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モジュラーチェーンのDAプロジェクト「Avail」の解説

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独自チェーンを作るフレームワークが様々存在しており、大まかにレイヤー1を作るためのものとレイヤー2を作るためのもので分かれています。AvailはPolygonよりスピンアウトした、後者のためのフレームワークを提供します。

Avail の解説

Avail(アベイル)は、モジュラーチェーンにおけるデータ可用性(Data Availability)とコンセンサス(Concensus)に特化したブロックチェーンです。同種のプロジェクトとしてCelestia解説記事)があります。

現在主流のブロックチェーンは、モジュールが分割されていない”モノリシック”なアーキテクチャで構成されています。これらのチェーンはアプリケーションが求める性能要件を満たしていない事が多く、そのための解決策として独自チェーンを作るアプローチが増えています。しかし、それらをゼロから構築するには多くの手間と時間がかかります。そのような背景から、モジュール式のアーキテクチャが登場し、開発者はブロックチェーンの分離されたレイヤーにより、開発を最適化することができるようになりました。独自チェーンの開発において、必要になるのがスタック全体を支えるためのデータ可用性とコンセンサスのレイヤーです。

データ可用性とコンセンサスは、チェーンのセキュリティに直結する部分であり、特に開発の難易度が高い部分としても知られています。Availでは、これら両方を提供することにより、開発者が独自チェーンの構築(厳密にはロールアップ)を容易にする枠組みを提供します。Availで構築できるロールアップは、大きく3種類に分かれます。

  1. Validium:Availにトランザクションデータを投稿するロールアップ
  2. ソブリンロールアップ:トランザクションを別のチェーンに公開し、決済を自分で行うロールアップ
  3. アプリ固有ロールアップ:アプリケーションに特化したロールアップ
ロールアップの違い

ロールアップの違い(引用元:Monolithic vs. modular blockchainより筆者による日本語訳)

2023年11月時点で、Availはインセンティブテストネット段階になり、2024年第1四半期にメインネットのローンチが予定されています。

Availが提供するソリューション

Availでは、ロールアップのインフラプロバイダーとアプリケーション固有ロールアップの開発者に対してソリューションを提供します。それぞれのソリューションの特徴は、以下の通りです。

レイヤー2のインフラプロバイダー

  • 高いコスト効率:Availは、データ可能性を安全にオフチェーン移行し、大幅なコスト削減を実現しながら、ロールアップのスケーラビリティと効率を向上させます。また、GRANDPA/BABEなどのコンセンサスメカニズムやデータ可用性サンプリングにより、データの完全性と可用性を確保します。
  • 拡張可能:Availは、ユーザーの活動が増加するにつれて、ブロックスペースが増加するようになっています。これにより、アクティビティの増加に柔軟に対応できるようになります。
  • あらゆるユースケースに対応:Availは、レイヤー3エコシステム、Validiumなどのデータ利用可能性を実装するための各種ツールやソリューションを提供します。

アプリケーション固有ロールアップ

  • ビジネスロジックを優先したロールアップ:バリデーターセットやトークノミクスに気にすることなく、ビジネスロジックを優先した、最初からスケーラブルで信頼性の高いチェーンを構築できます。また、取引確認やファイナリティ、検閲耐性など、様々な機能を最適化できます。
  • 独立性と相互運用性の確保:Web3の他の部分が混雑していてもロールアップのパフォーマンスを維持します。他のチェーンの影響を受けなくなるようになり、かつチェーンを超えてシームレスに相互接続することができるようになります。
  • Web2とWeb3のシンプルさ:スマートコントラクトを再デプロイすることなく頻繁にアップデートをすることができます。Availが提供するアプリケーション固有ロールアップは、Web2開発における敏しょう性を反映し、クライアントサイドの証明検証を可能にします。

Availのトークン

2023年11月時点で、Availのトークン情報は公開されていません。

Availに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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