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2020年末のビットコインの価格予測モデルの答え合わせと今後の見込み

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2020年、ビットコイン価格は過去最高値を更新しました。そして、いくつか存在しているビットコインの価格予測モデルでは、2020年末にかなり高い価格になることを予想したものがありました。そこで、この記事ではそれぞれの価格予測モデルがどれだけ実際の価格に近かったのか、答え合わせをしていきます。

2020年末におけるビットコイン価格予測モデルの答え合わせ

Bitcoin Spreads Like a Virus

Bitcoin Spreads Like a Virus」は、Timothy Peterson氏によるビットコインの価格予測モデルで、ビットコインのネットワーク効果に注目したものです。

このモデルのベースとなる考えは、メトカーフの法則になります。この法則では、ネットワーク通信網の価値が、接続されているシステムのユーザ数の2乗に比例するとされています。

ここでポイントなのが2乗に比例するという点です。累乗の要素は、合計値を著しく増加させるため、ビットコインのユーザ数が増えれば増えるほど、ビットコイン価格が大きく上がるということがいえます。

Bitcoin Spreads Like a Virus についての詳しくは、当サイトの過去の記事をご覧ください。

ネットワーク効果から導くビットコインの将来価格
ビットコインには、様々な価格予測モデルが存在します。一番有名なのは、PlanB氏が提唱しているStock-to-Flowモデル(当メディアの解説記事)になります。 PlanB氏のものは、ビットコインの希少性に注目したものになっているのに対し...

この論文の発表日は2019年の4月23日であり、その時点のビットコイン価格は約5,572ドルでした。

実は、この価格予測モデルは後述するモデルと比べて保守的になっています。実際の予測を見ていきます。

2020年末のモデル価格:10,459ドル

2020年末の実際の価格:28,653ドル

実際の価格が、モデル価格の2.74倍という数字になりました。ただ、長期目線でみると、モデルが示す価格は、現時点からは想像し難い価格になっています。詳しくは、是非過去の記事をご覧ください。

Stock to Flow Model

Stock to Flow Model」は、PlanB氏による、最も有名なビットコインの価格予測モデルです。

ビットコインそのものは収益性がないアセットであるため、BSやPLなどの財務データを使って価格を算出することはできません。そのため、別のアプローチをしたのがこのモデルです。

より具体的には、現在のビットコインの備蓄量(=Stock)と年間新規供給量(=Flow)の比率(=Stock to Flow: SF)を算出し、その比率から市場規模を推定、さらにそこから1ビットコインあたりの価格を割り出すというものです。1ビットコインあたりの価格が推定できる理由は、SFと市場規模には高い相関性があることがわかっているからです。そして、ビットコインの総供給量や新規供給量が決まっており、あらゆる数値のデータが透明性をもって取得できることも、理由の1つとしてあげられます。

主要アセットのSFと市場価値との関係(現状)

主要アセットのSFと市場価値との関係(モデル発表時点のBTCのSFは25)

Stock to Flow Modelについての詳しくは、以下の記事にて解説しています。

統計データからみた半減期前後の価格推移、ビットコイン価格はどこへ行く?(後編)
ビットコインの半減期が2020年5月に控え、ブロックチェーンメディアのニュースでは半減期に関する記事が増えてきました。実は、2020年は仮想通貨の半減期ラッシュになります。 半減期を迎える仮想通貨は価格が上がると言われていますが、実際のとこ...

