プロジェクト解説

Nodle(NODL)の概要と解説

プロジェクト解説

Nodleの概要

Nodleは、Polkadotベースの分散型IoTネットワークで、何十億ものIoT(モノのインターネット)デバイスを安全にかつ低コストで接続できる環境を提供し、データの流動性を生み出します。

Nodleの開発された背景は、既存のIoTネットワークの敷居の高さにあります。既存のIoTネットワークは、中央集権型であるために高いインフラ設備の構築費用や維持費用がかかり、限られた企業しか恩恵に預かることができませんでした。そして、それ故に接続できるデバイスや通信形式が限られ、汎用性が低いことから、集められるデータには限りがあり、幅広い分野への応用ができるものにはなっていませんでした。

Nodleは、Substrate(Polkadot)上に構築された独自ブロックチェーン「Nodle Chain」を開発し、ブロックチェーンの自律分散性を活用したインフラを提供します。Nodle Chainの暗号資産Nodle Cash(NODL)を使ったインセンティブの仕組みが組み込まれています。NODLの仕組みにより、より多くの数、種類のデバイスがIoTネットワークに接続できるように促していきます。具体的には、Nodle SDKが組み込まれたアプリケーションを搭載するデバイス(スマートフォン、その他ネットワーク製品)がBluetoothを使い、IoTデバイスのデータを収集し、Nodleネットワークを介してデータを欲している利用者に向けて送信します。送信した人は、報酬としてNODLを獲得するようになっています。

Nodle の概要

また、NodleはPolkadotエコシステムとの横展開のパートナーシップを行っており、2021年4月29日には、PolkadotのDeFiのハブを提供するAcalaとのパートナーシップを発表しました。これにより、NODLのDeFiアクセスが容易になります。

Nodleの特徴

接続可能なIoTデバイスのカバレッジが極めて広くて多い

Nodleでは、ブロックチェーンを組み込んだネットワークを構築する以前の2017年からIoTネットワークを提供しています。このネットワークは、Bluetoothとスマートフォンアプリを組み合わせた汎用的なものが使われています。汎用性を実現するのが、Nodle SDKです。NodleはIoTでデータを収集したいアプリケーション開発者や通信会社にSDKを提供しています。Nodle SDKを組み込んだアプリケーションを実行するデバイスは、容易にIoTデバイスにアクセスしてデータを収集することができるようになります。

このアプローチの有効性は、Nodleが2019年4月10日に実施した実験結果「Nodleネットワーク密度レポート」から確認することができます。レポートでは、Nodle SDKを搭載した3,053,134個のユニークノードが、Bluetooth LEでIoTデバイスの配置を収集しました。その結果、参照可能なIoTデバイスの台数は63,334,775台にのぼりました。日本の東京北部に絞ってみた場合、Nodle SDKを搭載した39,795個のユニークノードが観測され、716,487台のIoTデバイスが参照可能であることがわかりました。これはあくまでもIoTデバイスがNodleネットワークから参照可能になるということであり、IoTデバイスのデータを収集できると同義ではないので注意が必要です。

東京北部におけるNodleで参照可能なIoTデバイスのカバレッジ(色付きの部分)

東京北部におけるNodleで参照可能なIoTデバイスのカバレッジ(色付きの部分)

このように、NodleのBluetoothを使ったアプローチは、大量のIoTデバイスのデータを収集できる可能性があることが、実験で明らかになっています。

また、NodleはCisco Merakiとパートナーシップを組み、エンタープライズ向けクラウド管理型ネットワーク製品シリーズ「Cisco Meraki」にパートナーソリューションとして「Bluetooth-based asset tracking」を提供しています。これは、Cisco Merakiの製品にソリューションをインストールすると、Bluetoothを介してIoTデバイスのデータを収集できるようにするというものです。エンタープライズ向け製品とNodleが統合することにより、容易にオフィスや工場のような環境にあるIoTデバイスからデータ収集することができるようになります。

分散型ネットワークでIoTの参入敷居を下げる

Nodleのエコシステムにおいて、IoTデバイスのデータを収集して利用する人たちをサブスクライバーと呼びます。Nodleを利用することにより、サブスクライバーは自前でIoTネットワークを構築することなく、IoTデバイスのデータを収集することができるようになります。その代わり、IoTデバイスのデータ提供者であるネットワークコントリビューターに、バリデーターを介してNodle Cash(NODL)を支払う必要があります。

IoTデバイスのデータのやり取りは、分散型ネットワークの「Nodle Chain」を介して行われます。Nodle Chainは、遅延耐性を持つネットワークであり、データのやり取りを高速に行うことができるようになっています。チェーンそのものはSubstrateベースになっているため、Polkadotのパラチェーンオークションで十分なコミュニティ投票が獲得できれば、他のパラチェーンと連携したサービスを実現することができます。

