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プライバシーを実現するプラットフォーム「Aleo(ALEO)」の解説

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Aleo(ALEO)の概要

Aleo(エイリオ)は、ユーザーの個人情報を保護することが可能なプライベートアプリケーションを実現することができるプラットフォームです。Aleoそのものはブロックチェーンであり、独自トークンの$ALEOが用いられます。

現在のWebサービスは、ユーザーの情報を収集する前提で成り立っています。このような状態は、ユーザーと企業共にリスクをもたらします。ユーザーは、企業が情報を悪用したり漏洩したりするリスクを受け入れざるを得なくなります。企業にとっては、ユーザーの情報を安全に保管するための、人的あるいは技術的なコストを支払う必要があります。また、万が一漏洩した際の訴訟や補償のリスクを負うことになります。Aleoではこのようなリスクに対処することができるアプリケーションを構築可能にします。

Aleoでは、プライベートアプリケーションを実現するために、ゼロ知識証明を利用します。これにより、ユーザーは個人情報を渡すことなくWebサービスを利用することができるようになり、サービス提供者は必要以上にユーザーの情報を保管しなくて済むため、両者のリスクを低減することができます。

Aleoはプライベート取引ができるという点では、他のプライバシー対応のブロックチェーンと同様ですが、大きく異なるのがWeb用に重きを置いて作られているという点です。Aleoでは、既存のソリューションの置き換えるのではなく、既存のWebアプリケーションと統合可能なプログラミングモデルを採用しています。

また、Aleoは資金調達規模が大きいプロジェクトであり、これまでに合計228Mドルを調達しています。投資家には、a16zやCoinbase Ventures、SoftBank Vision Fundなどが参加しています。

Aleo(ALEO)の特徴

PoWとPoSの特性を持つハイブリッドなネットワーク

Aleoは、PoWとPoSの特性を併せ持つハイブリッドなネットワークを構成しています。

Aleoでは、独自のソリューションであるZEXE(Zero knowledge EXEcution)のライブラリを通じてzk-SNARKsを実装しています。zk-SNARKsの計算量は多く、Aleoでは証明を生成するためのプルーバー(Prover)ノードが介在します。プルーバーはGPUもしくはCPUでPoSW(Proof of Succint Work)による計算を行い、証明を生成します。

また、Aleoのブロックチェーン自体はPoSベースのコンセンサスメカニズムであるAleoBFTを使用しています。バリデーター(Validator)は、トランザクションのブロックを検証・確認し、ブロックを生成する際にプルーバーからの証明を含めます。自身がバリデーターにならない場合は、ステーカー(Staker)としてバリデーターに検証作業を委任することができます。

ゼロ知識証明たのめのOSと仮想マシン

Aleoでは、ゼロ知識証明のためのOS「snarkOS」と仮想マシン「snarkVM」を実装しています。

snarkOSは、プルーバーやバリデーター上で実行される、プライベートアプリケーションのための分散型OSです。単一の実行証明でトランザクションを検証し、Aleoブロックチェーンのステートを維持することにより、OS上で機密性を確保したアプリケーションを実行することができるようになります。

snarkVMは、Aleoにおける仮想マシンです。オフチェーンで計算を行い、オンチェーンでは検証可能な証明のみを必要とするようにします。これにより、リソースへの負担を最小限に抑えながらトランザクションを迅速に処理できるようにします。

RustベースのLeo言語

Aleoでは、アプリケーションの実装にRustベースのLeo言語を利用します。Leoは、静的型付けの関数型プログラミング言語で、強力なブロックチェーンネイティブ構文と堅牢なエラー処理を備えており、デフォルトでプライベートなアプリケーションを開発することができるようになっています。開発者は、ゼロ知識証明に対する知識がなくても、これまでのアプリケーションと同様の感覚でプライベートアプリケーションの構築を行うことができるようになります。

ALEOトークン

Aleoではネイティブトークンとして$ALEOを発行します。$ALEOは、Aleoクレジットと呼ばれています。詳しくは「Introducing Aleo Credits」から確認することができます。

ALEOトークンの用途

  • リソースへのアクセス:ブロックスペースや計算リソースへのアクセス
  • 報酬:プルーバーやバリデーター、ステーカーへの報酬
  • ガバナンス:プロトコルのアップデートや変更への投票

ALEOトークン配布

$ALEOの初期供給量は15億枚で、その後はインフレによって増えていきます。初期配分の割合は以下の通りです。

  • 35%:早期支援者
  • 25%:一般配布
  • 16%:会社・財団
  • 16%:従業員・貢献者
  • 8%:戦略的パートナー

メインネットローンチ後、プルーバーとバリデーター、ステーカー向けに$ALEOがインフレしていき、総発行量は10年で約2倍になります。年が経つにつれて、追加で発行される$ALEOの数量が少なくなっていきます。

以下は、メインネットローンチからの$ALEOの発行推移です。Coinbase Rewardsがプルーバーとバリデーター向けの報酬で、Staking Rwardsがステーカー向けの報酬になります。

$ALEOの発行推移

$ALEOの発行推移(引用:Introducing Aleo Credits

ALEOトークンを売買できる取引所

2024年1月10日時点、$ALEOを売買できる取引所はありません。

Aleoに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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