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流動性でセキュリティを確保する「Berachain(BERA)」の解説

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Berachain(BERA)の概要

Berachain(ベラチェーン )は、流動性の証明を意味するProof of Liquidity(以下、PoL)に基づいたEVM等価のブロックチェーンです。

Brachainは、Etmereumのスマートコントラクトとツールとの相互運用性をサポートしているものの、EVM環境を完全には複製していないため、100%の互換性を持つわけではありません。技術スタックとして、Cosmos SDKで構築され、コンセンサスアルゴリズムにCometBFT(旧Tendermint)を、さらに優れたEVM体験を実現するためのカスタムモジュールであるPolaris EVMが採用されています。

PoLは、流動性と分散化、バリデーターとプロトコルとの間の一貫性に焦点を当て、従来のProof of Stake(以下、PoS)を改善することを目的としています。これを実現するために、Berachainはガバンストークンの$BGTとガストークンの$BERAから構成される、デュアルトークン制を採用しています。

PoLの仕組みでは、ユーザーはBerachainネイティブの流動性プールに資産を提供すると、$BGTを獲得する事ができます。$BGTは、バリデーターに委任やガバナンスに使用します。また、$BGTを$BERAに一方通行で交換することができます。これにより、PoSのチェーンで見られたステーキングの集中化を防ぎ、トークンの公平な配布を実現することができるようになります。加えて、バリデーターは流動性プールからの収益を得ることもできるようになります。バリデーターの収益性向上は、チェーンのセキュリティとパフォーマンス向上に繋がります。

2024年1月20日現在、Berachainは公開テストネット段階で、メインネットはローンチされていません。

Proof of Liquidity

Berachainでは、チェーンのセキュリティの確保にProof of Liquidity(PoL)を採用しています。これはBerachainオリジナルの方式です。

現在、多くのブロックチェーンがセキュリティと速度、分散化のバランスをとることを目的に、シビル体制メカニズムにProof of Stake(PoS)を採用しています。しかし、チェーンのセキュリティを向上させると、ステーキングによりロックされるネイティブトークンが増えることから、チェーン上の流動性が減るというトレードオフがあります。また、検証作業により新しく発行されたトークンが常に同じ参加者に配布されるため、ステーキングが集中し、分散化の拡大を妨げます。加えて、バリデーターが追加で利益を得られる機会がないため、バリデーターの数が増えない要因となります。このように、PoSでは流動性とセキュリティの拡大に限界があるという問題があります。PoLは、これまで述べてきたPoSの問題点を解決します。

PoLでは、PoSと流動性プールを組み合わせた仕組みを採用しています。ユーザーは流動性プールに流動性を提供することで、ガバナンストークンの$BGT(Bera Governance Token)を獲得します。流動性プールは、BerachainネイティブのDEX「BEX」など、ガバナンスによって承認されたDAppsが対象になります。そして、バリデーターはユーザーから$BGTを委任された重みに基づいてブロックを生成します。Berachainでは、流動性プールの経済的価値の合計がチェーンのセキュリティの大きさとなります。

BerachainのProof of Liquidity

BerachainのProof of Liquidity(What is Proof-of-Liquidity?

バリデーターやデリゲーターは、$BGTインフレ、ブロックに含められた価値(Block Captured Value: BCV)、ガス料金の収入を得ることができます。BCVは、Berachainがネイティブで用意しているDAppsから発生する料金を指します。$BGTは譲渡不可であり、$BERAに一方通行で、1対1のレートで交換することができます。交換が行われた場合、$BGTはバーンされます。

また、PoLにはBribe(賄賂という意味)の仕組みが用意されています。これは、バリデーターがユーザーからの委任を獲得するために、ユーザーに追加のインセンティブを渡せる仕組みです。

BarachainのネイティブDApps

BerachainのネイティブDAppsは、いずれも流動性を提供することで$BGTが獲得できる対象になります。

BEX:分散型取引所

BEXは、BerachainのネイティブDEXです。自動マーケットメーカー(AMM)を採用し、トークンの売買や、流動性の提供を行うことができます。

BEX

BEND:レンディングプロトコル

BENDは、分散型ステーブルコイン$HONEYや、その他暗号資産の貸し借りを行うことができるレンディングプロトコルです。

BEND

BEND

HONEY:分散型ステーブルコイン

HONEYは、既存のステーブルコインをもとに、Berachainネイティブな分散型ステーブルコインの$HONEYを発行することができます。

HONEY

BERPS:無期限先物の取引所

BERPSは、無期限先物の取引所です。ユーザーは、Vaultに$HONEYを提供することにより$BGTを獲得することができます。

BERPS

BGTトークンとBERAトークン

Berachainでは、ネイティブトークンとして$BGTと$BERAを利用します。

BGTトークン

$BGTは、Berachainのガバナンストークンです。ユーザーは、Berachainのガバナンスによって指定された流動性プールに資産を提供すると$BGTを入手することができます。$BGTは譲渡不可であり、指定された用途以外への使い方ができません。

BGTトークンの用途

  • ステーキング(バリデーター、デリゲーター)
  • ガバナンスへの参加(ステーキングが前提)
  • $BERAへの変換

BGTトークンの配布

$BGTの発行に関する詳細は、2024年1月20日現在発表されていません。

BERAトークン

$BERAは、Berachainにおけるガス料金のためのトークンです。$BGTから一方通行で1対1のレートで交換することができ、交換元の$BGTはバーンされます。

BERAトークンの用途

  • トランザクション実行
  • Berachainにおける通貨として

BERAトークンの配布

$BERAは$BGTから1対1のレートで交換されるため、$BERAトークンのインフレは$BGTと同等になります。

BERAトークンが売買できる取引所

2024年1月20日現在、Berachainのメインネットがローンチされていないため、$BERAトークンが売買できる取引所はありません。

Berachainに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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