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Solana上のEVM「Neon EVM(NEON)」の解説

Layer2・サイドチェーン
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Neon EVM(NEON)の概要

Neon EVMは、Ethereum Virtual Machine(EVM)を実行することができるSolanaのレイヤー2です。Neon EVMでは、ガスとして$NEONを使用します。

Solanaは、1日あたり100万トランザクション以上、そのスループットは4,000~5,000TPSと、今やトランザクション数ベースでは最も使われているパブリックブロックチェーンの1つになっています。しかし、仮想マシンがWebAssemblyベースのSealevel Virtual Machine(SVM)を採用していることから、EVMと互換性がありません。そのため、今まではWeb3において最も開発者人口が多いEthereum経済圏のDApps開発者を自らのエコシステムに取り込むことができませんでした。そこで、Solana経済圏に彼らを取り込むべく、Neon EVMがリリースされました。Neon EVMにより、Ethereum経済圏のDApps開発者は、これまで作成したコードに最小限の変更を加えるだけで、Solanaに自らのDAppsを構築することができるようになります。

また、Neon EVMはEthereumの技術的制約を解放します。Ethereum内では、ステートはすべてのスマートコントラクトのキーバリューデータを格納するMerkle-Patricia Trieによって表現されます。このようなスマートコントラクトは、一般的にSolidityで書かれており、共有データとコントラクトのコードを別々に参照することはできません。そのため、スマートコントラクトは決定論的な動作を保証するために、順番に実行する必要があります。これはスループットの低下に繋がり、混雑時はガス料金の高騰につながります。Neon EVMは、Solanaのスマートコントラクトとして構築されているため、Solanaのセキュリティや性能を継承することになります。非決定論的な動作によりトランザクションの並行実行が可能になり、トランザクションのスループットは2,000TPS程度になります。加えて、1トランザクションあたりのガス代が0.0003ドル程度と、EVMでもSolanaのメインネットと同様の恩恵を受けることができるようになりました。つまり、Neon EVMはSolanaとEthereumの利点を両取りすることができるソリューションと言えます。

Neon EVMの利点

Neon EVMの利点($NEONのトークンセールページより)

Neon EVMでは、既にインデクシングプロトコルのThe GraphCovalent、クロスチェーンルータープロトコルのMultiChainらがインフラを構築しています。

Neon EVMのエコシステム

Neon EVMのエコシステム($NEONのトークンセールページより)

Neon EVMの技術概要

Neon EVMは、3つの要素「Neon Proxy」「Neon EVMプログラム」「Neon DAO」から構成されています。

Neon Proxyは、Neon EVMクライアントとNeon EVMを仲介する役割を果たし、Neon EVMオペレーターによって運用されます。Neon Proxyは、Neon EVMクライアントから受け取ったEVMライクのトランザクションをSolanaのトランザクションにラップして、Neon EVMプログラムに受け渡します。また、ユーザーから手数料として$NEONで受け取り、$SOLでSolanaチェーンにトランザクション手数料を支払います。

Neon EVMプログラムは、他のSolanaのスマートコントラクト同様にRustで書かれており、SVMのバイトコードにコンパイルされています。これにより、Neon EVMはトランザクションの並列実行を含むSolanaの機能をフルに活用することができます。Neon EVMは、Neon Proxyから受け取ったEthereumライクのトランザクションのラップを解除してトランザクションを実行し、Solanaのステートを更新します。

Neon DAOは、Neon EVMのガバナンスレイヤーです。Solana上に展開された一連のスマートコントラクトとして存在しており、そのサービスに対して手数料を受け取ります。

Neon EVMの動作概要(ホワイトペーパーより)

NEONトークン

Neon EVMでは、ネイティブトークンとして$NEONを発行しています。

NEONトークンの用途

$NEONは、主に2つの用途で使用されます。

トランザクションの実行

Neon EVMでのトランザクション実行に利用されます。ユーザーはNeon Proxyのオペレーター(下図のNeon EVM Operator)に$NEONを支払います。また、オペレーターはSolanaのバリデーターとNeon DAOのトレジャリーに支払います。

Neon EVM、$EVMのトークノミクス

Neon EVM、$EVMのトークノミクス(ホワイトペーパーより)

ガバナンス

$NEONは、Neon DAOのガバナンスに利用されます。$NEONの保有者はNeon DAOが開催する投票に参加し、Neon EVMの開発や方向性などを決定することができます。投票では$NEONをNeon DAOのスマートコントラクトに送ります。投票期間中は$NEONがロックされます。

NEONトークンの配布

$NEONの総供給量は10億枚となり、以下の割合に応じて配布されます。

セグメント 総供給量に占める割合 リリーススケジュール
早期購入者 16.12% 1年間のロックアップと1年間のリニア権利確定
主要パートナー&アドバイザー 7.02% リリーススケジュールは個々の契約に基づいており、最低1年間のロックアップと1年間のリニア権利確定が可能です
エコシステム開発 31.93% 最低1年間のロックアップと、1年間のリニア権利確定
創業者 15.00% 1年間のロックアップと1年間のリニア権利確定
初期貢献者 1.00% 最低1年間のロックアップと、1年間のリニア権利確定
一般販売 5.00% 2023年7月17日頃に100%ロック解除
エコシステム成長
(トレジャリー)
23.93% 使途はガバナンスにより決定

NEONトークンが売買できる取引所

2023年5月28日現在、$NEONの現物を扱う取引所は存在していません。トークンセールが、6月8日にCoinListで行われる予定です。

Neon EVMに関する情報

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この記事を書いた人

TOKEN ECONOMISTのDirector。「ブロックチェーンによる少し先の未来を魅せる」をポリシーに、注目しているプロジェクトの紹介やインタビューを行っています。

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