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柔軟なロールアップを作れるプラットフォーム「AltLayer(ALT)」の解説

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AltLayer(ALT)の解説

AltLayerは、アプリケーション開発者が自身のニーズに合わせた拡張性が高い実行レイヤーを立ち上げるためのロールアップを立ち上げるためのプラットフォームです。モジュール構造を採用することにより、開発者は自身のニーズに応じてロールアップをカスタマイズしてサービスを提供することができるようになります。

独自チェーンの立ち上げの選択肢が、両極端であることが背景にあります。ブロックチェーン上のアプリケーションのニーズの多様化により、開発者はアプリケーションを汎用ブロックチェーン上に展開するか、アプリ専用チェーンを展開するかという選択肢を選べるようになりました。しかし、前者はアプリケーションがチェーンの制約に縛られ、別のアプリケーションによるリソース専有の影響を受けるというデメリットがあります。一方で、後者は開発の難易度が高い上に、チェーンの運用とセキュリティ確保のためにバリデーターを確保するコストがかかります。加えて、アプリケーションが十分に使われない場合にはリソースを無駄することになります。このような問題点を解消するため、AltLayerでは汎用チェーンとアプリ専用チェーンの長所が得られる環境を提供します。

アーキテクチャとしてモジュール式の構造を採用しており、ベースに好みのデータ可用性レイヤーや決済レイヤーを選択できる他、実行レイヤーの仮想マシンとしてEVMやWASMを採用することができます。また、使い捨てが可能なロールアップを立ち上げることにより、アプリケーションの運用における需要の一時的な変化にも柔軟に対応することができるようになっています。

AltLayerのプロダクト

AltLayerは、主に以下のプロダクトで構成されています:

  • リステークド・ロールアップ(Restaked Rollups):任意のロールアップのためのサービスのセット。
  • Rollup-as-a-Service (RaaS) :SaaSのようにロールアップをオンデマンドで立ち上げ、コーディング経験がほとんどない人でも、簡単にそれらを立ち上げることができるようになる。

リステークド・ロールアップ(Restaked Rollups)

AltLayerでは、任意のロールアップのためのベース技術であるリステークド・ロールアップ(Restaked Rollups)によってサービスを構成します。これは、EigenLayer のリステーキングを活用して、ロールアップをより分散化、安全、相互運用可能で効率的にするというものです。

リステークド・ロールアップは、主にVITAL、MACH、SQUADと呼ばれる、垂直統合された3つのサービスセット(Actively Validated Services: AVSes)か構成されています。これらのサービスセットはオンデマンドで作成され、以下の機能を提供します。

  • VITAL:高いセキュリティを確保し、ロールアップのステートを分散的に検証する。
  • MACH:RPC/ブリッジ/取引所に共有セキュリティ保証を提供しながら、秒単位の高速なファイナリティを実現する。
  • SQUAD:単一障害点がない、コミュニティが参加可能な分散型シーケンサーを提供する。

Rollup-as-a-Service (RaaS)

Rollup-as-a-Service (RaaS)は、ニーズに合ったロールアップを簡単に立ち上げられるサービスです。前述のリステークド・ロールアップの技術に基づいて構築され、既存の主要なロールアップスタック、データ可用性レイヤー、決済レイヤー、分散型シーケンサーセット、相互運用性ブリッジをサポートします。

RaaSでは、永続的なロールアップ(Persistent Rollups)と、使い捨てのアプリケーションに合わせたフラッシュレイヤー・ロールアップ(Flash Layer Rollups)と呼ばれるロールアップを利用することができます。前者は既存のロールアップに近いものになります。ここからは、AltLayerによる新しい概念であるフラッシュレイヤーロールアップについて紹介します。

普段は処理容量が十分なロールアップでも、一時的な需要の急増により処理容量が不足し、トランザクション詰まりが起こる場合があります。あるDAppが急激に人気を集める、トークンセール、Play to Earnのゲームイベントやエアドロップはそのような状況を引き起こす代表例です。しかし、最初から突発的な需要をインフラ側で賄えるようにしておくのは、システム全体のリソース配分に無駄が生じることになります。

そこで、AltLayerではフラッシュレイヤーと呼ばれるロールアップを提供します。フラッシュレイヤーでは、サービス事業者が一時的に急増した需要を処理するためのロールアップを素早く立ち上げることができるようになります。そして、需要が一段落した後にロールアップを廃棄することができます。廃棄されたロールアップで作成された資産は、ベースチェーンに移動されるため資産が消えることはありません。

Flash Layerの仕組み

フラッシュレイヤーの利用例として、NFTのミントイベントがあります。この手のイベントは、数分から数時間、長くてもせいぜい数日の期間しか続きません。そのため、NFTのミントイベントを見越したロールアップの処理容量を最初から確保しておくことは、リソース最適化の観点から効率的ではないといえます。

ミントイベントを実施する際に、サービス提供者はフラッシュレイヤーを使ってNFTミント専用のロールアップを割り当てます。これにより、ミントイベントが他のオンチェーン活動から隔離され、ネットワーク混雑の影響を回避することができるようになります。また、ユーザーにとってはNFTのミントをスムーズに行えることにつながります。ミントイベント終了後、サービス提供者はロールアップを廃棄します。最終的にロールアップで扱われてたNFTなどの資産は、ベースチェーンに移動されます。

このような仕組みにより、フラッシュレイヤーではユーザーエクスペリエンスを損ねることなく、かつ流動性が大きいチェーンに資産を留めることが可能になります。

ALTトークン

AltLayerではネイティブトークンとして$ALTを発行します。詳しくは「AltLayer’s ALT Token Launch」から確認することができます。

ALTトークンのユーティリティ

  • ステーキング:リステーキングされた資産と一緒にステーキングを提供。
  • ガバナンス:ガバナンスの決定について投票
  • インセンティブ:エコシステムオペレーターへの報酬
  • プロトコル料金:ネットワーク内のサービス料金のしはリア

ALTトークンの配布

$ALTは、初期供給量が11億枚、最大供給量が100億枚になります。以下の内訳に応じてトークンが配布されます。

対象 比率
Binance ローンチプール 5.0%
チーム 15.0%
投資家 18.5%
戦略アドバイザー 5.0%
プロトコル開発 20.0%
エコシステム&コミュニティ 15.0%
トレジャリー 21.5%

ALTトークンを売買できる取引所

AltLayerに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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