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取引マイニングは利用者にとって本当にプラスなのか?

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FCoinから始まった取引マイニングは、その仕組みが画期的でインターネット上でもてはやされている一方、トークン価格は良い結果とはなっていないのが現状です。

仕組みが画期的であったら、そのトークン価格は底値を切り上げながら上昇してもおかしくありません。

筆者は、色々と取引マイニングの情報を調べているうちにとある矛盾点を見つけました。価格が上がらないのはおそらくその点にあるのかと考えています。

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取引マイニングとは

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取引マイニング(英語でTransaction Fee Mining)は、仮想通貨の取引をした人にボーナスとしてトークンをあげる仕組みです。取引をすることで、トークンがマイニングされるように見えるから取引マイニングと表現されます。

しかも、その取引マイニングで手に入ったトークンには、優遇されたインセンティブが用意されています。その内容は、

  • 取引所の利益から毎日高い配当を得ることができる(例:利益の8割を還元)
  • コミュニティ投票の権利が手に入る
  • 取引手数料が割引になる

といったもので、ぱっと見魅力的に見えます。

なぜそこまでして、取引した人を優遇するのか?それは、取引所にとっての生命線が流動性の高さだからです。

流動性が高いというのは、すぐに売る・すぐに買うということができる状態を指します。取引は自分の他に2人以上の相対する人がいないと成立しないため、すぐに売る・すぐに買うという状態ができているということは、画面の向こう側に頻繁に売買している人がいるということになります。

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取引マイニングトークンの現実

取引マイニングで手に入ったトークンは、取引所利益の8割が毎日還元されたりなど、かなり魅了的に映ります。

しかし、現在の仮想通貨相場の低迷と相まってなのか、魅力的な条件を提示しながらも価格が低迷している現実があります。まずは、現状を確認していきます。

まず取引マイニングの元祖であるFCoinのチャートです。取引マイニングを開始してから2か月程度で、コミュニティの投票により取引マイニングが中止になりました。

その後もトークン価格が下がり続け、上場来の底値を探っている状態です。

FCoin FTの価格推移

続いて、BKEXのBKKです。こちらも見るも無残な価格推移になっています。

今回は2つの取引所のみを取り上げましたが、トークン価格が大きなリバウンドをすることなく、一方的に下がっている状態なのがお分かりいただけるかと思います。

このほかに、取引マイニングを採用している他の取引所も、トークンの価格推移は似たようなものになっています。

取引マイニングのトークンの罠

素晴らしいほどの利益還元がある割に、トークン価格は一方的に下がっている取引マイニングのトークンですが、その仕組み上無理な一面があります。

それは、取引をすると新たにトークンを貰えるという仕組みそのものにあります。取引マイニングのトークンの場合、トークンは配当をもらうための権利といえます。

仮に取引所の売買高が毎日一定だとした場合、そこからトークン保有者に日々払い出される配当の総額も毎日一定になります。

しかし、取引マイニングのトークンは、日々の取引によりトークンが新たに発行され、その流通量が増えていきます。その分だけ配当をもらう権利が希釈化していきます。

配当をもらう権利が希釈化していくということは、トークンの価値が下がっていくということになるので、当然トークン価格は下がります。

同様の考え方をして整理すると、

  • 取引所の売買高が上昇:トークン価格が上がる
  • 取引所の売買高が横ばい:トークン価格が下がる
  • 取引所の売買高が下降:トークン価格がぐんと下がる

ということが言えます。仕組み上、トークン価格が下がりやすいという点がポイントです。

取引所の売買高が上昇している間は、配当が増える見込みがあるのでトークンを手に入れようとする人が殺到して価格が上がりやすいですが、もともと仕組み上トークン価格が下がりやすいようにできているので、いったん売買高の上昇が止まると売りが売りを呼んで一気にトークン価格が下がる可能性があります。

取引マイニングは、取引をするとトークンが貰えて、しかもそこから配当まで貰えるという一見魅力的なものですが、一方で配当の権利が毎日希釈化していきます。

そうすると、配当を安定して得続けるための手段は2つしかなく、配当を売却した資金でトークンを買い続けることを繰り返すか、取引マイニングをし続けるかになってしまいます。

いずれも、効率はあまり良くないものになることでしょう。

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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