Layer1暗号資産

Iron Fish(IRON)の解説

Layer1

Iron Fish(IRON)の概要

Iron Fishは、すべての暗号資産のユニバーサルプライバシーレイヤーを目指す、レイヤー1のブロックチェーンです。暗号資産のシンボルは $IRON になります。

「鉄の魚」を意味するIron Fishの名前のルーツは、第2次世界大戦中に米軍が使っていたコードネームに由来します。当時、米軍はネイティブアメリカンのナバホ語を使い、戦場と秘密通信を行っていました。しかし、「潜水艦」に対応する言葉がナホバ語に存在しなかったため、「鉄の魚」を意味するIron Fishという言葉が充てられました。

Iron Fishにより、様々な種類の暗号資産がIron Fish上にブリッジされ、今まで第三者が追跡可能だった暗号資産の取引においてプライバシーを確保することができるようになります。Iron Fishのプライバシー技術には、Zcash($ZEC)で知られたゼロ知識証明*1の実装であるzk-SNARKs、およびSaplingが採用されています。これらの実績ある技術により、ユーザーは暗号資産の取引において業界最高水準のプライバシーを確保できるようになります。

*1 ゼロ知識証明とは、ある人が別のある人対して、与えられた情報が「真実である」ということ以外の情報を相手に与えずに、その情報が実際に「真実」であることを証明する手法を指します。

分かりやすい例として、AがBの電話番号を知っていることをCに証明します。しかし、AはBの電話番号をCに教えたくありません。そこで、AはBに電話をかけることで、CにBの電話が鳴っていることを見せます。これにより、Aは、CにBの電話番号を伝えずに、自身がBの電話番号を知っていることを証明することができます。

ブロックチェーンでは、ゼロ知識証明により当事者が知っている情報をノードが知らないようにすることで、プライバシーを実現します

Iron Fishは、特にユーザビリティに力を入れ、大規模な分散化を実現しようとしています。Iron Fishは、シビルコントロールにProof of Work(PoW)を採用するものの、エンジニアレベルのスキルがない一般ユーザーでもWebブラウザ上でマイニングできる環境を整えていきます。

2022年1月30日時点、Iron Fishのメインネットはローンチされていません。メインネット立ち上げのフェーズは5段階あり、現在は2段階目にあたるインセンティブ付きテストネットが公開されています。メインネット公開は4段階目に位置づけられており、プライベートな暗号資産取引や他のチェーンとのブリッジが可能になります。Iron Fishでは、この状態を「暗号資産のためのプライバシーレイヤー」「ブロックチェーンのための真のSSLレイヤー」と表現しています。

また、Iron Fishは、2021年11月にシリーズAで、a16zをリード投資家としてElad Gil, Sequoia, Electric Capitalなどから2770万ドルを調達しています。

Iron Fish(IRON)の特徴

すべてのトランザクションが非公開になる

Iron Fishは、Zcashで知られた技術であるzk-SNARKsとSaplingを採用しています。zk-SNARKsは、本来当事者間で対話を行わなければ行けないゼロ知識証明において、非対話性を実現した技術であり、Saplingはzk-SNARKsを用いたトランザクションを大幅軽量化した技術です。

Zcashは、取引がデフォルトでプライバシーが保護されない公開トランザクションになっていますが、対照的にIron Fishはデフォルトでプライバシーが保護された非公開トランザクションになっています。Iron Fishの非公開トランザクションは、取引を行った当事者のみで照会することができ、表示キー(View Key)を利用することで第三者に詳細を表示することができるようになります。これにより、取引の監査が必要になった場合でも、ユーザーが対応できるようになっています。

誰でもノードを構築できる

Iron Fishでは、誰でもノードを構築できるようになります。これは、Iron Fishがほとんどのブロックチェーンにおけるアクセシビリティの悪さを問題視しているためです。Iron Fishは、エンジニアアのみしか構築できないBitcoinのノードが”1万個しかないこと”を例に挙げており、そのためにはアクセシビリティを良くすることが重要だとしています(参考:FAQ)。

具体的に、Iron Fishは2つのアプローチでアクセシビリティの改善を行います。

1つ目は、ノードの通信にNAT(Network Address Translation)を容易に越えることができる通信プロトコルを利用する点です。通常のネットワークは、セキュリティのためにブロードバンドルーターをはさみ、ファイアウォール配下にあります。このような環境下では、一般ユーザーがノードを構築し、NAT越えできるようにするためには、ネットワークの知識が必要になります。Iron Fishのノードは、WebSocketでブートストラップノードへの接続を行い、その後のノード同士の通信でWebRTCを用いる手法をとります。これにより、NAT越えが容易になります。

2つ目は、ノードのユーザーインターフェイスを簡易にするアプローチになります。Iron Fishでは、他のブロックチェーン同様にコマンドラインのインターフェイスを提供する他、Webブラウザでもノードを設定可能にします。

これらのアプローチより、技術スキルに乏しい一般ユーザーがノードを構築できるようにすることにより、Iron Fishネットワークの分散化を促進しようとしています。

マイニング(Proof of Work)を採用している

シビルコントロールにProof of Stake(PoS)を採用したブロックチェーンが増えている中、Iron FishではProof of Work(PoW)を採用しています。つまり、Iron Fishではマイニングを行うことで$IRONを採掘することになります。この理由として、Iron Fishは、PoW, PoS, dPoSの長短所をリサーチした上で、最終的にPoWのシステムが安全で、分散化をするためのより良い方法であると結論付けています(参考:FAQ)。

 

IRON トークン

Iron Fishでは、$IRONトークンを利用したトランザクションを行うことになります。2022年1月30日時点、$IRONの正確なユーティリティは公開されていませんが、マイニングによる発行計画が公開されています。

IRONトークンの発行計画

Iron Fishのマイニングにおけるブロック生成時間は60秒になるように調整され、マイナーがブロックの生成に成功するとブロック報酬と手数料を獲得することができるようになっています。Iron Fishの採掘難易度は動的な仕組みになっており、前のブロックの生成が60秒を切った場合に採掘難易度が上げられ、60秒を上回った場合に採掘難易度が下げられます。

$IRONは、ジェネシスブロックで 42,000,000 IRON が発行され、それ以降はマイニングで新規発行されます。総供給量の上限は 256,970,400 IRON で、チェーンがローンチしてから100年以上はブロック報酬が発生するようになっています。

ジェネシスブロックから最初の3年における$IRONの供給は以下のようになり、総合的な発行ペースは、さらに下のグラフの通りになります。

年数 ブロック報酬(60秒のブロック時間) 総供給
初期発行 0 42,000,000.00
0-1年 20 52,512,000.00
1-2年 19 62,498,400.00
2-3年 18.125 72,024,900.00

IRONの発行計画

IRONトークンの入手方法

2022年1月30日現在、Iron Fishのメインネットがローンチされていないため、マイニング及び取引所から$IRONを手に入れる方法がありません。

Iron Fishでは、インセンティブ付きテストネットを用意しており、テストネットの検証や不具合報告などに参加することで、ポイントを獲得することができ、それをメインネットローンチ後に$IRONに引き換えることができるようになります。インセンティブ付きテストネットへは「About the Incentivized Testnet」からサインアップできるようになっています。

インセンティブ付きテストネットへの参加項目:

  • テストネットのマイニング参加
  • バグの発見
  • テストネットの宣伝
  • コミュニティへの貢献
  • 機能追加や改修要望(プルリクエスト)を提出する
  • その他

Iron Fishに関する情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

Junya Katoをフォローする
スポンサーリンク
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました