プロジェクト解説

TimeCoin Protocolの概要と利用者メリット

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インターネット上のプラットフォームを介して個人間で物品やスキル等をシェアしていく新しい経済の動きであるシェアリングエコノミーは、2030年には市場規模が11兆円を突破すると予測されています(一般社団法人シェアリングエコノミー協会調べ)。

一方で、事業者はシェアリングエコノミーのサービス拡大が困難であるという現実に直面しており、それらがシェアリングエコノミー普及の足かせになっています。TimeCoin Protocolは、シェアリングエコノミーのあり方を抜本的に変えるべく、ブロックチェーンを利用したプラットフォームを提供します。

TimeCoin Protocolの概要

TimeCoin Protocolのレイヤー

TimeCoin Protocolは、日本の上場企業である株式会社グローバルウェイ傘下の株式会社タイムチケット(以下、タイムチケット社)が開発を行っているシェアリングエコノミーのための分散型プラットフォームです。TimeCoin Protocolでは、誰もがそれを使ってシェアリングエコノミーサービスを立ち上げられるようになっており、サービス上ではTMCNトークンを利用します。TMCNトークン自体は、法令遵守の観点からスイスの関連会社TimeTicket GmbHにより発行されています。プラットフォーム開発元であるタイムチケット社は、日本国内でスキル共有を行うシェアリングエコノミーサービス「タイムチケット」を運営しており、この分野における運営ノウハウを有しています。TimeCoin Protocolは、既存の事業で明らかになった問題を解決し、シェアリングエコノミーを効率・活性化化する手段としてブロックチェーンを使った実装を行っています。

既存のシェアリングエコノミーにおける深刻な問題の一つが集客になります。シェアリングエコノミー事業者の主な収益源は仲介手数料になるため、ユーザー1人あたりの額は決して大きくありません。事業を採算に乗せるには、サービス事業者はユーザーのリピート回数を上げて、ユーザーを増やすしかありません。これらを実現するには、莫大なマーケティングコストが必要になるため、多くの事業者が採算に乗せることができずに撤退していきます。これは、たとえ社会的に必要とされるシェアリングエコノミー事業を行ったとしても、高確率で継続できなくなるということを意味します。

そこで、TimeCoin Protocolでは、ブロックチェーンが持つ「情報を共有することができる特性」を活かし、シェアリングエコノミーのサービスを容易に展開できるプラットフォームを開発しました。事業者にとっては、ユーザーをサービス間で共有することにより集客コストを大きく下げる事ができるようになります。また、ユーザーにとっては、既存サービスの評価を別サービスに引き継ぐことで、別サービスでゼロから評価を蓄積することなく、自身のPRを行うことができるようになります。さらに、TimeCoin Protocolでは、ステーキングなどの暗号資産しかできない機能を活かし、ユーザーに新たな体験を提供していきます。

なお、当メディアでは過去に、株式会社グローバルウェイ/TimeCoin ProtocolのCEO各務正人(かかむ まさと)氏にインタビューを行っています。

TimeCoin Protocolの特徴

誰でもシェアリングエコノミーサービスを立ち上げられる

TimeCoin Protocolでは、開発者用にフレームワークが用意されており、誰もがTimeCoin Protocolを使ってシェアリングエコノミーの分散型アプリケーション(DApps)を立ち上げることができます。

TimeCoin Protocolを利用することで、スマートコントラクトでシステムが自動実行されるため、シェアリングエコノミーのサービス提供において日々の運用に仲介者が必要なくなり、コストの大幅削減につながります。しかし、現実的にはユーザー対立などが起こるため、完全無人の自動化ができるわけではありません。そこで、仲裁が必要な場合に備えて、人を介入させることができるようになっています。

ユーザーのサービス間の横断が容易になる

TimeCoin Protocolのユーザー共有

従来のシェアリングエコノミーでは、ユーザーの評価データを他サービスに持ち出すことができません。そのため、ユーザーが新たに他サービスを使う場合には、評価の積み上げ直しが必要になります。これには時間がかかる上に、仕事に関するシェアリングエコノミーでは高い単価で受注できずに機会損失を被ることになります。また、新規のサービス事業者は莫大な集客コストを払わなければなりません。

TimeCoin Protocolを利用することで、ユーザーは他サービスに自分の評価を引き継げるようになります。これにより、ユーザーは他のシェアリングエコノミーサービスでも利益機会の獲得が容易になります。また、新規の事業者にとっては、ユーザー獲得が従来よりも容易になります。そして、これは既存の事業者にもメリットをもたらします。例えば、ゲームが好きなユーザーは、アニメなどのサブカルチャーが好きな傾向があります。つまり、相性が良いサービスが増えていけば、それだけ既存の事業者のユーザー獲得機会も増えていきます。

タイムチケット社は、上記の好循環を生み出すために、自ら実際にTimeCoin Protocol上で構築されたサービスをリリースします(詳細は後述)。

ブロックチェーンならではのサービスが実現できる

TimeCoin Protocolは、イーサリアム上で構築され、必要に応じてイーサリアムのスケーリングソリューション上で利用できるようになります。そのため、ブロックチェーンならではのシェアリングエコノミーサービスを提供することができるようになります。

