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Common (CMN) ~Aleph Zero公式のプライバシーDEX

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Common (CMN) の概要

Common は、Aleph Zero解説記事)のプロジェクト公式の分散型取引所(DEX)で、DEXにおいてトランザクションを非公開にする取引を実現することができます。

その重要性を理解するには、現在のDEXの現状を知る必要があります。Uniswapを契機に、数多くのDEXが登場しており、多くはEthereum互換の透明性の高いブロックチェーン上に構築されています。これらのDEXは、誰もが取引を検証できる利点がある一方で、一般ユーザーにとって深刻な課題も抱えています。特に顕著な問題が、プライバシーとMEVに関するものです。

プライバシーの観点から、現行のDEXでは取引内容が完全に第三者に追跡可能です。大口ユーザーにとって特に深刻なこの問題は、過去の取引履歴やウォレット情報が公開されることで、戦略的な取引を著しく困難にします。

MEVの代表的な問題として、フロントランニングが挙げられます。この攻撃手法では、攻撃者がmempool(実行前のトランザクションがたまるメモリのこと)を監視し、他のユーザーの大口注文を検出した後、より高いガス料金で先行して注文を実行します。結果として、元のユーザーは不利な価格での約定を強いられることになります。

Commonは、これらの従来のDEXが抱える構造的な課題を解決します。Aleph ZeroのzkOSによりプライバシーを保護し、高速なコンセンサスアルゴリズムにより、ユーザーに快適な取引環境を提供します。

2024年11月現在、CommonはAMM DEX方式のバージョン1.0であり、プライバシー機能は未実装です。プライバシー機能を備えたCommon 2.0は、2025年第1四半期にリリースが予定されています。将来的には、マルチチェーン対応、板取引、機関投資家向けコンプライアンス機能、DEXアグリゲーターなど、さまざまな機能拡張が計画されています。

Commonの機能ハイライト

スワップ機能(Swap)

スワップ機能は、資産の交換機能です。一般的なAMM DEXと使い勝手は変わらないものの、EVMチェーンのようなトークンの承認は不要で、かつAleph Zero WASMによる高速性を享受することができます。スワップは3秒程度で完了します。

Commonのスワップ機能

流動性提供(Pools)

流動性提供は、流動性の提供機能です。Uniswap v2 方式を踏襲しており、米ドルベースで1:1になるように、資産ペアを流動性プールに提供することができます。

Commonの流動性提供機能

ブリッジ(Bridge)

ブリッジでは、Aleph Zero WASM 及び Aleph Zero EVM、そしてEthereumとの間で$AZEROのブリッジをすることができます。ブリッジそのものはサードパーティのものを使わず、Aleph Zero公式のクロスチェーンブリッジのMOSTを採用しています。

Commonのブリッジ機能

シールド(Shield)※デモ段階

シールド機能は、Common 2.0 から追加される機能で、2024年11月時点ではデモ段階です。デモでは、同一アドレス上でトークンのプライバシー化や解除、また送信を行うことができるようになっています。この機能の実現にはzkOSが使われており、ゼロ知識証明の生成が0.4~1.0秒と、実用的な速度を提供します。

Commonのシールド機能

CMNトークン

Commonでは、ユーティリティトークンとして$CMNが発行されます。

$CMNは、最終的にAleph Zero WASMの$AZEROステーカー及び、Commonの流動性提供者に配られます。$CMNの入手は、引換券に相当するトークン$CSDもしくは$CLDとの交換により行います。

$CSDの配布は、$AZEROステーカー向けのCommon Staking Dropsに基づき実施されます。特定のスナップショット日のステーキング量に応じて配布量が決定されます。また、$AZEROのステーキングを長期間行っている人に優遇措置があります。

$CLDの配布は、流動性提供者向けのCommon LP Dropsに基づき実施されます。同様に、スナップショット日の流動性提供量に応じて配布量が決定されます。

2024年11月時点で、$CMNのトークノミクスおよび、$CSD $CLD の交換方法は公開されていません。

Commonに関する情報

 

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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