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【インタビュー】第2弾:Teburaの高木氏をインタビュー 後編 これからの方向性、コミットメント、そして現在の日本の状況で思うこと

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一般の人々から見ると、仮想通貨とは怪しいものであり、ブロックチェーンに関するプロジェクトのICOにお金を投じるのは単なる投機行為と見られがちです。しかし、その背景には人々が挑戦するドラマが秘められています。

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そんなインタビュー第2弾は、Teburaのプロジェクトの責任者を務める株式会社セームページの高木昭博氏にお話を伺いました(高木の”高”は正しくはハシゴ高ですが、ブログシステム文字化けの都合で”高”で表記します)。

Teburaのプロジェクトでは、NinjaCoinを使い地方の観光業者に資金を循環させることを目的としています。

本インタビューは長時間にわたり行われたため、全部で3部構成になります。3部目となる後編では、Teburaプロジェクトの内容を高木氏に自ら語っていただき、主にICOについて現状どう思っているかを訊きました。

まだ前の内容を読んでいない方は、まずは以下をお読みください。

Teburaの高木氏インタビュー 後編

ロードマップについて

Web上で公開されているロードマップは2018年まで公開されていますが、今後考えている構想をお聞かせください。

高木:ロードマップ自体はもう少し詳細に詰めないと思っていますけれども、金額の集まり具合次第ですが8月末にプライベートセールを終了して、そこから3週間くらい空けてパブリックセールをして、その後に仮想通貨取引所に上場を目指して動いていこうと思っています。

NinjaCoinの流通量を上げるという点で、多言語サイトの制作であったりとか、暗号通貨決済のプラグインであったりとかを開発していきます。今4つの仮想通貨決済をP2Pで行える仮想通貨決済システムを作っています。

パートナーについて

パートナーが強力に見えます。どういう営業をしたら開拓できるのでしょうか?

高木:やっぱりご縁ですね。例えばHISさんだと飛び込みで営業して、インバウンドの人にたどり着きました。本当にテレアポとかです。

本当に泥臭い営業ですけどね。ドン・キホーテさんですとかは展示会の帰りのバスで一緒になって、僕が忍者の格好をしていて「忍者ずっと気になってました」と言われました(笑)

やっぱりそこなんですね!忍者のところに反応するんですね!

高木:たしかに、忍者は大きいですね。あとは、バイクシェアさんはMITのコンテストつながりで、前社長がMITつながりで紹介をいただいています。あとは、チームメンバーだとうちのビジョンに共感してもらって入ってきてもらっています。本当にもう人とのご縁ですね。

やっぱりベースになっているのは、皆さんビジョンに共感してもらっているというのがあって、これから中央集権のWebサービスは廃れていくし、資本主義の歪みにも彼らは気が付いていて、持続可能性が高いものじゃないと彼らは思っているので。

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プロジェクトへのコミットメント

高木:これはできれば記事に書いてもらっていいですか?一般の読者さんに刺さるかどうかは分からないですけど・・・

どんなのですか?どんどん言ってください。

高木:チームメンバーの90%以上がNinjaCoinに投資してるんですよ。他のプロジェクトって名前貸しの人達ばっかりなんですよ。言ってしまえば。プロジェクトを信頼していないってことなんですよね。プロジェクトを信頼して自分で持ち出しをして、なおかつ手弁当で手伝ってもらっているプロジェクトってのは、うちの強みってビジョンだと思っているので、そう言った意味でビジョンに共感している人は多いんじゃないかなと思います。

なるほど、皆さんがそこにコミットしているということですよね。

高木:そうですね。お金を持ち出してコミットしているというのは全然違うと思います。そのハードルって。

違いますね、確かに・・・・

高木:是非色んなプロジェクトに聞いてみて欲しいです。何人がアドバイザーとして入って、何人がお金を入れているのか。

一番きつい質問かもしれないですね。面白そうですから他の人たちに聞いてみたいと思います。

高木:多いプロジェクトだと20人、30人とメンバーリストが並んでいますが、本当に何人がお金を入れてるんだろうと思います。成功報酬で名前と顔を出していれば、彼らとしてはリスクはないですからね。でもそれって投資家をだましていると思うんですよね。本当にそのプロジェクトを信じていない人たちが顔出ししているっていうのは、ちょっと違うんじゃないかなと思ったりもします。