例えば、ファンがクリエイターに対して投げ銭による支援を行えるのはもちろんのこと、ファンがクリエイター対してTMCNトークンをステーキングすることで、ステーキング報酬をクリエイターと分け合い、ファンは見返りとして限定コンテンツを獲得して、特別なNFTを受け取ることができるようになります。

株式会社タイムチケットで展開する3つの自社サービス

タイムチケット社は、TimeCoin Protocolを普及させるため、自社で3つのサービスを展開します。

「eSportStars(いぽすた)」

eSportStars - いぽすた

eSportStarts(イースポーツスターズ、略していぽすた)は、オンラインにeスポーツのプロ選手とファンがゲーム対戦や交流できる場を提供します。ユーザーは、自由にトーナメントを開催したり参加したりすることができる他、対戦相手を探すことができるようになります。また、チケットを販売して対戦を収益化できる他、観戦者は対戦にベッティングすることもできます(ベッティングが合法な国に限る)。eSportStartsにより、ゲームを仕事にすることがより身近になる新たな世界観の実現が期待されています。

eSportStartsは、既にサービスが開始しており、現在5言語が提供されています。最終的に23言語まで対応が進む予定になっています。

クリエイター支援プラットフォーム

クリエイタースポンサーステーキング

タイムチケット社は、クリエイターの支援プラットフォームを用意します。クリエイターは、eスポーツやゲーム、アニメ関連のクリエイターで、YouTuber/VTuber、プロゲーマーや漫画家、絵師、芸能人などが対象になります。このプラットフォームでは、ユーザーはクリエイタースポンサーステーキング(CSS)という仕組みを使い、クリエイターを支援することができるようになります。CSSでは、ファンは自分が支援したいクリエイターにTMCNをステーキングします。そこで発生したステーキング報酬は、報酬の半分がクリエイターに配布、残り半分がファンに配布されます。

CSSは、TimeCoin Protocolに関わるすべての参加者にメリットをもたらす「三方良し」な仕組みになります。

クリエイターのメリット:

クリエイターはファンとのエンゲージメントを強化しながら、ステーキング収入を得ることができるようになります。自らの活動を通して、ファンに応援のお返しをすることができます。また、クリエイターはステーキングされた額に応じてお返しのランクを調整することができます。そのため、特に熱心なファンからは大きな額をステーキングをしてもらい、多めのステーキング収入を得ることもできるようになります。

ファンのメリット:

ファンはクリエイターを応援しながら、ステーキングにより収入を得ることができるようになります。さらに、クリエイターからのお返しで限定NFTアイテムや限定サービスを受けることができます。また、ファンがステーキングをすると、クリエイター側には誰がステーキングしてくれたかが明確に見えるようになります。そのため、ファンは自分が応援していることを、クリエイターに直接知ってもらうことができます。

投資家のメリット:

投資家は、今後伸びると思うクリエイターにステーキングすることで安定収入が得られ、クリエイターからのお返しで販売や提供するNFTアイテムやサービスを転売して収益を得ることができるようになります。

DApps版タイムチケット

現在、日本市場ではブロックチェーンを使わない非DApps版のタイムチケットがリリースされています。タイムチケットは、一般人が特定ジャンルでカリスマになるということをコンセプトにしており、タイムチケットだけで月100万円以上を稼ぐ人も存在しています。

DApps版タイムチケットは、TimeCoin Protocol上にタイムチケットのサービスが構築されます。サービス購入者は、サービスを利用した特典としてTMCNトークンを受け取ることができるようになり、他のシェアリングエコノミーサービスを利用するよりも見返りが大きくなる仕組みになっています。また、TimeCoin Protocolを利用している他のシェアリングエコノミーサービス上にユーザーデータ共有することができるため、ユーザーは横断的に様々なシェアリングエコノミーサービスを利用しやすくなります。

TMCNトークン

TimeCoin Protocol上では、TMCNトークンを利用します。TMCNは、既に1億枚がイーサリアム上で発行されています。TimeCoin Protocol上の取引手数料で利用される他、TimeCoin Protocol上に構築されたシェアリングエコノミーサービスへの支払い用途としての役割を担います。また、TMCNのトークン配分に報酬プールが用意されており、そのうち80%がシェアリングエコノミーサービスのユーザーに対して配布されるようになっています。

TMCNは、既にBitForex, BiKi, BitMartに上場しており、2020年11月11日にBitForexでIEOを行いました。しかし、すべてのトークンが売り出されたわけではありません。2021年4月29日現在、TimeCoin Protocolでは、追加のトークンセールを実施しています。トークンセールはShenzhen Heleyiにより行われ、ロックアップ付きでありながらも市場価格の約9割引きでTMCNトークンを購入することができます。詳しくは、トークンセールのページから確認することができます。

※トークンセールは、特定の国の居住者は参加できません。

TimeCoin Protocolに関する情報

当メディアによる情報

インタビューシリーズ:グローバルウェイ/TimeCoinプロトコル 代表 各務正人 氏

公式情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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