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モジュラーチェーンのDAプロジェクト「Avail」の解説

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Avail の解説

Avail(アベイル)は「Web3の統合レイヤー」を謳う、モジュラーチェーンにおけるデータ可用性とコンセンサスに特化したブロックチェーンです。もともとPolygonプロジェクトにおけるプロダクトの一つから始まり、2024年7月23日にメインネットおよび$AVAILトークンをローンチしました。

現在の主流のブロックチェーンは、モジュールが分割されていない「モノリシック」なアーキテクチャで構成されています。しかし、これらのチェーンはアプリケーションの性能要件を満たさないことが多いため、独自のチェーンを作るアプローチが増えています。ただし、独自チェーンをゼロから構築するには多くの手間と時間がかかります。そこで、モジュール式のアーキテクチャが登場し、開発者はそれらを組み合わせることで独自チェーンの開発を簡素化できるようになりました。しかし、このような流れはエコシステムの断片化を促進し、エコシステム間のトランザクションをより面倒で困難なものにしています。

Availは、断片化してきたエコシステムを統合するために開発されました。以下の3つのプロダクトで構成されています:

  • Avail DA: データ可用性(DA)を提供
  • Avail Nexus: 共有シーケンサーの選択、証明の集約および検証を提供
  • Avail Fusion: 外部チェーンの流動性をステーキングしてセキュリティを強化

これらにより、レイヤー2のインフラプロバイダーには高いコスト効率や拡張性がもたらされ、あらゆるユースケースに対応できます。また、Availはアプリケーション固有のロールアップに対して、ビジネスロジックを優先した実装、独立性と相互運用性、Web2のようなシンプルなUI/UXを提供します。

Availと類似のプロジェクト:Celestia解説記事

Availが提供するソリューション

Avail DA

Avail DAは、無限にスケーラブルなブロックチェーンを構築可能にするためのプロダクトで、データ可用性とコンセンサスを提供します。特定のエンティティへの信頼を最小限に留めるアプリケーションやソブリンロールアップのニーズを満たすように設計され、ライトクライアントがデータ可用性を簡単に検証することができるようになっています。

データ可用性には、以下の技術が組み合わされています:

  1. 消失訂正符号: データにエラーが含まれていても、元のデータを復元可能。
  2. KZG多項式コミットメント: 偽のコミットメントの作成が計算的に困難で、詐欺の証明を防止。
  3. データ可用性サンプリング: ライトクライアントが完全なブロックをダウンロードせずにデータ可用性を検証可能。

これらの技術により、データの存在を確実にし、高速な検証を行うことで、保証されたデータ可用性と高いスケーラビリティを達成します。

また、コンセンサスには、シビル体制にNPoS(Nominated Proof of Stake)を使用し、アルゴリズムにBASE/GRANDPAを採用しています。これらは、Polkadotの技術フレームワークであるSubstrateに採用されている実績豊富なものです。

Avail DA

Avail Nexsus

Avail Nexsusは、ロールアップを統合するための検証ハブです。Avail DAを信頼のルートとして活用し、Availエコシステム内外にある複数のブロックチェーンを接続します。

Avail Nexsusそのものは、Avail DA上のゼロ知識証明ベースのロールアップとして構築されており、証明の集約や検証、シーケンサー選択およびスロットオークションのメカニズムを提供します。集約された証明は、検証のために、定期的にEthereumとAvail DAに送信されます。

Avail Nexus

Avail Fusion

Avail Fusionは、AvailエコシステムとWeb3の統合レイヤーに追加のセキュリティを提供します。

BitcoinやEthereumなどの主要なエコシステムのネイティブ資産をAvailのネイティブ資産($AVAIL)と一緒にステーキングすることで、セキュリティをさらに強化することができます。Fusionにより、Availに外部の流動性をもたらせる他、$AVAILの価格のみに依存しないPoS型セキュリティにより、$AVAIL単体よりも安定したセキュリティを確保できるようになります。

Avail Fusion

AVAILトークン

Availは、ネイティブ資産として$AVAILを発行しています。

AVAILトークンのユーティリティ

  • ネットワーク料金
  • チェーンのセキュリティの確保(ステーキング)
  • ガバナンス

AVAILトークンの配布

$AVAILは、ローンチ時に合計100億枚が発行され、年間5%のインフレペースで増加していきます。ローンチ時のトークンの割り当ては以下のようになっています。

コミュニティ
とリサーチ
エアドロップ パブリック
アロケーション
(将来のインセンティブ)
エコシステム
開発
コア貢献者 投資家
トークンの割り当て 2,387,500,000 600,000,000 600,000,000 3,000,000,000 2,000,000,000 1,412,500,000
供給割合 23.88% 6.00% 6.00% 30.00% 20.00% 14.13%
TGE時のリリース 20% 100% 100% 20% 0% 0%
べスティング – クリフ 12 0 0 12 12 12
クリフリリース 0 0 0 0 25% 25%
リリース期間(月) 36 0 0 36 36 18

AVAILトークンが売買できる取引所

Availに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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