Layer1プロジェクト解説

MoveVM を使った初めてのオムニチェーンプラットフォーム「Mango」の解説

Layer1
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Mango Network(MGO)の概要

Mango Networkは、Move仮想マシン(MoveVM)を採用したブロックチェーンとして、初めてオムニチェーンアプリケーションの実現を可能にするレイヤー1のブロックチェーンです。

MoveVMは、Metaの仮想通貨プロジェクトDiemから派生し、主にAptosSuiを通じて普及が進んでいます。MoveVM用の開発言語であるMoveは、高い安全性と信頼性を特徴とし、堅牢なアプリケーション開発に適しています。しかし、これらのチェーンは外部チェーンとの連携が困難で、資産移動には手動のブリッジ操作が必要でした。そのため、複数チェーンをまたぐアプリケーションの利用は、ユーザーにとって大きな障壁となっていました。

このような問題を解決するために、チェーン抽象化技術が登場しました。この技術を搭載したブロックチェーンでは、オムニチェーンアプリケーション(オムニ=あらゆるの意味)の実装が可能になります。ユーザーは単一のチェーンを操作するだけで、複数のチェーンを連携させることができ、チェーンの種類を意識する必要がなくなります。2024年9月現在、EVMベースのZetaChainやWasmベースのNEARなど、チェーン抽象化に対応したチェーンが存在しますが、MoveVM対応のものは存在しませんでした。

Mango Networkは、MoveVMを採用した初のオムニチェーンプラットフォームとして、この課題を解決します。Mango Networkと接続している外部チェーンをMangoから直接イベント処理するオムニチェーンスマートコントラクトのほか、従来のクロスチェーンブリッジと同様の動きを可能にするクロスチェーンメッセージングを備えます。これにより、Move言語のアプリケーション開発者は、Mango Networkを利用することで、より容易にオムニチェーンアプリケーションを開発・展開することができるようになります。

Mango Networkの特徴

オムニチェーンアプリケーションの実現

Mango Networkは、革新的なオムニチェーンアーキテクチャを採用しています。このアーキテクチャにより、ユーザーはMango上での操作だけで他のチェーンとのやりとりを完了できます。同様に、開発者もMango上にアプリケーションのロジックを構築するだけで済むようになりました。

このアーキテクチャは、Mangoのメインチェーンコントラクトと接続先チェーンのモジュールコントラクトで構成されています。メインチェーンコントラクトが中心となり、モジュールコントラクトと連携して、ユーザーの求める結果を効率的に提供します。

さらに、このアーキテクチャには優れたユーザー体験だけでなく、他の利点もあります。クロスチェーン操作の際に余計なブリッジが必要ないため、ガスコストを抑えることができ、トークンも1種類で済みます。また、アプリケーションはMove言語で開発されるため、クロスチェーン環境においてもMove特有の高いセキュリティを維持できます。

Mango Networkのオムニチェーンアーキテクチャ

Mango Networkのオムニチェーンアーキテクチャ

ゼロ知識証明の機能を提供

Mango Networkにはゼロ知識証明の機能が提供されます。これにより、ユーザーに取引の匿名性を提供できるほか、ゼロ知識証明によるデータ整合性の保証や、クロスチェーントランザクションにおける有効性の検証を実行できます。

Mango Moveを採用

Mango Networkでは、Move言語としてMango Moveを採用します。これは、AptosやSuiで採用しているそれとは微妙に異なり、DiemからのMove言語を独自に改良したものです。

MGOトークン

Mango Networkは、2024年9月20日現在テストネット段階であり、$MGOはローンチされていません。

Mango Networkに関する情報

 

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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