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プロジェクト分析

分散型プライバシーネットワーク「Nym」のプロジェクト概要

プロジェクト分析

私たちが使っているインターネットの通信は、中央集権的であるため必ずどこかに盗聴されるリスクがあります。

その一方で、ブロックチェーンにより、誰にもコントロールされない非中央集権型のシステムが実現できるようになりました。「Nym」では中央集権的ななインターネットにおいて、プライバシーレイヤー作ることでプライバシーを確保し、非中央集権型のシステムを使い持続可能なネットワークの構築を試みています。

Nym の概要

現在のインターネットは、完全にプライバシーを保護することはできません。たとえ、Signalのようなプライベートメッセンジャーを使ったとしても、タイミングや送受信者などのメタデータを識別することができるため、利用者を特定することができます。

Nymネットワークは、匿名オーバーレイネットワークによりインターネットの通信にプライバシーを提供しようとしています。非中央集権型でトークン化されたインフラストラクチャが構築され、ネットワーク層からアプリケーション層までの幅広い通信のプライバシーを確保します。

Nymにより、検閲や恐れなく自由に通信をすることができるようになります。Nymを実現しているのが分散型のミックスネットと認証情報システムになります。トークンインセンティブをエコシステムに組み込むことにより持続可能でスケーラブルなネットワークを実現します。

Nym の特徴

Nymの情報フロー

Nymでは、以下の特徴を採用することにより、TorやVPNより強力な通信のプライバシーを確保することができるようになります。

下位レイヤーはミックスネットでプライバシー保護

Nymでは最も下位のレイヤーで分散化されたミックスネットを採用します。ミックスネットでは、独自のメッセージ方式を使い、通信内容を難読化します。

Sphinxと呼ばれるメッセージ方式は、匿名化されたメッセージを中継されるためのフォーマットになります。論文によると、Sphinxには以下の特徴があります:

  • 同等の仕組みよりコンパクト
  • リプライを区別できないようにする
  • 経路長やリレー位置を隠す
  • メッセージ経路間にリンク不能性を提供する
Sphinxのメッセージ構造

Sphinxのメッセージ構造

Sphinxの詳しくは、論文「Sphinx: A Compact and Provably Secure Mix Format」をご覧ください。

Sphinxにより、ミックスネットではデータパケットを均一サイズにし、トラフィックはタイミング難読化と確率的混合が行われ、カバートラフィックの追加、さらに利用者が単一ノードを信頼する必要がないように多重ホップが採用されます。

ミックスノードは既にリリースされており、GitHubよりダウンロードすることができます。

利用者に紐付かない匿名認証を提供

Nymネットワークでは、匿名認証の仕組みを用意しています。匿名認証情報は、ココナッツ証明を用いてプライバシーが強化されたデータ転送と分散型IDを実現します。OAuthベースのシステムの代替手段として機能します。

この仕組みにおいて、個人が特定されることはありません。特定のサービスに必要なデータは匿名認証情報に埋め込むことができ、認証情報はアクセスしたいサービスにユーザを紐付けることなく、分散化されたパブリックな方法で検証されます。

ココナッツ証明の詳しくは、論文「Coconut: Threshold Issuance Selective Disclosure Credentials with Applications to Distributed Ledgers」をご覧ください。

既存の通信の匿名技術との比較

VPNやTorとの比較

VPNやTorとの比較

Nym 対 VPN

VPNの場合、利用者のコンピュータとVPNプロバイダーのノードとの間で、通信のトンネリングを行います。

VPNプロバイダーは利用者のインターネットのトラフィックや利用者のアクセス状況を把握することができます。そのため、VPNプロバイダーが信頼できる業者かどうかという問題が出てきます。

Nymのミックスネットは、強力な匿名のオーバーレイネットワークを提供します。ノードは分散されており、匿名認証を利用するため、ノードを信頼する必要がなく、プライバシーを確保した通信を行うことができます。

Nym 対 Tor

Torでは、3ホップを経由できる通信経路を提供します。

Torの単一ノードはトラフィックを匿名化できません。また、オニオンルーティングでは、各ホップ間のトラフィックが暗号化できるものの、最終ホップである出口では復号化されます。つまり、Torではネットワークの入り口と出口を監視されてしまうと、通信のプライバシーを確保できない可能性があります。

そのため、Webブラウジングのような既存のソリューションではTorで対応できるものの、暗号通貨のトランザクションやセキュアメッセージングなどのメッセージの受け渡しが発生するものではミックスネットが向いています。

トークンモデル

トークンの特徴

Nymネットワークを利用するためには、利用者はクライアントソフトウェア(もしくはサービスに統合される)を使い、利用料としてNYMトークンを支払います。NYMトークンを使用すると、一定期間Nymネットワークへのアクセスが許可されます。

これは、ネットワークが完全にボランティアで運営することは不可能という考え、またネットワークを使用不可にするためのスパム攻撃を防止するという考えに基づいています。

利用者が使用したトークンは、ミックスネットでミキシング(プライバシーを確保するパケットルーティング)を行ったノードや、利用者に資格情報を配布するバリデータへの報酬となります。

NYMトークンには、早期にNymネットワークに参加したノードやバリデータにより多くの報酬を提供するため、デフレーションが設定されます。

主要な取り扱い取引所

NYMトークンは、現在リリースされていません。

Nymのロードマップ

2020年4月2日時点では、ロードマップは発表されていません。

Nymに関する情報

公式情報

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