Layer1プロジェクト解説暗号資産

Archway(ARCH)の解説

Layer1
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Archway(ARCH)の概要

Archwayは、開発フレンドリーなレイヤー1ブロックチェーンです。開発者への経済的利益を第一優先にし、エコシステムの持続的成長をプロトコルレベルで促すことを目指しています。

Web3は、ブロックチェーン技術の性質により、本来はサービスの収益化が難しい構造になっています。ブロックチェーンを使うことで仲介者を介さずエンドユーザー同士で直接取引を行うことができるため、DApps開発者がエンドユーザーの取引から収益を得ることが難しくなります。しかし、ブロックチェーンプラットフォームは、開発者の存在があるからこそ繁栄できるものです。そのため、開発者の収益化はブロックチェーンプラットフォームの成功に直結する要素といえます。

このような背景から、最近ではDApps開発者に対してプロトコルから報酬を出すブロックチェーンが増加傾向にあります。例えば、Astar NetworkではdApp Stakingによってブロック報酬の一部をDAppsプロジェクトに払出すようになっています。また、Cantoではユーザーが支払った手数料の一部が開発者に還元される仕組みが導入されています。

Archwayは、前述の例よりさらに開発者が収益化しやすい仕組みを用意しています。具体的には、3つが用意され、ガス代の一部を還元する「ガスリベート」、ブロック報酬の一部を還元する「インフレーション報酬」、トランザクションに基本料金を設定できる「スマートコントラクトプレミアム」で構成されています。

Archwayブロックチェーンそのものは、Cosmos SDKベースになっており、仮想マシンでWasmとCosmWasmをサポートしています。DAppsの開発において、開発者は40以上の高級プログラミング言語(C, C++, Python, Go, Rust, Javaなど)を使うことができるようになっています。また、IBCによりチェーンをまたいだ資産のやりとりやスマートコントラクトの実行を行うことができます。

ArchwayにおけるDApps開発者の収益化の仕組み

開発者の収益化の仕組み

 

Archwayでは、3つのDApps開発者の収益化の仕組みが提供されます。

ガス料金の分配:ガスリベート

ガスリベートは、収集したガス料金をDApps開発者とバリデーターに分配するというものです。開発者、厳密にはスマートコントラクトの作成者は、使用されたガスの50%をブロック生成ごとに受け取ることができます。これは、バリデーターの収入を下げることに繋がりますが、短期的にガス料金収入の一部を見送ることで、将来的に取引量や料金、ネットワークの価値を効果的に高めることに繋がるとされています。また、潜在的な悪用を防ぐための保護措置として、スパムコントラクトの展開を防ぐため、新しいコントラクトをアップロードする場合に通常の取引よりも高いガス料金が要求されるようになっています。

ブロック報酬の分配:インフレーション報酬

Archwayでは、$ARCHトークンのインフレ率はCosmos Hubのモデルに従っており、トークン総供給量は毎年7~20%で増加するようになっています。Archwayはこの増加分の一部を直接DAppsと共有します。Devflation(デブフレーション)と呼ばれているこのモデルでは、プロトコルがブロック報酬の25%をDApps開発者に、75%をバリデーターに支払います。25%のうちの分配は、各DAppsがブロック内で発生させたガス料金の割合に基づきます。

トランザクション実行の基本料金:スマートコントラクトプレミアム

Archwayでは、DApps開発者がDAppsの基本使用料を自由に設定することができます。この仕組みは、スマートコントラクトプレミアムと呼ばれ、デフォルトではプレミアムはゼロに設定されており、開発者は後から値を変更することができます。ユーザーは、トランザクション実行時にガスとプレミアムが合算されて請求されるため、この仕組みにより、UXが阻害されることがないようになっています。

ARCHトークン

Archwayでは、ネイティブトークンとして$ARCHを利用します。

ARCHトークンの用途

  • セキュリティ:ArchwayはPoSを採用しているため、$ARCHをステーキングすることによりセキュリティを維持します。
  • ガバナンス:$ARCHをステーキングすることで、ガバナンスに参加することができます。
  • トランザクション手数料:トランザクションを実行する際に$ARCHを支払います。
  • 開発者の収入:ガスリベート、インフレーション報酬、スマートコントラクトプレミアムによってDApps開発者が収入を獲得します。

ARCHトークンの配布

$ARCHは、Archwayブロックチェーンのローンチ時に10億枚が発行され、以下の割当てに従って配布されます。

  • エコシステム助成金:27.00%
  • プライベートセール1:12.00%
  • プライベートセール2:2.50%
  • Archway財団:15.00%
  • Phi Labs:10.00%
  • コミュニティプール:10.00%
  • コア貢献者:10.00%
  • エアドロップ:5.00%
  • コミュニティセール:5.00%
  • 早期支援者:3.00%
  • テストネット・ハッカソン:0.50%

Archwayでは、ボンディング率に依存しないインフレ率が設定され、リアルタイムで適切に実行されます。年間インフレは10%、Devflationは25%に設定されており、最初の約8年で総供給量が2倍になると予測されています。

$ARCHのインフレーション

$ARCHのインフレーション(Token Allocationより)

ARCHトークンが売買できる取引所

2023年5月28日現在、$ARCHの現物を扱う取引所は存在していません。トークンセールが、6月16日にCoinListで行われる予定です。

Archwayに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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