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メタバースの計算基盤「Computecoin(CCN)」の解説

Layer1

Meta(旧Facebook)社が、年間100億ドル規模のメタバースへの投資を発表したように、いよいよメタバースの普及に向けた体制が整っています。そして、Web3.0業界でも同じくメタバースへの開発・投資が盛んになっており、Computecoinはその中のいちプレイヤーです。

Computecoinの概要

Computecoin(コンピュートコイン)は、主にメタバースのための計算力確保を、低コストで分散型、かつ効率よく行うためのコンピューティングネットワークです。プロジェクトは、2018年から米コロンビア大学Chong Li博士による基礎研究から始まり、現在はコンピューター科学に長けたメンバーで構成されています。

メタバースの処理を行うためには膨大な計算力が必要となりますが、中央集権的なアプローチでは大きな制約が生じます。例えば、Meta(旧Facebook)社のOculasは、ユーザーの環境から膨大な量のデータを取得してクラウドに送信します。このような処理方法では、クラウドの膨大なリソース(計算力やストレージなど)が必要になります。そして、送るデータ量が多いと多くのネットワーク帯域が必要となるため、利用できる環境が必然的に限られてしまいます。また、中央集権的なアプローチでは、一度に同じ空間に収容できる人数に限りがあることから、擬似的に仮想世界がつながっているように見せる必要があり、仮想世界の実現度合いは決して高いわけではありません。

Computecoinでは、Web3.0環境においてメタバースのような膨大なリソースが必要なアプリケーションを快適に実行できるようにするために開発されました。そして、前述のOculasで見られるような問題を解決するために、効率が良いリソース確保ができる仕組みを設けています。

Web3.0の世界には、既に様々なインフラストラクチャが存在しています。例えば、計算力はInternet Computerで確保することができ、ストレージはFilecoinCrustなどで確保することができるようになっています。しかし、開発者がこれらの技術特性を把握し、組み合わせてアプリケーションに落とし込むのは難しくなっています。Computecoinでは、これらのリソースを集約し、かつブロックチェーンを使って計算結果の証明を可能にすることで、アプリケーションに対して信頼できる計算力を提供できるようにします。

Computecoinそのものは、メタバースを意識して作られていますが、その特性から従来のWeb2.0サービスをホストできるようになっています。そこで、Computecoinは、技術を活用した社会問題解決の取り組みとしてAfrica 2.0に参画しています。デジタルインフラの配置が偏るが故に、均質なITサービスが提供できないサハラ以南のアフリカにおいて、分散型コンピューティング技術を使ってITサービス機会の不平等を解消しようとしています。

2022年3月現在、Computecoinはテストネットのフェーズ2「Huygens」の段階にあります。同年Q2に、メインネットのローンチが予定されています。テストネットの改善を加速させるために、Computecoinはできるだけ多くのマイナーのマシンをホストすることに重きを置いています。しかし、この段階ではネットワークで動作するアプリケーション数が乏しいため、マシンをホストすることで、Computecoinが接続しているWeb 3.0インフラストラクチャのトークンをマイニングすることができるようになっています。このような取り組みにより、テストネットの改善を加速させ、メインネットのローンチ時に潤沢なリソースが確保できるようにしようとしています。

Computecoinの2つのコア要素

Computecoinでは、以下の2つのコア要素により膨大なリソース確保、信頼できる計算結果の確保、そして実装の簡易化を実現します。

  • PEKKA
  • MCP (The Metaverse Computing Protocol)

Computecoinのレイヤー

PEKKA

ComputeCoinが特徴的なのは、自分たちでメタバースをはじめとするすべてのアプリケーションのリソースを提供するのではなく、既存の優れた分散型インフラストラクチャのリソースを最適配分して使うという点です。それを実現するのが「PEKKA」と呼ばれるWeb3.0のインフラストラクチャへのアクセスを集約するレイヤーです。

PEKKAで集約するリソースの対象は、Internet Computer のような分散型コンピューター、FilecoinやSwarm、Crustのような分散型ストレージなどが含まれます。また、データセンターを集約することもできます。そして、PEKKAでは単にインフラストラクチャを集約するだけではなく、ユーザーのタスク処理時間が最小になるように、近接ネットワークで処理を行うようにします。どの近接ネットワークにタスクを配置するかの決定は、AIによって行われ、機械学習により随時最適化されるようになっています。

このように、PEKKAでは、世界中のWeb3.0のインフラストラクチャを使うことで、ユーザーに低コストで即時性のある計算リソースを提供することができるようになります。

MCP (The Metaverse Computing Protocol)

PEKKAでインフラストラクチャへのアクセスが最適化されたとしても、残るのが「計算結果が本物に正しい保証があるか?」という点になります。この問題を解決するレイヤーが、Layer1ブロックチェーンの「The Metaverse Computing Protocol(以下、MCPと表記)」です。MCPは、近接ネットワークの処理について「処理結果が確かであることを確認すること」を保証するものになります。