さて、ここから実際にStock to Flow Modelによるビットコイン価格について見ていきます。

このモデルが発表された日は、2019年3月23日で、当時は1ビットコインあたり4,035ドルでした。モデルで示された価格は、当時では信じがたいほどの高値であり、2020年末の時点では以下の通りでした。

2020年末のモデル価格:25,519ドル

2020年末の実際の価格:28,653ドル

モデル価格と実施の価格には、3000ドル程度の誤差がありますが、価格変動幅が大きいビットコインにおいては、あまり気にするほどの差ではないと捉えることもできます。

実は、Stock to Flow Modelには、リアルタイムで予測価格と実施の価格との乖離具合を確認できるサイト「Bitcoin stock to flow model live chart」が存在します。ご自身で確認して、たまに答え合わせをしてみると面白いかもしれません。

今後のビットコイン価格予測

主要モデルのビットコイン価格予測

ここからは、ビットコインの予測価格を見ていきます。いずれも2021年12月末の価格になります。

Bitcoin Spreads Like a Virus:21,386ドル

Stock to Flow Model:106,200ドル

2021年1月1日時点で、既に前者の予測価格は超えてしまっています。後者のStock to Flow Modelでは、2021年末は年初のビットコイン価格の3倍以上の価格になるという、非常に強気ともとれる予測値になっています。

より精度が高いであろうビットコイン価格予測

現時点で、Stock to Flow Modelの精度は高いと判断できますが、より精度が高いであろう価格予測モデルが存在しています。

Stock to Flow Modelを考案したPlanB氏は、その後の2020年4月28日に「Stock to Flow Cross Asset Model」を発表しています。現在、PlanB氏はStock to Flow Modelではなく、Stock to Flow Cross Asset Modelの方を推すことが多くなっています。

Stock to Flow Cross Asset Modelでは、ビットコインをアセットのステージごと(だいたい半減期の期間と重なる)にグループ分けし、そのステージごとのSFと価格の相関性を見出すことを行いました。具体的にアセットのステージは、以下のように定義されています。

  • ステージ1「概念実証」 (S2F 1.3、市場価値 100万USドル)
  • ステージ2 「ピアツーピア支払いシステム」 (S2F 3.3、市場価値 5800万USドル)
  • ステージ3「電子-ゴールド」 (S2F 10.2、市場価値 56億USドル)
  • ステージ4「金融資産」 (S2F 25.1、市場価値 1140億USドル)

2021年1月現在、ビットコインのステージは金融資産に該当します。

そして、Stock to Flow Cross Asset ModelはステージごとにSF値が決まっており、SF値によって市場価格が決まります。つまり、いまの金融資産のステージのSFを知ることによって、そのステージにおけるビットコインの市場規模を推定することができ、さらにそこから1ビットコインあたりの価格を予測することができます。

Stock-to-Flowと市場価値の関係に金と銀を追加したもの

Stock-to-Flowと市場価値の関係に金と銀を追加したもの(出典元:Bitcoin Stock-to-Flow Cross Asset Model)

このモデルでは、金融資産のステージにおいて、ビットコインの市場規模は5.5兆ドルに達する見られています。その根拠は、SFの値と市場規模が非常に高い重相関を示しているからです。そしてこの市場規模になると、1ビットコインあたりの価格は28.8万ドル(日本円で約2,972万円)になると見込まれます。

このステージは、現在から次の半減期前が見込まれる2024年4月後半までになるため、モデル通り価格が推移していれば、3年4ヶ月以内にはビットコイン価格がものすごいことになっているかもしれません。

Stock to Flow Cross Asset Modelについては、当サイトで過去に解説記事を作成しています。興味がある方は、以下の記事をご覧ください。

2020-2024年のビットコイン価格は?ビットコイン価格予測の新モデル「Stock-to-Flow Cross Asset」モデルの紹介
ビットコインの半減期が2020年5月12日に迫っており、ブロックチェーン業界では半減期後のビットコイン価格がいくらになるのかの議論が盛んになっています。その議論の過程で、様々な価格予測モデルが考案されています。 ビットコインの価格予測モデル...

免責事項:この記事は、あくまでも既存のビットコイン価格の予測モデルを元にしたものであり、投資を推奨するものではありません。万が一、投資をして損失を被ったとしても、当サイトでは一切の責任を負いません。投資は、くれぐれも自己責任で行ってください。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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