Layer2・サイドチェーンプロジェクト解説暗号資産

CyberConnectによるレイヤー2「Cyber L2(CYBER)」の解説

Layer2・サイドチェーン
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Cyber L2(CYBER)の概要

Cyber L2(サイバー・エル2)は、Web3ベースのオープンなソーシャルグラフを実現するCyberConnect(サイバーコネクト)によるEthereumのレイヤー2です。

プロジェクトは、Web3の大規模採用のための入り口はソーシャルアプリだと考えており、過去にはソーシャルグラフのCyberConnectや、LINK3をリリースしてきました。しかし、現状の分散型ソーシャルアプリではユーザーの巻き込みが不十分にできず、それらの原因は、劣悪なユーザー体験(UX)や高いガス料金、スループットの低さといったブロックチェーン側だとしています。そのため、チームはCyber L2をWeb3アプリケーションのソーシャルレイヤーとしてリリースすることにしました。

Cyber L2は、ソーシャルアプリを通じてユーザーをオンチェーンにオンボードできるEthereumのレイヤー2を構築しています。Cyber L2には、CyberGraphとCyberAccountによって提供されるソーシャルグラフプロトコルが組み込まれており、開発者は誰でもソーシャルグラフデータの読み書きを行うことができるようになっています。加えて、アカウント抽象化(AA)をネイティブにサポートすることにより、ユーザーはPasskeyやFaceIDのようなパスワードレス認証でアカウントを利用できます。

2024年3月10日時点でCyber L2のメインネットは稼働していません。同年第2四半期にテストネットが、第3四半期にメインネットがリリースされる予定となっています。

技術ハイライト

Cyber L2は、AltLayer(解説記事)を使ったモジュラーチェーンとして構築されており、主に以下の技術が利用されています。

OP Stackの利用

OP Stackは、OP Mainnetで知られるレイヤー2技術の開発を行うOptimism Collectiveによって開発されている技術スタックです。モジュールに基づいた開発ができ、さまざまなデータ可用性レイヤーを使うことでトランザクションコストの大幅削減を実現します。

また、Superchain技術により、OP Stackで開発されたOP MainnetやBase、Mantleなどの外部チェーンとCyber L2との相互接続が容易になります。これにより、Cyber L2上で展開されるソーシャルアプリが様々な外部チェーンのサービスと連携可能になります。

EigenDAの利用

ロールアップがトランザクションをEthereumに書き込むのは安全なオプションであるものの、コストが非常に高くスケーラブルではありません。そこで、Cyber L2はトランザクションを書き込む先としてEigenDAを利用します。

EigenDAは、EigenLayerが提供するデータ可用性レイヤーです。Ethereumのリステーキングにより、EigenLayerを利用するアプリケーション(AVS)は、Ethereumの強いセキュリティを利用できます。これはEigenDAも同様です。EigenDAにより、Cyber L2はコストを安く抑えつつ(1トランザクションあたり1セントの想定)、Ethereumと同様のセキュリティを確保します。

アカウント抽象化のネイティブ対応

Cyber L2は、アカウント抽象化にネイティブ対応します。ユーザーはスマートコントラクトアカウントを利用することで、シードレスな操作やガス料金のスポンサリングなど、さまざまなメリットを享受できます。

Cyber L2は、RIP-7560によるアカウント抽象化を実装し、ERC-4337への下位互換性を有しています。直接的にERC-4337を使用しない理由は、いくつかの課題があるためです。具体的には、分離されたトランザクションフローにより、既存のユーザーが資産を移動せずにメリットを享受したりアップグレードしたりすることが難しくなること、大幅なガスオーバーヘッドや少数の参加ノードと非標準のRPCメソッドへの依存があることです。

ネイティブ利回りの獲得

Cyber L2では、プロトコルによるネイティブ利回りの機能が組み込まれています。EigenLayerによる恩恵により、ブリッジされた$ETHやリキッドステーキングトークン、リキッドリステーキングトークンから利回りを得ることができるようになります。

分散型シーケンサーとベリファイア

既存のレイヤー2では、集中型シーケンサーが利用されています。これはトランザクションの検閲や単一障害点、有害なMEVの作成などにつながり、公平なネットワーク実現への妨げとなります。

Cyber L2では、$CYBERとリステーキングされた$ETHの両方を活用するデュアルステーキングモデルによりこれらを解決します。ユーザーは、自分でシーケンサーまたはベリファイアのノードを立てるか、好みのAVSオペレーターへステーキングすることができるようになるため、既存のレイヤー2と比べて分散型の形態をとることができます。

Cyber DB

ソーシャルアプリは大量のデータを生成するものの、すべてのデータがオンチェーンに保存するだけの経済的価値を有しているわけではありません。また、ソーシャルアプリではユーザーは自分のデータを非公開で管理し、特定の個人のみに共有することが一般的です。Cyber DBは、そのようなニーズに対応するためのオープンで安全、スケーラブルなEtheruem互換の分散型ストレージソリューションです。

CYBERトークン

Cyber L2では、既存のCyberConnectと同様に$CYBERを使用します。$CYBERは、Cyber L2やプロトコル、エコシステムのガバナンスやステーキングで使用されます。

$CYBERは、既にCyberConnectのトークンとしてリリースされているため、以下の取引所から入手することができます。

Cyber L2に関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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