zoeによって書かれたスマートコントラクトはAgoric VMで実行されることになります。しかし、開発者はJavaScriptを知っているだけでDAppsの開発を簡単にできるようになるわけではありません。JavaScriptを知っていたとしても、DAppsの実装方法やそれらのセキュリティに対する知識が必要になるからです。そのような障壁をクリアするために、Agoricでは様々な機能のコンポーネントを用意しています。コンポーネントには、以下のようなものがあります:

  • 基本機能($RUNの受け入れ、FTの発行、NFTの発行)
  • コンポーネント(AMM、レンディング、カバードコール、OTCデスク)
  • 実世界データ(価格オーソリティ、オンチェーンオラクル、オフチェーンオラクル、IBC接続)
  • UIキット&ウィジェット(UIウィジェット、通知機能、React Dapps)

予測可能なGAS体系

Agoricでは、プロトコル上で$BLD(後述)と$RUNの2つのトークンが流通します。

$RUNは、Agoricブロックチェーン上でGASのとしての役割を果たします。$RUNそのものはUSDにソフトペグされたステーブルコインで、1 RUN = 1 USDの価値を維持します。

ユーザーは、$RUNを手に入れるためにMakerDAO($DAI)のような発行プロセスを経ることになります。Agoricには、標準でレンディング機能が組み込まれており、$ATOM, $ETH, $USDCなどの暗号資産を担保にすることにより、$RUNを手に入れることができるようになっています。

また、Agoricでは、Ethereumと同様に緊急度合いによってGAS価格を調整できる機能が備わっています。Ethereumと異なり、$RUNがステーブルコインになることにより、たとえ緊急度合いが高くなったとしてもGASのコストが予測可能になります。

他のブロックチェーンとの相互運用が容易

Agoricは、Cosmos SDKによって構築され、Inter-Blockchain Communication(IBC)に対応しています。IBCにより、Cosmosエコシステムにおける他のブロックチェーンとの相互運用が容易になります。IBCに対応している主なチェーンは、以下の通りです:

  • Cosmos Hub
  • Osmosis
  • Crypto.org Chain
  • Terra

その他、IBCに対応しているチェーンはMap of Zonesから確認することができます。

BLDトークン

BLDトークンの用途

$BLDは、Agoricチェーンにおけるプラットフォームトークンで、ノードのステーキングやガバナンスで使用します。

ノードのステーキングでは、原則は手数料として消費された$RUNがステーキング報酬となります。しかし、プラットフォームの初期段階はノード収入が少ないため、$BLD配分の一部(2.5億 BLD)が払い出されます。

また、$BLDのステーキングのユニークな点として、将来のステーキング報酬を前借りする形で$RUNを受け取ることができる機能があります。これにより、チェーンのセキュリティを維持したまま、$RUNの流動性を大きくすることができるようになっています。

BLDトークンの配分

$BLDの配分ルールは、以下のようになっています。

  • 初期循環供給数: 1,000,000,000 BLD
  • トークン供給予定数: 1,250,000,000 BLD(初期循環供給数+ステーキング報酬)

以下は、初期循環供給数の内訳になります。

区分 % リリーススケジュール
ネットワークの分散化 17%
財団 12.5%
コミュニティ & エコシステム 5.5%
コア貢献者 18.6% 2021年11月1日から12ヶ月後に配布開始し、12ヶ月で段階的にロックアップ解除。
アドバイザー 3% 2021年11月1日から12ヶ月後に配布開始し、12ヶ月で段階的にロックアップ解除。
初期投資家 11.4% 2021年11月1日から12ヶ月後に配布開始し、12ヶ月で段階的にロックアップ解除。
オペレーション 12.5% Liquid as of distribution date on 11/1/21.
プライベートセール – 2年ロック 8.6% 2021年11月1日から12ヶ月後に配布開始し、12ヶ月で段階的にロックアップ解除。
プライベートセール – 4年ロック 3.9% 2021年11月1日から12ヶ月後に配布開始し、36ヶ月で段階的にロックアップ解除。
パブリックセール 7% CoinList参照

BLDのトークン配分

BLDトークンが売買できる取引所

2021年12月26日現在、$BLDの現物を扱う取引所は存在していません。トークンセールが、12月29日にCoinListで行われる予定です。

Agoricに関する情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

Junya Katoをフォローする
スポンサーリンク
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました