インタビュー

プラチナエッグ 竹村也哉氏 ブロックチェーンゲーム CROSSLINK について訊く 第1部

株式会社プラチナエッグ 竹村氏 インタビュー
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まだ世間からの認知が低いブロックチェーンゲーム。しかし、そこに可能性を見出し、ブロックチェーンゲームを注力事業にしているゲームメーカーがあります。今回はその中の1つ、株式会社プラチナエッグの代表、竹村也哉氏に現在開発中のブロックチェーンゲーム「CROSSLINK」(クロスリンク)について詳しく訊きました。

このインタビューは複数回に渡りお送りします。第1部では、ブロックチェーンゲームの開発を通して見えてきたブロックチェーンゲームの問題点、CROSSLINKはどのようなゲームかをご紹介します。

プラチナエッグ竹村也哉氏 ブロックチェーンゲーム CROSSLINK について訊く 第1部

株式会社プラチナエッグ 竹村氏

竹村氏の自己紹介

加藤:初めてこの記事を読む人のために、軽く自己紹介いただけますか。

竹村:株式会社プラチナエッグの竹村といいます。ゲームを作って20年になります。ここ2年は、ブロックチェーンゲームに注力していて、株式会社プラチナエッグはブロックチェーンの会社として頑張ろうとしているところです。

加藤:ブロックチェーンゲームはまだ歴史が新しいですが、そのような業界においてプラチナエッグさんは開発経験が多かったと記憶しています。ここ最近の開発実績はいかがですか?

竹村:ここ1,2年で、ブロックチェーンゲームには5本関わりました。あとは、上場企業のブロックチェーンゲームのコンサルティングにも複数関わっています。

2019年のブロックチェーンゲーム業界から見えてきた既存ブロックチェーンゲームの問題点とは

加藤:ここ1年ブロックチェーン業界の変化があまりにも速かったと私自身は感じています。ブロックチェーンゲームに限ってみた場合、竹村さんからみてここ1年はいかがでしたか?現場サイドから見て率直に感じたことを教えてください。

竹村:業界が速いので、1年前は相当昔だなという感じがします(笑)1年前にちょうどマイクリプトヒーローが出たので、ちょうど1周年かという感じですね。他の業界の何年か分は動いていると思います。

ただ、ブロックチェーンゲームの認知度でいうと、そんなに変わってないんじゃないかなと思います。

ブロックチェーンゲームの中にいると、TwitterなどのSNSで好きな人が集まってはいるので目立っているようには見えるのだけれども、実際はブロックチェーンゲームについて聞いたことないですという人の方が大半だと思うし、やったことない人ばかりですよね。

ここ1年でマーケットが10倍になったというイメージではないです。ブレイクスルーが起きているという感じもないし、DappRaderを見てても1年に10倍になったということは絶対にないです。

加藤:ブロックチェーンゲームは、よくユーザーの熱量が高いと言われますが、そうではないのでしょうか?

竹村:確かに高いとは思います、ただそれ以上にブロックチェーンゲーム会社のマーケティングによるものも大きいかと思います。

加藤:これは記事に書きづらいことを言いますね・・・

竹村:おそらくTwitterでアクティブにつぶやいている人を詳細に調べると、ユーザーがごく限られてくるはずです。普通のゲームと比べると遥かに下になってしまうと思います。全体的に、ゲームのTwitterアカウントのフォロワー数を見ても少ないです。人数が少ないコアなコミュニティは盛り上がりやすいです。

加藤:実際ゲームタイトルは増えているのでしょうけれども、ユーザーがついてきていないということなのですね。

竹村:ネットで検索するとわかるのですが、アクティブなタイトルが減ったという記事が出てきます。要は、死んだタイトルが増えたということです。ただ、出ているタイトルはだんだんリッチになってきていますね。

それでも、やはりブレイクスルーが起きていない。新しいものが出てきて、これで伸びたぞという感じがない。具体的にタイトルをあげると、Knight StoryやInfinityStarは違うところを模索している感じがありますが、まだこれからなのだと思います。

私自身は、従来からのブロックチェーンゲームのモデルに限度があって、このままだとユーザー数が頭打ちになると思っています。

加藤:それはどういうことですか?

竹村:従来のブロックチェーンの致命的なところは、投資家とゲーマーが同じというところだと思うんですよ。

加藤:これはブロックチェーンゲームの、大きな特徴としてよく言われる部分ですね。

竹村:そうです。ゲームセンターで見た場合、プレイヤーがゲームセンターの中だけで資産価値を含めたエコシステムを回そうとしているのが従来のブロックチェーンゲームのモデルです。

実際のゲームセンターだと、ゲームセンターの店長は別ですよね。世の中は汎用的にこうなっていて、遊ぶ人がいてオーナーは別にゲームを知っている必要がない。

ゲームをしない人がコンテンツを提供する形にしないと、ブロックチェーンゲームは広がっていかないのではないかと考えています。

加藤:これは興味深いですね。なぜそのような考えに至ったのですか?

竹村:ブロックチェーンゲームのユーザー数が少ないのが明確で、ブロックチェーンゲームのユーザー数が少ないのはウォレットや仮想通貨を持っている人が少ないという話があります。

加藤:その話は、ブロックチェーンのUI/UXの問題としてよく言われていますね。

竹村:それでもユーザー数が増えていないので、ユーザー数が増えない原因は多分そこじゃないと思っています。最近のブロックチェーンゲームは、仮想通貨を持っていない人でも遊べるようにしているのですが、それでもユーザー数が増えない。となるとUI/UXの悪さと別のところに原因があるのじゃないかと思っています。

加藤:なるほど。それがエコシステムそのものの構造だったと考えたわけですね。

竹村:そうですね。先程の例で例えるなら、ゲームセンターの店長とゲームを遊ぶ人って違うじゃないですか。おそらくブロックチェーンゲームだと、ゲームセンターと構造の収益分配モデルを作れるはずです。ゲームセンターもパチンコ屋もそうなっているわけで、ブロックチェーンだったらこれを実現できるはずです。しかも、法律に抵触していない形でそれが実現できるのです。

加藤:そうなると、今つくっているCROSSLINKは、ゲームセンターのようなエコシステムの考え方を取り入れてゲームを作っているわけですね。

竹村:そうですね。だから、オーナーは遊び場を提供して、そこで遊んでくれる人がいたら儲かるようになっています。現実のゲームセンターのオーナーは、ゲームは強くなかったり、ゲームを全く知らない場合もあるはずです。それは、何も間違っていなくて、オーナーはどうやって人を定着させるか考えている。ゲームセンターのオーナーがやることはそれなんです。

CROSSLINKでいうと、土地のオーナーがイベントをやって人が来れるようにするとか、他のオーナーとタイアップするとか、みんなが楽しめるものを提供できていれば良いと思っています。

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CROSSLINKとはどのようなゲームなのか

CROSSLINK

加藤:だんだんCROSSLINKの内容に入り始めているので、ここからゲームについて聞いていきます。そもそも、CROSSLINKというのはどのようなゲームなのでしょうか?

竹村:GPS連動型の、現実世界とバーチャルの世界が繋がるゲームです。もっとキャッチーなワードがないとユーザーが増えないと思っていて、それがすごいボスを倒してすごい賞金をゲットしようと、賞金1億円みたいな感じのキャッチーなところを打ち出していきます。なんというのかな・・・すごい賞金が入る、繋がるゲームですね!

加藤:以前竹村さんにクリプトダービーのインタビューをした時は、現実的にブロックチェーンゲームは稼げるということを推さなければ集客できないと話してましたよね。

竹村:私はそう思います。他のタイトルを見ていてもそう感じます。

CROSSLINKでは法律の範囲で、宝くじみたいなことをやっていこうと思います。合法宝くじです。宝くじをやっていれば、人は増えるだろうという考えはありますね(笑)だってみんな宝くじ好きですし。

加藤:合法宝くじといいますが、どうすると合法になるのですか?

竹村:賭博罪などの法律に触れないということになるのですが、賭博罪の定義というのは条件があって、AかつBかつCみたいな感じになります。単純にいってしまうと、経済的価値があるものを出して、それを運の要素で、増えたり減ったりするということです。それをAかつBかつCのところを、Bはないからという感じにすると、合法になるわけですよ。

加藤:なるほど、一部の条件を外すのですね。

竹村:例えば、増えたり減ったりするという部分を除くのが一番楽で、お金が増えるかイコールであれば合法になります。減ることがないということです。ブロックチェーンでは、みんなでお金を出してプールして、ステーキングして、一人だけに報酬を払うというやり方をすると、損しない合法宝くじができます。それ以上はまだ秘密です!

加藤:竹村さんは、以前IOSTのステーキングに関するイベントでそのような話をしていましたね。あれは、そのような理屈だったのですね。

竹村:なので、CROSSLINKではゲームはあまりやらないけれども、お金を出してステーキングするという人がいれば、ゲームのエコシステムが拡大できると思っています。ステーキングしてお金増えればみんなやめないじゃないですか。

なので、ゲームにガチ勢ではなく、そのようなゆるくやる人がいればいいと思っています。ゲームリリース時に、まずはゆるい人をたくさん集めていこうと思っています。ゆるい人がたくさん増えてきたら、そのあとガチなプレイヤーは勝手についてくると思っています。例えば、ゆるい人が100万ゲットだぜとなったら、ガチな人は自分がやったらもっと簡単にできると思うじゃないですか!

加藤:そうですね。私は、ゲームではないですが、直近でそう思った経験があります。

竹村:多分、CROSSLINKでは最初にガチなゲーマーは来ない。なので、先ほどの理由で辞めないゲームになっていて人が留まって、賞金が入ってくるのであれば、最終的にガチゲーマーは来ると思っています。

加藤:ここまでエコシステムに注目してきましたが、実際にゲームのコンテンツとしてはどのような形になるのですか?

竹村:基本的にはボスを倒してアイテムをあつめ、武器を強くしてレベル上げしましょうというゲームです。それで、世界中の色々なところに色々なボスがいて、倒すと色々なアイテムが手に入るし、もしかしたらお金も入りますよという感じになります。

あとは、それに付随してアバターアイテムがあるので、着飾りたいならそういうアイテムを集めていきます。やるのはそういうことですね。

さらに、ゲーム内の土地買った人がイベント開催してくれたり、ご当地ヒーローと連携して、そういうところにインセンティブを出そうとしています。アイテムの種類やイベントの種類が増えていき、ブロックチェーン的にいうと、中央集権だったらできないことが、運営が分散することでできるようになることがたくさん出てくるようになります。

イベントもアイテムも、ユーザーが投稿できるようにしようと思っています。リリース時には間に合わないですが、すごいモデル作れる人がすごいアイテムを作って、インセンティブをもらえるようにします。

第2部の予告

いかがでしたでしょうか。

第1部では、ブロックチェーンゲームの開発を通して見えてきたブロックチェーンゲームの問題点、CROSSLINKはどのようなゲームかをご紹介してきました。

続く第2部では、CROSSLINKの世界観や他のブロックチェーンゲームとしての差別化点をご紹介します。

第2部はこちら▼

プラチナエッグ 竹村也哉氏 ブロックチェーンゲーム CROSSLINK について訊く 第2部
まだ世間からの認知が低いブロックチェーンゲーム。しかし、そこに可能性を見出し、ブロックチェーンゲームを注力事業にしているゲームメーカーがあります。今回はその中の1つ、株式会社プラチナエッグの代表、竹村也哉氏に現在開発中のブロックチェーンゲー...

CROSSLINKに関する情報

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当メディアの竹村氏への取材記事

【インタビュー】プラチナエッグ 竹村氏

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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