日本でのICOの規制について

日本はICOの規制が厳しいですが、実際に高木さんはICOをしてみて日本でICOをすることの難しさというのを教えていただけないでしょうか。

高木:本当にすごいフランクに言ってしまうと、日本とかアジア圏ってマルチ商法やネットワークビジネスの力って強いんだと思います。どうしても日本で売れているプロジェクトって、個別名詞で言うと、○○○だと代理店報酬が40%だったりとか、そういうのってわかりやすいんだと思います。

例えば、僕らがブルーオーシャンから入るっていう戦略もベンチャー企業からすると当たり前ですけど、ICOをするのであればもっと大きいことしなよと思われるんですよね。そういった意味で、日本人から資金調達をするのは、想定より反応が悪いかなというのは1つありますね。

あともう1つは規制当局ですね。規制に関して皆さん保守的なので、ポジティブにものごとを変えていこうという人がやっぱり海外と比べると少ないんじゃないかなと思っています。本当はICOに関わる投資家の皆さんや事業者が自らリスクを取って規制を作っていこうと流れが僕は自然だと思ってるんですよ。

でも、日本だとどうしてもトップダウンになって、トップダウンで金融庁が言うので、じゃあ金融庁に従って金融庁の枠組みの中でやっていく。でもそうなると10年前のFX業界のみたいに規制が緩い国に行ったりとか、税金が緩い国に良いプロジェクトが出ていくのは判ってるんですよね。

この人たちはわかっていないで制度設計しているんだろうなと感じるところはありますね。

高木:彼らもお役所で彼らの立場があるので、僕らはそれに反対するわけではないのですけれども、事業者側もどんどん前に出て良いプロジェクトが広がっていけば、悪いプロジェクトはその分減っていきますし、投資家もこういう風なことを言っていて時価総額を見ろと言ってICO事業者が言っていると。

たしかにボーナスレートを見てもICO割れしているところがほとんどだってなると、それは別に今の投資家さんでもわかると思うんですよ。だけど、それを規制している方々もそうですし、日本のインフルエンサーもそうですけど、日本人の投資家は教育しても賢くないから成長しないと言っているのは、僕とは意見は違いますね。

僕自身も賢いわけじゃなくて、単純に情報が集まるところに僕がいるだけなんですよ。ただ、情報格差があるが故に損をしている人達がいるので、その情報格差を埋めれば日本でもICOだったり、暗号通貨という市場は残っていくし広がっていくんじゃないかなと思います。

そうですね。そこの想いは私も共感できるところで、情報格差のところが今の日本はひどいなと感じています。今の段階で暗号通貨に手を出した人たちって、将来的に十分に先行者利益を十分に得られるポジションにいると思うんですよ。

時代的に暗号通貨、その技術含め普及していく確率は1万パーセントだと思っているので、後退はあり得ないと思ってるんですよね。

情報格差があるが故に、弱い立場の人たちが騙されてお金をむしり取られ、そうするとこれからイノベーションに対して払う為のお金が死に金になってしまうと思うんですよね。これって社会的に大きな損失になっていると思います。

高木:そうですね。うちの場合は最少額は2万円からなのですが、本当に少額でもその人に関わってもらって、プロジェクトを見てもらって、実際に詳しくなっていって、ICOやベンチャーに対して知識を向上してもらうというところで、例えば、2万円分関わっているけれど、将来的にはそれが200万円-2000万円になる学習リターンかもしれないと思うんですよね。

プラスアルファベンチャーって失敗するので、そういったリスク管理もしつつ、無理しない範囲でICOに参加していただければそんなに被害も大きくならずになるんじゃないかなと思います。

凄いざっくばらんにお話しすると、僕は英語ができるんですよね。学歴は全然ないんですけれども。でも、英語ができるが故に、英語の情報の方が2年くらい早いんですよね。

日本のインフルエンサーの人達でも英語ができるから新しい情報が入ってくるけれども、その人達が本当に自分の頭を使って得た情報ってのはそこまで多くないんですよね。例えばこんなのです。

