DAppsプロジェクト解説

DAOのための定期払いDApps「Superfluid」の解説

DApps
スポンサーリンク

DAOが広がる中、貢献者への給与支払いのソリューションが登場しつつあります。その中でもSuperfluidは、カスタムマネー作成できるDAppsでステーブルコインDAIを運営するMakerDAO Growthが採用した実績を持ちます。

今回は、具体的にSuperfluidがどのようなDAppsなのか、取り上げていきます。

Superfuild の概要

Superfluidは、トークンに機能を追加するスマートコントラクトのフレームワークです。公式ブログでは、Superfluidのことを次のように表現しています。

Superfluid is a smart contracts framework that adds functionalities to crypto tokens.

具体的には、Superfluidはトークン(DAI, ETHなどが対応)に定期支払い機能を付与するDAppsです。現在、SuperfluidはxDAIとPolygonのチェーンに対応しています。トークンはxDAIではxDAIのみ、PolygonではETH, DAI, MATICに対応しており、自分でトークンを追加することもできます。

Superfluidでは、既存のトークンを定期支払い等の機能が追加されたトークンに変換します。このようなトークンのことをスーパートークンと呼びます。これにより、1回のGAS代支払いだけで、定期的にスーパートークンを支払うことができ、結果として大幅なGAS代を節約することができます。また、Superfluidでは複数の人にまとめてトークンを送ることができます。そのため、分散的なイベント運営などで、複数の貢献者に対し、一度にまとめて支払いを実行することができます。

定期支払いの特徴として、一度支払い設定をしてしまうとウォレットの残高に関係なく定期支払いが継続します。ウォレットの残高が不足すると自動的に定期支払いが解除されます。また、支払いに充てられる資産がロックされるわけではないため、ウォレットの残高には注意しておく必要があります。加えて、マルチシグネチャに対応したウォレットを活用することで、支払いを間接的に保証することができます(詳細)。

Superfuild の機能

2021年11月4日現在、Superfluidのダッシュボードで公開されている機能はストリーミング(定期支払い)のみです。前述の通り、Superfluidはフレームワークであるため、エンジニアであれば、機能を自分で作成することができます。エンジニア向け参考資料:

例では、Superfluidのダッシュボードを使って、毎月100DAIxを定期支払いしてみます。MetaMaskとGoerliテストネットワークを使うことで、誰でもSuperfluidの機能を無料で試すことができます。

また、一連の手順例は動画にて公開しています。併せてご覧ください。

支払側:

1. ダッシュボードにアクセスし、Goerliテストネットワークのウォレットを接続します。

2. 緑のボタンをクリックし、テストトークンを発行します。

3. [Deposit]を選択し、DAIxをスーパートークンに変換します。ここでGAS代がかかります。

4. [Send]を選択します。受取側のウォレットアドレスを設定し、通貨としてDAIx、金額を100、支払い間隔として/monthにして、[Start streaming]をクリックします。

5. これで、預けた資産(500DAIx)の残高が尽きるまで、DAIxを送信し続けます。

6. 受取側は、この状態ではウォレットに反映されず、ダッシュボードから確認することができます。

※Metamaskに反映させる方法もありますが、今回は割愛します。

受取側:

受取側のダッシュボードでは、以下のように資産残高が時間経過とともに増えていきます。

資産を引き出したい時は「ー」をクリックすることで、いつでも元のトークンに変換することができます。

まとめ

今回は、給与支払いDAppsのSuperfluidを紹介しました。

このSuperfluidを利用することで、トークンをDAOやプロジェクトの貢献者に対して定期支払いすることができます。また、フレームワークを使うことで、開発者がさまざまな機能が追加されたカスタムマネーを作成することができます。

Superfluidは、2021年9月15日にステーブルコインDAIを運営するMakerDAO Growthが採用したことで話題になりました。

スポンサーリンク
この記事を書いた人

Hello, token economy.

JPYC株式会社でブロックチェーンリサーチャーとして働いています。

個人では濱口幹久感謝トークンを発行しており、感謝配りお兄さんとして感謝を配っています。Token economyを社会実装するべく、精進いたします。

専門はxDAIとPolygonのアプリです。

Mikihisa Hamaguchiをフォローする
TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
タイトルとURLをコピーしました