しかし、サブスクライバーやネットワークコントリビューターにとって、信用できないバリデーターの存在は、本当にデータを流通させてよいのかという不安材料につながります。そこで、Nodle Chainではバリデーターへの参加はNodleによる承認制になっています。厳密には、Nodleが審査するのはバリデーターの候補になります。さらに、バリデーター候補は、Nodle Cash(NODL)を保有する人から投票を受けて信任されることで正式にバリデーターになることができます。つまり、Nodle Chainには、EOSのDPoSに似た仕組みが導入されています。また、初期段階においては、Nodleがバリデーターそのものを選ぶようになっています。

Nodleエコシステムの概要

Nodleエコシステムの概要

プライバシー保護の仕組みが用意されている

Nodle Chainは、信頼できるバリデーターで構成されるものの、ほぼオープンなネットワークになっています。そこで問題なのが、プライバシーになります。そこで、Nodle Chainではいくつかのプライバシー保護の仕組みを設けています。代表的なものを以下に記載します。

1つ目は、証明書によるアクセス制限になります。IoTデバイスに証明書を組み込む事により、データへのアクセスを特定の人に制限します。

2つ目は、個人特定ができる情報を収集しないようにしている点です。個人情報保護の規制に準拠するため、Nodleネットワーク上ではエッジノードにランダムな識別子(RID)が割り当てられ、データ提供の身元が判りづらくなります。しかし、特定のユースケースで、サブスクライバーがデータを収集するエッジノードを特定したい場合があります。そのために静的なID(USDID)の割当も可能になっています。USDIDは、エッジノードのMACアドレスとサブスクライバーの開発者キーを使いハッシュ化することで生成されるため、他のネットワーク参加者が当事者を特定できないようになっています。

また、Nodleは、鍵や残高、取引の機密性確保といった、さらなるプライバシー確保のためにゼロ知識証明の活用を検討しています。

Nodle Cash(NODL)

NODLトークンの概要

Nodle CashアプリNodleエコシステムでは、報酬や手数料にNodle Cash(NODL)が利用されます。NODLは、サブスクライバーがサービス利用料として支払うことになるほか、バリデーターはブロック報酬を獲得することができるようになっています。最終的に、IoTデバイスのデータを提供したネットワークコントリビューターは、NODLを受け取ることができるようになっています。

ネットワークコントリビューター得られるNODL報酬は、Proof of Connectivity(接続の証明)のアルゴリズムにより決定されます。報酬額は、送信されるデータの価値、ローカルノード密度、レイテンシー、難易度係数により決定されます。例えば、エッジノードが少ないエリアで、生成されたデータをすぐにバリデーターに送信すると高い報酬が得られるといった算出がなされます。

既にNodle Cashアプリはリリースされており、ネットワークコントリビューターになってみたい人はアプリをダウンロードすることができます。Androidバージョンは、アプリをバックグラウンドで実行することができるため、より多くのNODLをためることができます。

Nodle Cash

Nodle Cash
開発元:Nodle
無料
posted withアプリーチ

NODLトークンの配分

NODLは総発行数が21億枚に設定されており、うち60%はエコシステム貢献者に割り当てられます。また、エコシステム貢献者分の発行が終了すると、データ需要に応じた収益シェアモデルに移行します。割り当ての内訳は、以下のトークン配布割合に基づきます。NODLについての詳しくは、公式サイトのトークンミクスのページから確認することができます。

NODLのトークン配分

NODLのトークン配分

Nodle のユースケース

Nodleは、IoTの汎用的なネットワークとして構築されているため、様々なユースケースに柔軟に対応することができます。Nodleのホワイトペーパーでは、以下のユースケースをあげています。

ネットワークサービスとして見た側面:

  • IoTネットワークとしてのデータ通信
  • 地理的な位置情報を利用したサービスと位置情報の証明
  • マイクロペイメント

業務用アプリケーションとして見た側面:

  • COVID-19の感染追跡のような、デジタルコンタクトトレーシング
  • 品質保持が求められる医療用品の追跡
  • 小型家電などの紛失時の追跡、遠隔無効化
  • 産業機械の状況監視、在庫流通の適正化
  • メーターデータの収集
  • IoTデバイスの更新プログラムの配布
  • スマートシティ
  • 人口密度や人の動向、交通密度や動向の計測
  • メッセージ通知のための通信手段
  • IoTデバイスの監視
  • 位置の証明
  • ライドシェアリング
  • シェアリングエコノミー
  • 土壌や家畜のデータ収集を活かした農業の効率化
  • GPSが機能しない場所における自動車の位置捕捉
  • 建設現場の状況監視
  • 経済動向予測行うためのビッグデータ取得
  • 高級品の追跡や認証データの提供

Nodle の公式情報

この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTオーナー。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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TOKEN ECONOMIST(トークンエコノミスト)
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