これ海外で書かれた2年前の情報になります。日本のインフルエンサーでもこれだけの情報格差なので、インフルエンサーとその下の人達との間にはさらに情報格差があるので、ただそれって単位に情報を知らないだけだと思うんです。情報を知っていれば日本人って全然ポテンシャルがあるんと思うんですけどね。

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ICOにお金を投じるときの考え方

ICOにお金を入れている人の話を聞くと、私もその一人なのですが、結局ICOが出過ぎてタマ切れになるんですよね。私みたいに、入れたくても入れられないという方は多いと思います。

高木:そうですよね。先週の火曜日にミートアップをしたのですが、ICOしている人達は投資慣れしておらず、ギャンブルになっている人も多いと感じています。

たぶん、タマ切れと言ってもほとんどの人は1件に20-30万円は突っ込んでいないと思いますね。でも、やっぱりその人は本当に20-30くらいに突っ込んで行って、そのうちの1個が大当たりになればいいとは思っています。投資家目線で行くとです。

そうですね、本質的にはベンチャー投資ですからね。私の知り合いで元ベンチャーキャピタルをしていた方がいるのですが、だいたい資金管理の配分として1000社に1社当たればOKという計算をしていましたよ。

高木:そうなんですか!?1000社に1社は、、、そんなに少なくはないと思いますけど。

ICOの1年後の成功率は5%と言われてますから、1000社に50社になります。そうすると、ICOの方があたりの率は高いように感じます。

高木:そうですかね。どちらかと言うとICOの方が率が悪い気がしますけれどね。ベンチャーキャピタルの場合は詐欺がないので。ICOの場合ははなから詐欺が多いので。

そうですね、本当に最初から数を分けてやるというのは、その資産がいきなり100倍にはならないかもしれないですけれども、トータルで見ると学習リターンとして入ってくるところがあるので、投資のスキルも上がりますし、僕としてはICOの方が良いとは思いますね。

なるほど。

高木:僕は今投資はしていませんが、ICOで応援してもらっている立場ですが、自分が世の中を変えると思う面白いプロジェクトに時間を使わせてもらっているんですね。そういう体験や学習にこれから重きを置くのではないかと思っています。

詳しくロジカルに言えないですが、僕らの世代って、お父さんが高度経済成長期に頑張ってある程度お金を得たけれども、そこまで幸せになっていないなというのを見ていると思います。

そうですね、見てますね。

高木:なので、ちょっと価値観が違うんだと思います。単純にお金を儲ければ幸せになるという価値感ではなくて、自分がもう少し心が気持ちよくなるような仕事をしていたいであったりとか、考え方を持っていたいであったりとか、もしかしたら家族の時間をもう少し使うほうが幸せだったりとかだと思います。

色々な価値観の多様性が出てくる中で、短期的に1億円を得たとしても、1億円はあっという間になくなってしまいます。人によっては、会社によってもそうですけれども。投資リテラシーであったりとか、10年20年の長いスパンでちょっとずつ成長していって自力が上がっていくやり方の方が僕はいいんじゃないかと思います。

高木さんにとってのICOとは?

高木さんにとってのICOとは何でしょうか?

高木:僕にとってのICOとは、ICOというより分散型プロジェクトというのはインターネットよりインパクトが大きいんじゃないかと思っていて、Windows95の時にインターネットが普及して、僕らはまだ資本主義の中で効率性を高めるというところにフォーカスして生きてるんですよね。

分散型の考え方や社会のあり方っていうのは、もしかしたら今の資本主義をアップデートするものじゃないかと思っていて、今までは1%のお金持ちが99%の人達を管理していて、それに対して疑問を持っている人達がビットコインやイーサリアムに乗っかって暗号通貨が広がってきてということを考えると、やっぱり1つの企業が複数の国や複数の人達を管理するという矛盾に気づき始めている人たちがいると感じます。

それを分散化してしまうともしかしたら3年後とかに、僕らのものの考え方や自分たちのキャリアの選び方、そして社会のあり方自体を変える可能性があると思っています。

一番大きい点で言うと、小さい個人投資家がネットワークに対して報酬を受け取れる設計にすることによって、その人達が力を持つような、今までトップの人達が持っていたものを民衆が力を取り戻すようなインパクトがあるものだと思っています。

経済の民主化がより進むという感じでしょうか。

高木:そうですね。

長い時間ありがとうございました。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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