ComputeCoinでは、ノードは非許可でネットワークに参加することができるようになっています。これは、悪意のある処理結果を返すノードが入ってくる可能性があるということを意味しますが、ネットワークからこのようなノードを排除する必要があります。その仕組みを実現するのが、特許取得済みのコンセンサスアルゴリズム「PoH (Proof of Honesty)」です。

PoHは、おとり捜査の発想にもとづいています。ユーザーは、オフィサー (Officer)と呼ばれる役割になることができ、オフィサーがフィッシングタスクをノードに送信します。オフィサーは、最初からフィッシングタスクの処理結果を知っているため、ノードが知っているものと違った結果が返ってきた場合、そのノードは不正をしているとみなすことができます。ノードの不正が発覚すると、システムによってノードがステーキングしている$CCNが取り上げられるようになっています。

また、MCPはInternet ComputerやFilecoinなどのPEKKAで集約しているインフラストラクチャのチェーンと相互接続しています。これにより、ユーザーは接続先のチェーンのトークン($FILや$ICPなど)を個別確保する必要がなく、$CCNを支払うだけで済むようになります。

機能面について、MCPではデータ構造にDAGを採用しています。DAGでは即時ファイナリティが可能であり、さらにMCPではシャーディングが有効であることから、20,000 TPS以上のトランザクション性能を確保することができます。また、メタバースアプリケーション用のライブラリやSDKが提供されるため、開発者はメタバース開発がやりやすくなります。そして、MCPは独自VMの他にEVMにも対応しているため、EthereumやPolygonなどでアプリケーションを開発している人は、アプリケーションを簡単にMCPに移植することができます。

CCNトークン

CCNトークン(以下、$CCNと表記)は、Computecoinにおけるネイティブトークンを使用します。$CCNは、PEKKAのリソース購入(計算力、ストレージ)やガバナンス、ノードへのステーキングに利用されます。

CCNトークンの配布

$CCNは、合計20億枚が発行され、以下の配分に基づいてリリースされます。

  • 65%:マイニング報酬
  • 15%:チーム(48ヶ月間リリース)
  • 10%:初期投資家(プライベートセール:12ヶ月間リリース、パブリックセール:8ヶ月間リリース)
  • 10%:Computecoin財団(36ヶ月間リリース)

最も多くの割合を占めるのがマイニング報酬です。マイニング報酬は、ノードやPoHのオフィサーに対して支払われます。しかし、マイニング報酬はすべて即時が配布されるわけではなく、報酬の75%が180日間に渡り配布、25%が即時配布となっています。これは、ComputeCoinが止めてはいけないインフラである性格を持つことから、ノードによる報酬の持ち逃げをできなくし、ネットワークにコミットせざるを得なくなるようにしているためです。

CCNトークンのマイニング

$CCNをマイニングするには、マイナーは機材を揃えてマイニングパスを購入する必要があります。マイニングパスの購入は、Computecoinが発行するドル連動型のステーブルコイン$USDMを使用します。マイニングパスは、ネットワークに提供したい計算力が大きければ大きいほど高くなります。また、マイニングパスの購入に使用された資金で、$CCNの買い戻しとバーンが行われます。

マイニングパスを取得すると、マイナーには1週間のお試しマイニング期間が与えられます。しかし、この状態だとマイニング報酬が低いままになるため、マイナーは計算力に応じて$CCNを担保に入れてステーキングする必要があります。担保があることで、担保なしのときと比べてマイニング報酬が10倍になります。最終的に、360日後に担保が自動的に返却されます。

ツール郡

Computecoinでは、2022年3月時点でメインネットが未ローンチながら、既に以下のツール群の構築に取り組んでいます。

  • Ale Wallet:Ale Walletは、$CCNの資金やアプリケーションにアクセスできるようにするブラウザ拡張機能型及びモバイルのウォレットです。
  • DECO:DECOは、開発者や誰でもブロックチェーンブラウザを通じて任意のPythonコードを書き、実行することができるWebプラットフォームです。
  • DeBox:DeBoxは、Computecoin上に構築されたNFTストレージプラットフォームで、ユーザーはオフチェーンNFTデータを簡単かつ安全に保管することができます。
  • Uverse:Uverseは、自分自身や好きな有名人など、誰にでも似ているバーチャルな人間を登場させるAI駆動の動画を作成します。

専用ウォレット「Ale Wallet」

Computecoinは独自チェーンになるため、専用の「Ale Wallet」(ブラウザ拡張 / iOS / Android)を利用します。ウォレットは、作成からインターフェイスまで、ほぼMetaMaskの踏襲になっているため、MetaMaskの利用になれたことがある人であれば迷わない作りになっています。2022年3月時点、Ale Walletはテストネットに対応しています。

Computecoinのウォレット「Ale Wallet」

Computecoinに関する情報

ComputecoinのAMA&エアドロップキャンペーン開催

Computecoinの日本語Twitterアカウントでは、AMAの参加特典としてのエアドロップキャンペーンを開催します。配布される$CCNはテストネットコインになりますが、メインネットローンチ時にメインネットトークンにスワップすることができます。

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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